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2001.09.18[火]
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日々雑感 - DoromPATIO
America Under Attack
一週間経過

アーミテージ米国務副長官が日本政府のしかるべき高官に「Show the Flag」と言ったのだそうである。これはすなわち、1991年の湾岸戦争で、当時の日本の海部政権が130億ドルの戦費拠出だけの協力に終始した結果、戦争終結後、西側諸国で唯一、日本だけがクエートやアメリカから感謝されなかったと言う噴飯もの恥辱的な出来事の轍を踏むな、国旗=日の丸が(国際社会からしっかりはっきりと)見えるような(金を出すだけではない身体を張った)貢献を望むと言うことを意味するわけである。
かくて日本政府与党は侃々諤々上を下への大騒ぎ。周辺有事がどうの新規立法だなんだかんだと大揉めである。

こう言う場合は「小説:宣戦布告(麻生幾-1998-)」が非常に参考になる。これはいわゆるシミュレーション小説だが、内容は北朝鮮の潜水艦が日本海側に漂着し、更に原子力発電所に対するテロが発生。この危機(クライシス)に日本がいかに対処・対応するかと言うものなのだが、読後感としては「ああ、こりゃ駄目だ」のひとこと。
どう言う事かと言えば、自衛隊はいざという場合、実際には全く機能しないと言うことが小説中で見事に証明されているからである。
阪神大震災の時だって自衛隊はすぐには出動できなかった。当時の村山首相が即断しなかったからである。これがテロ発生の場合となるともっとややこしい。災害発動とは訳が違うほど法律の縛りが多いのである。例えば戦闘準備の場合、塹壕を掘る。掘る場所が公道だと建設省(旧称)なり地方のしかるべき行政機関の許可が必要となる。掘る場所が山の中だと、地主の許可が要る。不在地主だと確認に手間が掛かる。緊急事態だというのに自衛隊は勝手に穴を掘ってはいけないのである。塹壕だけでこれだから、様々な場面局面で同じような法律上の問題が起きる。つまり山ほどの許可許諾を取らないと部隊を事前展開できないのである。冗談で書いているのではない。本当の話である。
戦争になった場合、あるいはテロ発生による準戦争状態になった場合に、特定の一つの法律に基づいた発令によって一瞬にして他の法律を超越して自衛隊が展開できるような法体系が日本にはないのである。
であるから、自衛隊は実は装備や兵力の面で世界有数の軍隊なのだが、実際の運用は(いざとなった場合には)全くできないと言う信じがたい存在なのである。そのことを「小説:宣戦布告」はものの見事に描き出しているのである。

日本がテロの直接の対象になった場合ですら直ちに出動できない自衛隊を海外派遣するという要求がPKFやPKOじゃなくて対テロの戦闘行動の一環として出されたのが今回のケースである。勿論、湾岸戦争よりも遙かに話はややこしい。政府が右往左往するのは当然である。小泉首相はいつもの調子で沈痛な表情で出来る限りのことをすると抽象論しか言わない。
ところがシラク仏大統領もブレア英国首相も今週ホワイトハウスで具体的な打ち合わせ協議である。
よど号事件で超法規的措置とか言ってテロに屈しちゃった唯一の先進国日本の将来は暗い。

アメリカは一所懸命国際世論のベクトルを整合して、何とかして『キリスト教 vs イスラム教』の宗教戦争とならないように画策している。つまり『平和を愛する民主主義国家 vs テロリスト及びテロリスト支援者、支援国家』であるとしたいわけである。しかし、やっぱり、これは明らかに宗教戦争である。
何故ならばアメリカもイスラム教国も、そして勿論ビンラディンにも共通しているのは、みんながみんな「自分は全て正しい」と思っていることなのだ。これは極めて宗教的な発想である。だって神は間違えないんだから。
日本人の発想は違う。パールハーバーを考えてもそうである。日本人は真珠湾攻撃を不可避的な奇襲攻撃だと思っているが、全面的に日本が正しいとは思っていない。広島・長崎の原爆投下にしてもアメリカも悪いが災いを引き起こしたのは日本人自身だとも思っているのである。
しかし、今回の同時テロの場合、アメリカ(の少なくとも政府首脳と軍幹部)は悪いのは全てテロリストであると言い切っているし、実際にそう思っている。ビンラディンは当然、アメリカが大悪魔なんだから、どんな悲惨な目にあっても良いと思っている。イスラム教国はイスラエルの横暴を許容するアメリカに原因があると思っているのは言うまでもない。
対立する当事者が、それぞれに自分は絶対に正しいと思っているんだから、外交交渉で解決できる問題ではない。
やっぱり「唯一神教」連中の発想は我々日本人とは違うのである。

