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2011.09.14[水]
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DoromPATIO
■ その6 - 設計ミスの考察【笑】
追記@2012.12.06
日々雑感 - DoromPATIO
何という位置にフロント・ピックアップをレイアウトしたのだ、レオ・フェンダー先生は【爆】

dpTL GoldTop=Bacchus BTE-250R SWを入手してすぐに不思議な現象に気が付いた。フロント・ピックアップを選んだときだけ「5フレットのハーモニクスが出力されない」のである。
勿論、生音ではちゃんとハーモニクスは鳴る。ブリッジ(リア)・ピックアップを選択すれば、5フレットのハーモニクスはちゃんと信号として出力される。
しかし、フロント(ネック)・ピックアップでは5フレットのハーモニクスは音声信号としては全く出力されないのである。

このことで演奏上の支障を来すわけでは無いが、気持ちの良いものではないし、今までのギターでは一度も経験したことが無い事象なのでずっと不思議だった。
しかし、原因も判らぬまま、取りあえずは放っておいた。
5フレットのハーモニクスを演奏として鳴らす必要があるのは筆者のレパートリーの中ではBBAのライブ盤の「Sweet sweet surrender」のイントロ部分ぐらいである

しかし、dpTL GoldTopが完成し、前ページに記載したような数カ所の不具合を直した結果、唯一の謎として、この問題だけが残ってしまったのであ〜る。
そこである日「5フレット」や「ハーモニクス」や「鳴らない」やらを混ぜ込んだ複合検索をググりまくったら、なんと在りましたね、答えが【♪】

理屈を説明するには冒頭の作図を見るのが手っ取り早い。
ギターのスケール(ナットからブリッジまで)の中央が12フレットである。つまり長さが丁度半分=1/2と言うこと。そして5フレットはナットから丁度1/4にある。
だから5フレットのハーモニクスは12フレットのハーモニクスのポーンという音に対して、更に1オクターブ上のピーンと言う高い音になる。これを音響工学的に表現すると4次高調波となる。つまり開放弦の4倍の周波数(但し基音を含まず倍音のみ)と言うことである。
この時、弦はどういう風に振動しているかというと、ブリッジとナットは固定されているので、間の3箇所を「節」とした「〜〜」のようなうねうね状態になる(連続したサイン波形ですな)。
ここで問題なのがフロント・ピックアップの位置である。
テレキャスターのフロント・ピックアップはブリッジ側からこれまた丁度1/4のところにある。つまり、見事ジャスト丁度、4次高調波の「節」に位置するのだ。
その証拠に、フロント・ピックアップの真上でも綺麗なピーンと言うハーモニクスを鳴らすことが出来る(フロント・ピックアップの真上でハーモニクスが綺麗に鳴らない個体の場合は逆に5フレットのハーモニクスはちゃんと出力されるはずだ。そうなる原因は「(1)何故かピックアップの位置が違う。(2)ネックがミディアムスケール 〜のいずれか」であろうと推測出来る)。

つまり「節」は弦振動のデッド・スポット=振動していない場所である。だからこそ「節」と呼ぶのだ。結果、フロント・ピックアップは音声信号を拾うことが出来ない……と言うわけなのだ。
これに対して、ブリッジ・ピックアップは「節と外れた位置」に在るので、ちゃんとハーモニクス音を拾うことが出来るのである。

では、筆者が「これまで所有したギターでは経験したことが無かった」のは何故かと言えば、それらは全てLes Paul系のミディアム・スケールのフルサイズ・ハムバッカー搭載のギターなので、フロント・ピックアップが節から外れており、ハーモニクス音を拾うことが出来たからなのである。

この件の対処方法は大きく分ければたったのふたつしか無い。
  1. 無視する
  2. フロント・ピックアップの位置を節からずらす

このいずれかである。

但し、無視すると言う選択枝は筆者の性格から考えると既に無い【爆】。
さもなきゃ、こんなアーティクルを書いたり、わざわざ冒頭の面倒な作図をしたりはしない【苦笑】。
しかし(筆者としては不思議なことに)世の中にゴマンと存在するテレ使い(それも、プロの世界では名手揃いで有名)は(特にオールドものの、筆者から見れば欠点・欠陥だらけの)テレキャスターを愛して止まないわけだから、きっと欠点(欠陥)を知っていても気にしない=他のメリットとの差し引きで補って余り在る=充分すぎるほどお釣りが来ると言うことなのだろう。
この点については「テレキャスターの見た目=デザイン」だけを気に入って超安価なコピー品=つまりは「まがい物」を入手して改造した(している)筆者にはまるで解らない心境・境地であるが、まぁ、関係ないからいいのだ、とにかく。
人の価値観は千差万別なのだ【きっぱり】。

