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2002.04.22[月]
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映画三昧 - DoromPATIO
■ オーシャンズ11・他
ハリウッド映画が相変わらず元気なのは良いこと。と言うわけで、最近観た洋画についてちょっと書いてみよう。

「ダイ・ハード」&「ダイ・ハード3」(TV):ダイ・ハードは、かのブルース・ウィルスの出世作であり、ハリウッドのアクション大作のエポックとも言える作品である。妙に人間くさいヒーローと007の敵役並みの知的で大規模な凶悪集団との「一人 vs 軍隊」みたいな戦いをたっぷりの予算で仕上げるというパターンはその後の流行にもなった。その「ダイ・ハード」はストーリー的には1と3が繋がっており、後で続けて観るならこの順番がよい。思い起こせば、ちょうど去年の9月に「ダイ・ハード(1)」をテレビで放映するはずだったのだが「9.11同時多発テロ」で無期限延期なってしまったのだ。それが今年になってやっと日曜洋画劇場で再放送。見終わったらすぐに「3」を観たくなったのだが、なんと超らっき〜♪なことに次の週にはNTVで「ダイ・ハード3」が放映された。単なる偶然なんだろうが、レンタルビデオ代が浮いたのは良いことだ。
どちらの作品も既に5〜6回は観ているはずだが、いわゆる「アクション大作」として実に良く出来ていると言うことを改めて確認した。
良くハリウッド映画の世界制覇を批判する向きがいるが、これだけ万人受けする「巨大予算投入・勧善懲悪・過剰アクション・スーパーヒーローもの」はハリウッド映画の独壇場であり、アメリカでも日本でも香港でもロシアでもどこの誰が観たって面白いんだからどうしようもない。「監督のマスターベーションに近い筆者小説みたいなフランス映画」や、「間の取り方が京劇から抜け出せない香港・中国映画」や、「幾らマスコミが特集しても、おちゃらけミュージカルにしか見えないインド映画」や、「結局は根が暗い韓国映画」や、あるいは「いつまで経ってもペーソスなのか?な日本映画」じゃ喧嘩にならないのである。

「オーシャンズ11」(渋谷東急):その昔のシナトラ一家の「オーシャンと11人の仲間」の現代版リメイクだが、キャスティングが半端じゃない。パンフレットによれば出演者が意気投合してギャラを少な目にしたらしいが、全員がまともなギャラを要求していたら予算オーバーで制作に掛かれなかっただろうと言うくらいの超豪華キャスト。なにしろ、ジュリア・ロバーツ(通常のギャラは1作=1000万ドル!!)とジョージ・クルーニーとブラッド・ピットのギャラだけで地方都市の年間予算ぐらい行っちゃう筈なんだから【笑】
で、この「オーシャンズ11」は珍しく映画館で観たのだが、1800円を投じる価値のある映画であった。ロードショー開始後1ヶ月半だったが、まだまだそこそこの客の入り。演出上の特徴として、誰も死なないと言うのがポイント。家族で観ても安心の作品。役者的には11人を相手に一人で個性を発揮する悪役のアンディ・ガルシアの存在感が凄い。逆に言えば、合計12人それぞれをうまく生かし切っている脚本が素晴らしい。但し11人の中の中国人の扱いだけは明らかにハリウッド映画にありがちなアジア人蔑視だが。

「モンスターズ・インク」(渋谷東急):AppleのCEOだがAppleからは一年間に「$1(!!)」しか貰っていないジョブズの本業の方の会社=ピクサーのフルCGアニメ作品。アカデミー賞部門賞受賞。諸般の事情【苦笑】で劇場で日本語版を観たのだが、ディズニー、ワーナー、ハンナバーバラ等で培われたアメリカ伝統のアニメの凄さ・素晴らしさを改めて実感出来る名作。手塚治虫や宮崎駿夫が逆立ちしたって、こう言う作品は作れない。笑いと涙と感動がキャラクターの滑らかな動きと表情だけで表現出来ているのだ。勿論、台詞も重要だが本来のターゲットである子供達が自然に感情移入出来るのは、やはり圧倒的に「動き」の演出なのだ。
言うまでもないがCGの質は高く、ストーリーはしっかりしていて大人の鑑賞に堪える。但し全てのアメリカのアニメ作品に共通していることだが、日本のアニメと違って人間である主人公の女の子はちっとも可愛くない。ポカホンタスのような見るに耐えない顔ではないが【笑】。

