|
|
|
|
| すったもんだの大騒ぎの結果、やっとブッシュ大統領が正式に就任したわけだが、そのブッシュ新政権の国務長官は1991年の湾岸戦争で世界中にその名をとどろかせたコリン・パウエル氏。そのパウエル新国務長官の就任受諾時のコメントの中に「米国の北朝鮮政策の全面見直し」という項目が含まれていた。これには大賛成である。 |
そもそも北朝鮮は今この地球上において、リビア、イラク、シリア、アフガニスタン及びイランと並ぶ危険が危ないテロ支援国家であり、しかも日本が直接的に被害を被っていると言う意味で最も身近な変態的犯罪国家なわけである。日本海沿岸側からの日本人拉致、カンボジアでの韓国高官爆殺事件、大韓航空機爆破事件、そしてそもそもは1950年（昭和25年）6月23日、スターリンとの密約の元、金日成の号令一下、突如として北朝鮮軍が怒濤のごとく韓国に攻め込んで始まった朝鮮戦争。あるいは朝鮮総連を通じて行われる毎年数千億円と言われる日本から金正日への不正献金。わけのわからない事実を挙げれば切りがない。勿論、今や世界で朝鮮半島だけになってしまった分断国家と言う異常事態は朝鮮民族のためには正常化しなければいけないが、しかし、その前に北朝鮮という明白な犯罪国家の責任者＝金正日＝と現体制をどうにかしなければ話にならない。
その点を棚上げしておいて、つまり普通の国家と同じような付き合い方を前提として、まずは国交正常化と言うのは話の順序が明らかにおかしい。 |
そもそもこうなっちゃった原因は韓国の金大中大統領の太陽政策とクリントン政権の弱腰外交にあり、その前にはすっとぼけた上にまるっきり無能なカーターの単独外交があり、日本は日本で金丸の土下座外交もあったわけだが、国際政治の主役たるアメリカが共和党政権になったので全てを見直すというわけである。これは全く当然の正しい判断である。確かに、仮に北朝鮮が国家として崩壊して、東西ドイツ統合の時のようになし崩し的に韓国が北朝鮮を併合することには無理がある。日本に次ぐ旧西ドイツの経済力を持ってしても、東ドイツ併合（とは言わないが実際はそうであった）後の経済混乱は今でも完全には解決してない。ましてバブルが弾け財閥ががたがたになっている韓国に北朝鮮の2300万人を食わせる力はないだろう。
だから「ソフト・ランディング」を実現するためには、まず国交を正常化し、北朝鮮の孤立を避け、経済支援をして云々と言う理屈は国際政治的にはあり得る発想ではある。湾岸戦争時にフセインを完全には叩きつぶさなかったのと同じような話である。だが、仮にそうだとしても、それ以前に解決すべき問題がやはり多すぎる。例えばもしも犯罪者を支援するなら、まず、その犯罪者は刑に服する必要がある。それ以前に犯罪者が罪を認めなければいけない。そして反省し、謙虚に支援を要請するのが当たり前である。
ところが北朝鮮にはそう言う態度は全くない。勝手なことをわめき散らしてひたすら権利だけを主張する。自分たちの罪状はこれを一切、認めない。であるならば、このような国家を支援したり、仲良くしたりする必要はどこにもないのである。 |
| と言うわけで、ブッシュ新大統領に期待するものは特に何もないのだが、パウエル新国務長官による対アジア政策だけは、しっかりと注目したいと考える筆者なのだった。 |
|
|
|