後者=ピックアップの位置変更については方法論はふたつ考えられる。
ひとつは正に位置変更だが、そんな実例は見たことが無いし、デメリットが多すぎるのは最初から明らかである。
フロント・ピックアップの位置は(ネック側へは指板が迫っているのだから)ブリッジ側にしか移動できない。移動すればフロント・ピックアップの音が変わってしまう(固くなる)。
ピックガードの開口部をブリッジ側に広げたらネック側に隙間が出来てみっともないのでイチから作るしか無い。
だから、誰もこんな改造はしないと言うことに違いない。

もうひとつはテレキャスター・シンラインやテレギブ(ジェフ・ベックの「哀しみの恋人たち」で有名な、PAFを搭載した改造テレキャスター)のように、フロント・ピックアップをフルサイズのハムバッカーに交換する方法である。
こうすれば、前述のようにハムバッカーのふたつのコイルのうち、ブリッジ側の方のコイルが「弦振動の節」から外れるので5フレットのハーモニクスを拾ってくれるはずだからである。

筆者の場合、幸いにしてマットブラック仕上げのフルサイズ・ハムバッカーの手持ち在庫がある【♪】。
最初はGibson Les Paul Deluxeに取り付けた(後にはGM8Rに移設し、そのGM8Rに飽きたので廃棄する前に取り外して保管してあった)EMGのパッシブのフルサイズ・ハムバッカー・ピックアップが手元にあるから金は1円も掛からないのだ。
(^^)v
と言うか、それがあるからピックアップ交換と言う発想になったわけである【爆】。

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EMGなのにパッシブタイプ。下がネック(フロント)用
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Les Paulに装着していたときの写真
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Ornetts GM8R(GLD)に装着していたときの写真

この黒いハムバッカーを黒いピックガードに取り付ければ、今のdpTL GoldTopのデザイン的な雰囲気はまるで損なわれないのだ。逆に言えばクロームカバーや(テレギブのような)ゼブラなどのハムバッカーでは見た目が気分じゃ無くなって宜しくないのである。

なお、筆者のdpTL GoldTopのピックアップはフロントもリアもSeymour DuncanのHOTRAILS For TELE=シングルサイズのハムバッカーに取り替えてあるので、フロントをフルサイズのハムバッカーにしても基本のサウンドやピックアップの出力は変わらないので、その種の懸念も無い(繰り返すが筆者はテレキャスター独特のサウンド&トーンには何の興味も無いのである)。
逆に言えば、この問題をもっと早く理解していれば、最初からフロントを手持ちのEMG HZにしていたわけだ。そうすれば更に1万円も安く作れたことになる【苦笑】。
残念。(c)ギター侍
と、それはさて置き。

しかし、勿論、金は掛からなくても手間はしっかり掛かる。何でならば……

  • ピックアップ・キャビティをザグって広げる木工作業
  • ピックガードの開口部を綺麗に広げる加工作業
  • 再配線作業

少なくとも、これだけの作業が必要だからであ〜る。
既存のピックガードは材質的にとっても固いので手持ちの工具ではとてもじゃないが綺麗に加工出来そうに無いから、ペダルボードに使っている加工しやすい低発泡塩ビの板(1,300円ほど)の黒色を東急ハンズで1枚買ってきてイチから作った方が作業は楽だろう(テンプレートはオリジナルのピックガードそのものをそのまま使えば良い)。但し、この方法の場合には材質と強度/剛性/質量の全てが大幅に変わるので音に影響が出る可能性はある。
キャビティ(木部)のザグリ加工はノミと金槌でOK。これは何度もやっているから楽勝。
再配線も超簡単。
そのついでに前々ページ記載のブランクのストラップピンを外して穴埋めしてゴールド塗装もやっちゃば、より完璧【♪】

