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2007.08.01[水]
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Gibson SG Special - DoromPATIO
■ Ornetts GM8R(GLD) その22 DiMarzio SuperDistortion
2007.08.12[日]追記
Ornetts GM8R(GLD) - DoromPATIO
これでポップスからハードロックまでOK♪ クリックすると拡大

前ページの最後に触れた「GM8R(GLD) Chinchilla改造の最後の1点」とは何か? それはリア・ピックアップである。それは一体、どう言う事かを説明しよう。

と言っても、説明は単純ではない。色々な要素が複雑に絡み合う。その要素をアトランダムに並べてみよう。
  • 1970年代のハードロックに於て、Gibson Les PaulとMarshallの組合せが王道だったのは、それが当時、ヘビーで歪むギター・サウンドを手に入れる(事実上)唯一の方法だったからである
  • しかし、その後の様々な技術革新=マスター・ボリューム付きのアンプ、ありとあらゆるエフェクターの登場、高出力ピックアップの登場などなど=から、Les Paul+Marshallの必然性は薄れた
  • 音楽のジャンルの極端な多様化により、ストラトのようなワイドレンジで高域が出しやすいギターが主流になってきた
  • 同時にストラトはエフェクターの乗りがよい
  • だからいよいよ、プロの使うギターの殆どはストラト(またはストラト系)になって行く

しかし筆者は以前に触れたようにストラトが嫌いなのである。その理由を再掲すれば下記の通りである。
  • ロングスケール(特にメープルネック)は、まるで指に馴染まない
  • ボリューム位置が近すぎる(演奏中に触れてしまう)
  • ミドル・ピックアップは演奏の邪魔だし使わないから無意味
  • トレモロ・アームも使わないから無意味(ハード・テイルは入手困難)
  • 使っているギタリストが多すぎる

だからGM8Rを買ったのである。そしてピックアップは元々はLes Paulに付けていたEMGのパッシブ・ピックアップであるHZにしていたわけである。何故ならば……
  • GM8Rは使い勝手は筆者が慣れ親しんでいるLes Paulに極めて近い
  • 形状はPRSそっくりで実に美しい
  • EMG HZはハムバッカー・ピックアップとしてはハイ上がり(高域のレンジが広い)ので今どきのサウンドであり出力は低めでエフェクターの乗りがよい

しかるに、ついこの間、ある思い付きと、極めていい加減な買い物がきっかけでピックアップの配線を、何故かFender テレキャスター用の交換パーツである4-Wayレバー・スイッチに取り替えたわけである。この結果どうなったかというと……
  • フロント・ピックアップは(リア・ピックアップが少々ブレンドされるという特殊な配線なので)フルテンにしてもLes Paulのように太く甘くはならず(筆者の好みから言うとLes Paulは太く甘くなり過ぎるのでバッキングなどでは使いにくい)かなりしっかりしたメリハリのあるトーンになるから◎
  • ボリュームを絞った時にもハイ落ちが少ないのでバッキング=カッティングに最適なのも◎
  • 逆に、単独で動作するリア・ピックアップの素の音は細く厚みが無く高域がキンキンして全く好みではない。バランス的にもフロント・ピックアップに比べてゲインが下がりすぎる
と言う、何とも痛し痒しなアンバランス状態に陥ったのである。しかし、フロント・ピックアップは◎だが、リア・ピックアップはイマイチであるという傾向は実は程度の差こそあれ前からのことであった。EMG HZをLes Paulに取り付けていたときはそう言う事は余り気にならなかったから、ボディとの相性というか、GM8Rの軽量ボディのせいでもあるのであろう。そして、その大雑把な傾向が特殊な配線で余計に強調されたらしいのである。

となれば幾つかの選択枝が考えられる。
  1. 配線を元に戻す → もう穴を開けちゃった(溝を切っちゃった)から3-Wayか5-Wayのレバースイッチにするしかないが、リア・ピックアップの線の細さをカバーできるわけではない
  2. リア・ピックアップを交換する♪

考察するまでもなく、結論はリア・ピックアップを高出力でファットでハードロック向きのものに交換してしまうしかないのである。そんなことをすると、フロント・ピックアップとのバランスが取れないのではないか?と言う点はまるで気にする必要がない。何故ならば……
  • ストラト系に「S-S-H」と言う配列がある。ある意味、今のトレンドである。この場合、書くまでもないがリアだけが突出して出力が高いわけだが、それこそが「S-S-H」の狙いなのである
  • 筆者は通常はソロはリア・ピックアップで弾くので、リア・ピックアップに切り替えれば(足元のエフェクターの操作無しに)ゲインが上がるのは非常に好都合である
S-S-H:書くまでもないが一応、説明しておくと「(ネック側から)シングル・コイル/シングル・コイル/ハムバッカー」と言う配列のこと。だからと言って、普通のストラトをS-S-Sとは表記しない