「U571」(DVD):友人が「潜水艦ものは息苦しいなんて言わないで観なさい」と言うことで観た第二次大戦のUボートもの。トム・クランシー原作の「レッドオクトーバーを追え」みたいな壮大なる現代的テクノ・スリラーではなくて、エニグマ暗号機を含めたUボート奪取と、第二次大戦時点のメカ的に不完全な潜水艦と人間の死闘がテーマ。個人的にはイギリス軍よりはドイツ軍の方が遙かに好きなのでストーリー的にはやや不満だが、地味目の戦争アクション映画としては良く出来ている方だろう。但し軍事おたくから言わせれば、あれだけ近くに爆雷を落とされては、その時点で間違いなく沈没している点が納得出来ない。
ついでに言えば、クライマックス・シーンでのドイツ海軍の駆逐艦が魚雷で大爆発を起こすシーンは後述の「ソードフィッシュ」のワンシーンと同じく、明らかに(火炎部分が)合成と判るのがやや興醒めではある。

「ソードフィッシュ」(DVD):ある程度はコンピュータに通じていないと興味が半減するハッカー系の映画。「苦節??年」の後、タランティーノの「パルプ・フィクション」で新境地を開拓して復活したジョン・トラボルタ主演。アカデミー賞を取ったハル・ベリーのきりっとした表情とスレンダーな肢体が筆者的には最高。但し、大きく分ければ神田うのに似ているが【苦笑】。DVDだったのでおまけ映像も面白かった。但し演出の切れがイマイチなので劇場で観るほどの作品ではないと思う。
過剰演出でリアリティさに欠けるアクションシーンが多いのも気になる。ヘリから吊り下げられたバスから犯人一味と人質が落下するシーンと、その二人が人質の身体に巻き付けられたC4(プラスティック爆弾)によってビルの外壁部分で爆死するシーンがもろに合成なのが判るのは白ける。「ターミネーター2」で、シュワちゃんがビルのロビーでバンバン撃たれるシーンで、アップになると人形なのがわかっちゃうのと同じで、今どきのCGの進歩は、わずかな「粗(あら)」が逆に目立ってしまうと言う問題を引き起こしていると思うのだな。
なお実際の市場シェアとは全然関係なく、映画に出てくるコンピュータは圧倒的にApple Macintoshが多いのだが「ソードフィッシュ」は100%、全部DELLである。

「A.I.」(DVD):スピルバーグの鳴り物入りの大作。言うまでもなくCGは現時点の最高峰だが、主演の「超名子役」ハーレイ・ジョエル・オスメント無くしてはこの作品は成り立たない。目だけの演技でも100万ドルの価値はあるだろう。二役をするシーンでは「仮面の男」のデカプリオと同じく、表情や目、そして台詞のしゃべり方でまるで別人のように演じ分ける技量は(デカプリオもそうだが)只者ではない。
しかし作品としてみた場合は、はっきり言って「非常に変な映画」としか言いようがない。クライマックスで急に「2000年後」なんてテロップは見たくない。結末は悲劇的だし。それにしてもスピルバーグの映画では宇宙人が全て善人(善玉)なのは何故だろう??
なお、例によって例のごとく、スピルバーグの趣味とも言える「ハリウッド映画史のトリビュート(またはパロディ)・シーン」が満載。脇役の「男性セックス・ロボット」が主人公の「デイビッド」(ハーレイ・ジョエル・オスメント)と森の中で語るシーンはジーン・ケリーの「雨に歌えば」と、ジュディー・ガーランドの「オズの魔法使い」を下敷きにしているし、その後のシーンは「ブレードランナー」っぽいし、水没したニューヨークは最初の「猿の惑星」の衝撃のラストシーンを彷彿とさせる。
もうひとつ。劇中のロボットは瞬きをしない。恐らくロボット役の役者は全員、コンタクトレンズ着用と思われる。
とにかく、見終わった後、爽快感とはほど遠いものが味わえる映画。
ついでに言うと、CGは素晴らしいのだが、やはり気になるシーンはある。冒頭の「授業」のシーンで女性ロボットの顔面が開き、顔全体が上部後方にスライドするところは「を〜すげぇ」ってぐらい見事なのだが、スライドした後の頭の上の顔は明らかに作り物だと判っちゃうのだな。だからやっぱり、筆者の評価では未だにCGの使い方の最高傑作は「フォレスト・ガンプ」に尽きる。「フォレスト・ガンプ」は余程注意しないとCGだと気が付かないCGが目茶苦茶多いところが凄いのだ。
蛇足:トリビュートという意味で言えば「A.I.」は(筆者の世代の日本人から見れば)どう考えても「鉄腕アトム」から発想を得ているとしか思えない。「鉄腕アトム」は交通事故で最愛の息子(飛男)を亡くした天馬博士が、飛男をロボットとして蘇らせるが、感情もなければ痛みも感じないロボット=飛男=アトムに失望し云々………から始まるわけで、テーマもストーリーもまるで「A.I.」なのである(デイビッドは息子の代わりにやってくるが追い出されてしまう)。もう一つの共通点は「A.I.」も「鉄腕アトム」も背景ストーリーはとっても「根暗」であると言うこと。つまりどちらも「愛と死」がテーマなのだ。
蛇足の蛇足:本稿と全く関係ないが、筆者は万人が賞賛する(のであろう)手塚治虫が実は大嫌いである。「鉄腕アトム」は勿論、リアルタイムで読んだし、「火の鳥」や「ブッダ」は何回読んだか判らない。しかし、本質的には手塚治虫が嫌いなのだ。何故かと言えば前述のごとく背景的に暗いからである。手塚治虫は元々はお医者さんなので、多分「死(または死生観)」についての認識が常人とは違うのだと思う。その結果、全ての作品には必ず「死」や「滅亡」が背景テーマとして漂っている。代表作である「火の鳥」は表面的には「無限の再生」がテーマのように見えるが、実際に語っているのは「生き物は必ず死ぬこと」である。「ゼロマン」はまるっきり滅亡がテーマだし、「鉄腕アトム」は最後は太陽に飛び込んでいく。子供に夢を与えるべき漫画家が死生観を語り続けたと言う事実は筆者の趣味ではないのだ。