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ノーマル位置の黒いストラップピンは筆者には不要なのだ

しかし、これら一式を全部行うと間違いなく(塗装の乾燥のインターバルとかがあるから)数日から1週間は掛かる。
だから、すぐには手を付けないぞと【きっぱり】。

と言いつつ、在庫確認【笑】のために件の「EMG HZ-H2 Neck(これが正式名称)」を引っ張り出して来て、取り付け部品などがちゃんとあるかなどをチェック。更にdpTL GoldTopとのマッチングを見たりなんかしてみちゃった筆者【苦笑】。下の写真の通り、全てバッチリであります。でも、すぐには作業しない。

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本体、ケーブル、取り付けビス、高さ調整用のスプリングが揃っていることを確認 (^^)v
購入したのは2003年7月。場所は吉祥寺のロックインの地下売り場。下記のサイトの説明には「This is our "hot-rodded" passive model」とあるが、ロックインのベテラン店員に音の希望を伝えた結果、これを選んでくれたんだってことを思い出した【♪】
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以前にGM8Rに取り付けていたときにワイアリングがごちゃ付いたキャビティ内で、フロント・ピックアップからのケーブルとリア・ピックアップからのケーブルを確実に区別するために貼ったテープがそのまま残っていた
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EMGの特徴のひとつがソケット式のアウトプットジャック
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全体のサイズ、弦間ピッチもOK
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スワップしても5フレットのハーモニクスが出力されない……なんてことは無いはずである


appendix 1:テレキャスター(オリジナル)の設計ミス・欠点・欠陥

それはさて置き、外観形状=デザイン以外にテレキャスターに特別の思い入れが何にも無い筆者が気になるテレキャスターの基本設計のミステイクを改めて整理すると下記の通りであ〜る。なんて沢山あるんだ【爆】。

  1. オクターブ調整が出来ないオリジナルの3-wayブリッジ(本家Fender USAの最近のモデルは6-wayブリッジに改良済み)
  2. 人によってはブリッジ・ミュートがやりにくいと不満が多いブリッジ・プレートの壁(幸いにして、この点は筆者は気にならないが、本家Fender USAの最近のモデルは改良済みで壁は無い)
  3. ピッキングやアルベジオの邪魔になる(同じく)ブリッジプレートの壁(これは確かに、下側が邪魔である)
  4. ブリッジ・ミュート奏法が出来ないブリッジ・プレート・カバー(初期モデルのみ。用途・機能には諸説あり、正確なところは未だに不明。今のモデルには付いていないが、昔はストラトやジャズベーにも付いていた)
  5. ブリッジ・プレートの固定はサドル側の4点止めで不確実(本家Fender USAの最近のモデルは6点止めに改良済み)
  6. ハイポジションでの演奏を拒否するようなネック・ジョイント部のデザイン形状(本家Fender USAの一部のモデルはヒールカットで改良済み。ちなみに、この点についてはGibson Les Paulも似たようなものである)
  7. ローポジションでコードを押さえやすい代わりに(現代的な弦高調整では)ハイポジションでのチョーキンで間違いなく音詰まりを起こすオリジナルの指板アールのきつさ(9.5R。本家Fender USAの一部のモデルはコンパウンド・ラジアス形状=9.5R〜14R=により改良済み)
  8. 21フレット仕様(これは筆者としては困る。本家Fender USAの最近のモデルは22フレットのものが多いが、フェンジャパやコピーモデルは未だに21フレット仕様が主流なのは理解出来ない)
  9. ピックアップ切換えレバーとボリューム・ノブが近すぎる(本家Fender USAはこの点については未だに手を付けていない。何故だろう?)
  10. 板に棒を付けたような=と表される構造と形状なので、右の二の腕、胸骨がボディと当たって痛くなる(本家Fender USAの一部のモデルでストラトのようなエルボーカット、コンターカットを採用)
  11. ネック・ピックアップの高さ調整はピックガードを外さないと出来ない(本家Fender USAの最近のモデルは改良済み)
  12. モデルによってネック・ピックアップの音量がブリッジ・ピックアップに比べて明らかに小さいのでバランスが取りづらいことで有名(オールドのテレキャスターを弾いたことが無いので筆者には解らない。改造前のBacchus BTE-250R SWでは特には感じなかった)
  13. モデルによってピックアップがハウリングを起こしやすい場合がある(これは確か。オーバードライブ系のペダルをハイゲインに設定したりトレブルを上げたりするのが無理なほどに酷い)
  14. ノイズ対策が稚拙(ノーマルだと盛大にハムノイズが発生するが、これはストラトもそうである。筆者は今までずっとハムバッカー使いなのでハムノイズは苦手である)
  15. 出力端子が特殊な形状で奥に引っ込んでおり、L字型のプラグは事実上使えない
  16. ネック・ピックアップが5フレットのハーモニクスを拾わない(このページの主要テーマ【爆】。余り話題にならないが筆者的には大いに気に入らない。本家Fender USAの対策は無し。但し、現物を弾いて確かめたわけでは無い)
appendix 2:Telecaster/Bacchus BTE-250R SW/dpTL GoldTopの優れている点