あとはリア・ピックアップをどのメーカーの何にするかであるが、これは迷うことなく(以前はLes Paulに取り付けていた)DiMarzio DP100 SuperDistortionしかない。理由は単純である。
  • 前に使っていたからトーンや特性、使い勝手は完璧に把握している
  • 現在のDiMarzio DP100 SuperDistortionは昔のDual Soundと統合された4芯配線モデルなので非常に特殊な現在のGM8Rの配線にそのまま対応できる(現在の配線はコールドとアースが別れている必要がある。さもないとノイズの嵐になってしまう)
  • フロント・ピックアップではポップスやカッティング、リア・ピックアップではハードロックと言う極端な組合せこそ、筆者の求める(=必要なサウンドの)全てである
  • DiMarzio DP100 SuperDistortionの発売は1972年。いわゆるリプレイスメント・ピックアップという市場を創造したエポック・メイキングな製品なのだが、それから35年が経過した今でも、世界有数の高出力ピックアップである。こう言う存在感のある個性的な商品は筆者の好みであーる♪
  • 昔はトップ・プレートがベージュしか無かったが、今はどんな色でも選べるのでEMGと同じブラックをチョイスできる(からGM8Rの全体のデザインにマッチする)
ちなみに、以前の2芯タイプの旧型SuperDistortionは以前のバンドのメンバーに譲っちゃったのだが、2芯の場合は4-Wayスイッチには上に書いた理由で配線ができないし、トップ・プレートはベージュだからGM8Rに取り付けると違和感があるから買い直しで良いのだ

後は何処で買うかだが、これも迷う要素がない。普通、殆どの楽器店でDiMarzio DP100 SuperDistortionは13,500円前後の価格だが、例によって例のごとく最近の筆者ご愛用・御用達のサウンドハウスなら直輸入品=9,500円(送料・消費税込=10,250円)なのだ♪

と言うわけで日曜日にインターネットで注文し、月曜日の朝一番でジャパンネット銀行から振り込んだら火曜日に届いた♪ いやぁ〜便利至極である。
Ornetts GM8R(GLD) - DoromPATIO
DiMarzio DP100 SuperDistortion

後は取り付けだけだが、DiMarzio DP100 SuperDistortionのようなカバーの無いタイプのピックアップの場合には筆者は必ず、取り付け作業に入る前に、まずはコイル(ボビン)の廻りを3Mのプラスティック・テープで何重にも巻き直す(巻き足す)のである。

何故かというと、こうして、コイル部分とトップ・プレートの段差を無くしておかないと(ピックアップを高目にセッティングしてある場合は特に)極端に強く1弦をピッキングしたときに、その段差に弦が引っ掛かってしまう場合があるからなのである。筆者はそのことに昔所有していたGibson ES-335proで気が付いた。このES-335proと言うギターのピックアップはカバー無しのGibson Dirty Fingersと言うものなのだが、自宅で練習しているときに弦が引っ掛かると言うことを経験して、驚き呆れてテープを巻いたのである(下図参照)。
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断面図(c)DoromPATIO

勿論、Les Paulに取り付けていたSuperDistortionにも同じようにテープを巻いた。だから幸いにしてライブなどでの「事故」の経験はない。ところが、2年ほど前に、いつもの某私大関係の年末ライブに出演したあるバンドのリードギター君が演奏の最中に彼のギター=Ibanez=でそれをやらかし、本人は何が起きたか判らず、ソロがメタメタになったのを目撃したことがあるのである。なんたって、こうなっちゃったら1弦は全く音が出ないのだから、もう最悪なのである(と言うことについて指摘している記事を見たことがないのは実に不思議である)。
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アクセントのために巻いているのでは無いのである
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トップ・プレートとの段差を無くすのであーる

準備作業が終わったらいよいよ取り付けであるが簡単な作業だからシーケンスは省略。写真を参照のこと。
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EMGを外したピックアップ・キャビティの状態。グレーのスポンジはピックアップの取り付け角度を弦と平行に保つための筆者独自の工夫。これを思い付いたも30数年前
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DiMarzio DP100 SuperDistortionのワイア=出力線をバック・キャビティへのトンネルに通したところ。ピックアップの廻りに巻いたグレーのスポンジについては後述
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DiMarzioのワイアをバック・キャビティに引き出す
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5本のワイアをまとめている外側の黒い被膜を剥く
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全部で5本のワイアに端末処理を施す
白と黒はまとめて絶縁する。これで2芯配線になる。赤はホット(信号線)、緑はコールド、そして裸線がボディ・アースである
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完成。クリックすると拡大
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(参考)実体配線図(c)DoromPATIO

もうひとつ、筆者独自の工夫があるが、これも写真を参照のこと。
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カバード・タイプではないピックアップの場合、エスカッションとの隙間があってグラグラするのでスポンジを詰め込んで半固定させるのが筆者流のやり方。これも大昔=30年ほど前[に、筆者のLes Paulで編出した方法
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これでガタ付きや揺れなどの不要な動きはなくなるのだ♪
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埃も入らない