「トゥームレイダー」(DVD):日本製以外で最もヒットしたPC用アクション・ゲームであると言われる「TOMB RAIDERS」(直訳すると「盗掘人」。意味的には「トレジャー・ハンター」に近い。インディー・ジョーンズもご同業【笑】)の実写版。
漫画でしかあり得ないはずの美貌とスタイルの「ワンダー・ウーマン」だって実物(リンダ・カーター)が存在するハリウッド映画界だから、「トームレイダー」だってちゃんと実写になるところが凄い。主人公役のララ・クロフトことアンジェリーナ・ジョリーは全然美人ではないがめっちゃめちゃ脚の長い筋肉質&胸の大きい女優で(筆者の趣味ではないが)正に填り役という感じ。ワイアーアクションとCGによるアクション・シーンはゲームそのまま。アイテム(お茶)を取る(飲む)とダメージが完全回復するところもまるでゲーム感覚。だからコンピュータ・ゲームを全く知らない場合はピンと来ないシーンも多い。
それにしても、この手の映画は「インディー・ジョーンズ」にしろ「ハムナプトラ」にしろ、そして「007」にしても、基本的なプロットは全て同じ。違いと言えば、少々の演出の違いとCGの進歩と役者の個性と周辺ストーリーの差違でしかない。要するに下記の通りなのだ。
  • 勧善懲悪(かつ大抵は孤高の)スーパーヒーロー or ヒロイン
  • 圧倒的パワーの敵役
  • 中近東、南米、アフリカ、東南アジア、バハマなど、欧米人から観てエキゾチックなエリア(ロケ地)での展開
  • 可能な限り派手なアクション
  • ラストシーンでは必ず敵基地または遺跡は大爆発
  • 必ずハッピーエンド
それでも面白いし、それでも観ちゃうのは「赤穂浪士」や「大岡越前」と同じく、世界共通の予定調和的娯楽だからなのだろう。

「ジュラシック・パークIII」(ビデオ・レンタル):確立されたCG技術と、既にブランドとも言える「ジュラシック・パーク」の名前で、まるで昔の「ジョーズ」と同じく、続編を作ればある程度は確実に稼げるという打算ミエミエのまるっきりの駄作。脚本もいい加減。盛り上がりも無し。やけに短い映画でエンド・タイトルが出た時には「え?これで終わり?」と思ったぐらい。但し、恐竜のCGは本当にお見事で、既に合成だとか、そう言うことを全く意識せずに見ている自分にふと気が付くぐらいに自然であり、つまり完璧である。
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