欠点・欠陥ばかりを上げ連ねては罰が当たる【爆】。それどころか、愛機=dpTL GoldTop君が御機嫌を損ねては困る。
Macintoshもそうだが、楽器にも感情があるのだ【きっぱり】。
であるからして、テレキャスターと、そして、そのまがい物=Bacchus BTE-250R SWの徹底改造派生モデルである筆者のdpTL GoldTopには優れた点が山ほどあることも以下に列挙しておこう【♪】

  1. テレキャスター・オリジナル・モデルに関して上記の通りズラズラっと羅列した全部で16箇所もの欠点・欠陥・設計ミスのうち、1つを除いて全て改造・改良済み【♪】(書くまでも無いが、残る1点は「5フレットのハーモニクス問題」だ)
  2. 歴史に残るエレキギター=世界3大デザイン(Telecaster、Stratocaster、Les Paul)のひとつ【♪】いわゆるひとつのエバーグリーン【♪】この3機種を超えるデザインは今後も有り得ない【きっぱり】(次点はPRSの標準的なシェイプのもの)
  3. 海外アーティストもそうだが、福山雅治をはじめとする人気アーティストが最近は妙にテレを使っている。そう、トレンドなのだ【♪】(最も単純な理由はストラトとPRSが多すぎるからだろう。筆者がPeavey HP EXPをお蔵入りにした表向きの理由【笑】は改造ネタが無くなって飽きたからだが、本当はPRSが多すぎるからである。Peavey HP EXPはPRSのデザインをパクったモデルなのだ【爆】)
  4. 意外ほどにサウンド・バリエーションが豊富【♪】(YouTubeを調べまくると解るが、カントリーとロックは当たり前として、スタンダード・ジャズまでOKなのにはビックリ)
  5. 安定したネック・コンディション【♪】(Made in China 侮るべからず)
  6. (大改造による)ボディにフィットする形状【♪】(究極の費用対効果大作戦)
  7. 適度な重さ【♪】(購入時にチェック済み&分厚いポリウレタン塗装を全て剥がして塗り直した効果も大の筈)
  8. ネックとヘッドがストレートなので、万が一床に倒したときにGibson系のようなネック折れの心配が無いのは安心【♪】
  9. ヒールカットを施してある場合には少なくともLes Paulなんかよりは遙かにハイポジションが弾きやすい【♪】(Whole Lotta Loveのリックの最後の22フレットからの全音チョーキングをネックに親指を掛けたままで楽勝で出来るのは特筆もの。実際問題として、ダブル・カッタウェイのPeavey HP EXPと比べてもハイポジションの弾き易さで遜色は無い)
  10. コントロールプレートをリバースさせたdpTL GoldTopの場合、ストラトのように近すぎず、Les Paulのように遠すぎない、丁度良い位置ににボリューム・ポッドが来るので演奏中の操作性は抜群である【♪】(それにしてもストラトのボリュームは弦に近すぎると思うのだ、筆者は)
  11. 出力端子のコネクターの位置をナットの調整で出来る限りボディの外側方向に移動してあるのでL字プラグも使用可能【♪】
  12. dpTL GoldTopとdpGuitarSystem3のコンビネーションによるトータル・サウンドは各エフェクターを筆者好みのパラメータに設定することにより「ストラト系ロックサウンド」と「Les Paul系ロックサウンド」のそれぞれを切り替えて使えるので、少なくとも筆者のようなシンプルな70年代系のハードロック屋さんには完全に万能の機材である【♪】

追記@2012.12.06[木]:その後、dpTL GoldTopの最後の欠陥=アンプを通すと、ネックピックアップで5フレットのハーモニクスを拾わない問題も解決した。方法は強引。ネックピックアップの位置をブリッジ側に寄せたのである。そのためにピックガードを新たに作った。また、ブリッジはSQUIERのパーツをネットで見つけて交換。これでイントネーションも完璧♪

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