なお、一点だけ、予想外のことがあった。下の写真で判るとおり、弦のピッチとDiMarzio DP100 SuperDistortionのポール・ピースのピッチがまるで合っていないのだ。6弦側は合っているが、1弦と2弦は明らかに外れちゃっているのである。DiMarzio DP100 SuperDistortionには型番の末尾に「F」が付くモデルがあり、この「F」は「Fender」の「F」で、シンクロナイズド・トレモロ付きのストラトに組み込むためのピッチのものだが、それなら合うのかも知れないが後の祭りである(交換しようと思えば出来ないことはないが)。
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神経質な人は許せないかも。しかし筆者はまるで気にならない。何故なら、Les Paulの時もそうだったからである【苦笑】

しかしである。実は実用上=演奏する上での支障はないのである。何故なら1弦と2弦はしょっちゅうチョーキングする弦だからである(チョーキング・アップするとちょうど、ポール・ピースの真上に来る)。第一、DiMarzio DP100 SuperDistortionほどに高出力だと聴感上の問題は元もと皆無でもあるのだ。気にしない気にしない♪
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結果的に赤いテープでDiMarzio DP100を強調するデザインとなった。なお、ブリッジは結局、Gibson製に戻した。こっちの方が指板のRに合っているので弦高を下げられるのである【苦笑】

かくして、やっとこさGM8R(GLD) Chinchillaは完成♪ 後は演奏に専念しよう♪
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ベランダで記念撮影。クリックすると拡大
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クリックすると拡大
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「角(つの)」が長く見える構図
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DiMarzio DP100 SuperDistortionは目一杯高くセッティングしてある
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もーいじらないぞ【爆】 クリックすると拡大

余談:DiMarzio DP100 SuperDistortionは本当に出力が高いのでZOOM 707II GUITARで鳴らすと簡単にクリップする。なので入力初段のアイソレータと言う部分のゲインを下げる必要がある。dpGuitarSystem2に関して言えば、まず第一にSamson AirLineのトランシーバの設定を調整し直さなければならない。さもないとレシーバー側でクリップするからである。
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クリックすると拡大

最新状態のGM8RとdpGuitarSystem2の組合せによるサウンドはかなりレベルの高いものとなった。詳しくはこちら


追記:GM8RのフレットのRは下の写真のような状態である。長年愛用のGibson Les Paulと感覚的には全く同じ弾き心地である。
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ブリッジ側から22フレットにピントを合わせて撮影

これに合わせてGM8Rのオリジナルのブリッジは下の写真のように段差が付けてあるのだが、この段差が筆者としては大いに問題なのである。
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GM8Rのオリジナルのブリッジの段差の状態

何が問題かと言えば、1弦に対して、2弦と3弦の段差が有りすぎるのだ。弾いている感触として、1弦をチョーキングすれば指が2弦の下に潜り込むような感じ(勿論、実際にそうなるわけではない)、同じく、2弦をチョーキングすれば3弦の下に……と言う感じなのである。こんなことはLes Paulでは起きないので謎なのだが、Gibson純正ブリッジを付けても同じ事が起きる。

そこで実験。GM8Rのブリッジはアルミ製。Gibson純正は亜鉛ダイキャスト。ならばGM8Rオリジナルをヤスリで削って加工してしまおうというわけ。アルミなら簡単に削れるからである(亜鉛ダイキャストはグラインダーがなければ無理)。その結果が下の写真。上のオリジナル状態と比べると右の三つ(3弦、2弦、1弦)が低くなったことが判るであろう。
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ヤスリで削って加工した後の状態

削った理由はもうひとつある。GM8Rのオリジナルのブリッジは弦が入る溝が深すぎるのである。筆者の経験では(少なくとも1〜3弦=プレーン弦の)溝は浅ければ浅いほどよい。深いと鳴りが悪くなるし、場合によってはビビリの原因にもなるのである。なので、下の写真の通り、1〜3弦の駒の頂部を真っ平にして、そこに目立てヤスリで必要最低限の極めて浅い溝を切り直した。
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金属部のザラ付きと幅の広さで駒の頂部を全て削ってしまったのが判るの図。左はノーマル状態だから頂部が狭く角も丸い。横から見ると台形だから頂部を削ると弦方向の長さが長くなるわけだ
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3弦の溝はDiMarzio DP100 SuperDistortionのポールピースとのずれを補正するために4弦側に寄せて切り直してある
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これを基本にネック調整とブリッジ高調整で弦高を調整するわけだ

この結果、ブリッジの駒の高さは指板のRと合わなくなったわけだが、弦高はちゃんと下げられるし(1弦の12フレットで約1.2mm)、前述の指の潜り込み感は見事に解消されてハイポジションのチョーキングが非常に演りやすくもなった。結果は大正解(仮に失敗ならGibson純正ブリッジに戻せば良いだけの話でもあった)。思い付いたらやって見るもんだ【笑】。
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コロコロ変わる最新状態。クリックすると拡大
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それにしてもPRSデッドコピーは良いデザインだ。クリックすると拡大

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