ところで話題の渦中のビンラディンを育てたのはCIAであると言う笑えない事実がある。旧ソ連がアフガン侵攻した時の対抗勢力としてビンラディンを軍事教練し支援し武器援助したのである。
そう言えば、イラン・イラク戦争の時にイラクを支援したのはアメリカであった。湾岸戦争でイラクを蹂躙したのもアメリカである。アメリカは大悪魔だと以前から公言している代表国がイランだが、今回は当初から国内穏健派主導者がアメリカを持ち上げる発言をしている。イランと同じくアフガニスタンと国境を接するパキスタンはこれを機会にアメリカに恩を売って援助を乞いたいので妙に協力的。しかし国内は大反対ムード。インドはパキスタンと同じく協力体制万全のアピール。中国は訳の分からないコメント。北朝鮮は図々しいとしか言いようのないコメント。リビアのカダフィもこれまた図々しいコメント。
まとめて言えばぐっちゃぐちゃ。
湾岸戦争でイラクをフセインを完全に殲滅しなかったのは中東のパワー・オブ・バランスの観点から、あの湾岸戦争終結時点で、もしもフセインを抹殺すると、たちまちにしてイランがイラクを併合して(トム・クランシーの小説などでさんざん書かれている)大イスラム共和国が出来ちゃう可能性があったと言うことは今や国際政治の常識。もしも大イスラム共和国が出来ちゃうと周辺のイスラム教国は軒並み飲み込まれる。そうばれば軍事強国イスラエルも一挙に危うくなる。そうなったら最後、アメリカのエネルギー政策=石油戦略が破綻する。さすれば同時に日本を含む西欧文明は将棋倒しとなるのである。つまり中東情勢はトランプで組み立てる暇つぶしのピラミッドのように複雑微妙にして一触即発のとってもとってもややこしく脆弱にして危険極まりないものなのである。
地上に宗教戦争と民族紛争、地中に石油資源がある限り中東に真の平和はやってこない。

そもそも我々日本人は学校でアメリカの歴史は勿論、中東の歴史をちゃんと学んでいないから実際の所がさっぱり分からない。その上に宗教が絡むからいよいよ分からない。これに、さらに現在の国際政治が影響してくるからますます分からない。
その昔、スエズ運河の権益を強固にしたいイギリスはイスラエルの建国に尽力したのだそうな。アラブ社会の中にユダヤ人国家というくさびを打ち込んでおくことで貿易権益を確固たるものとしようとしたわけだ。だから今回のテロが起きた直後にブレア首相はかっこいい声明をアナウンスした。
イラクがクエートを侵略したら砂漠の嵐作戦で直ちにイラクを懲罰したアメリカは、国連決議を無視してパレスチナ地域に駐屯したままのイスラエルを擁護し続ける。内政との絡みから歴代アメリカ大統領はイスラエルの横暴を批判できないのである。

テレビ報道は既に「アメリカの報復開始はいつか??」に論点が移ってしまっている。中東解説はビンラディンはどういう人間かに終始している。
こっちが知りたいのは、ここ100年ぐらいの中東を中心とした国際政治の力学的関係である。2000年前からの宗教戦争の話をされると長くなりすぎる(1時間番組で2000年分を要領よく解説してくれるならそれでもいいが)。
仕方がない。古本屋を回って中東関係とアメリカの歴史の参考書を探してこよう。アメリカの歴史も調べたいのは、詳しいことを全然知らないからである。歴史が分からなければ、アメリカ人が何をどういう風に考えるかを推測できないからである。
猫 チンチラ 来夢&来喜
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