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2002.01.30[水]
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日々雑感 - DoromPATIO
■ 雪印は隠匿詐欺集団の印
雪印がまたやった。今度は雪印食品である。前回の雪印乳業の牛乳詰め替え事件については一昨年コメントした。この二つの事件によって、雪印という企業グループが、とてもじゃないが人間が口に入れるものを製造販売するに全くふさわしくない連中の集まりだと言うことが白日の下にさらけ出されたわけである。

今回の雪印食品事件の内容は既に新聞やテレビで詳しく報道されているので、ここでは繰り返さないが、要点は下記に集約される。
  • BSE(狂牛病)騒ぎによる牛肉の在庫増を国の制度の悪用で処理しようとした
  • しかも、それは補助金詐欺と言う、れっきとした刑事事件・経済犯罪である
  • 例によって例のごとく、会社は関与せず各担当者が独断で行ったことであると組織犯罪を否定
  • 以上の結果、牛肉販売落ち込みと言う大問題に更なる悪影響を与えた
  • ひいては食品の安全そのものについても国民的不信を醸成
要するに雪印食品の社長が辞任して済むようなレベルの話ではないのである。

このような事件が起きた結果、雪印と名の付く企業はロクなもんじゃないと誰もが思うし、仮に悪意無き善良なる雪印社員が「そう言うことをするのは一部の人です」と叫んでも、今や何の説得力もない。そう言う善良なる社員に同時に責任感というものがあるなら、さっさと雪印を辞めればよいのだ。
と言うのも、企業というものは法律的に法人格と言うぐらいに、それぞれに個性があり、つまりはまるで人間のような生き物であって、企業を構成する個々人それぞれの意思や意識とは別の、もっと総体的な行動ベクトルがあり、それを普通、人は「企業体質」と呼び、それは人の体質や性格や行動規範と同じく、そう簡単には変わらないどころか、多分、一生変わらないからなのである。

そもそも、食品を扱う仕事は事業行為としては非常にリスクが大きい。一昨年の雪印乳業のように食中毒事件を起こしたら社会的制裁を被るからである。直接的に人の命や健康に関わる商品を扱うのだから、企業としての行動規範は、そうでない商品を扱う企業よりも厳しくて当たり前である。
であるにも関わらず、雪印乳業は余った古い牛乳を混ぜて出荷していた。今回の雪印食品の事件は一見、食品安全面とは関係がないようだが、在庫が溜まったら税金を悪用して処分する会社なんだから、賞味期限切れのハムやソーセージのラベルを貼り替えて出荷したことがあるんじゃないかと疑うのも消費者としては当たり前であり、つまり、あらゆる意味でまるっきり信用出来ない会社という烙印を押されたことになる。
「皆様のお許しが得られるなら加工食品の販売は継続したい」と殊勝なコメントを残して辞任したのが前社長だが、許されるわけがないだろう、普通。
「仏の顔も三度」と言うが「雪印は二回でお仕舞い」である。

「企業体質」について更に補足しよう。雪印食品の社長は親会社である雪印乳業から送り込まれる。だから「今回の事件は雪印食品の事件であり云々」は関係ない。そもそも小会社は親会社の意向には逆らえない。また、プロパーで社長になる人は長らくその会社の『企業体質』に染まっているのだから、究極の決断を迫られた時には必ず企業としての意思を優先するのが普通である。企業人は(筆者のような自由人からすれば信じられないことだが)絶対に自分個人の倫理観や自由意思よりも企業の論理を優先するのである。
嘘だと思うのなら過去の企業犯罪・企業訴訟を思い出せばよい。森永ヒ素ミルク事件は森永が誤って乳児用粉ミルクにあろう事かヒ素を混入させて起きた事件である。この事件が発覚した時点で、森永の担当責任者が個人の自由意思で決断すれば裁判になるわけがない。ヒ素を混ぜたのは森永であり、購入した消費者も飲まされた赤ちゃんも単なる被害者なんだから、つまり犯行現場で逮捕された殺人者と同じなんだから、悪いのが誰かは明白であり、しかも殺人事件の犯人と違って過失そのものが犯罪で動機や情状酌量の余地なんか何にもないんだから全面陳謝・全面賠償しかないのに、ああそれなのに裁判で争うのである。それこそが企業人の論理という奴である。言葉を変えれば組織防衛である。つまり個人より組織=会社を優先しての発想と行動があるのだ。

だから企業は信用するなとは言わない書かない。信用出来ない企業は信用するなと言うことである。信用出来ないと言うことが三年越しで証明された雪印グループの場合は、もう絶対に信用するなと言うことである。これを契機に雪印が正しい方向に向かうなんて事に期待するなと言うことである。こう言う企業は社会から完全に排除するのが一番良い。

前から書いているし、一昨年も書いたが、雪印グループが日本から無くなっても、我々消費者は誰も何も困らない。元々、食肉の販売には産地ブランドはあっても企業ブランドは無関係だし、食肉加工製品は伊藤ハムや丸大食品があり、乳製品には明治も森永も小岩井もあるのだ。
雪印がゲゼルシャフトな人は別だが、そうじゃない我々は近所のスーパーやコンビニ、そして百貨店の売場から永久に雪印の商品が無くなっても何の支障もないのである。

と言うわけで昨夜、早速、ミニストップのHomePageから「雪印製品を一掃して他メーカーのものにしてください」と言う「要望メール」を出した。うちから徒歩1分のミニストップの乳製品は殆どが雪印なので選択の自由がないのである。徒歩10分のスーパー(4件ある)は雪印以外も置いてあるから個人的雪印不買運動は可能だが、それが出来ない店は困るのである。

ところで、もう一つの素朴なる消費者の疑問をどうするか?それは
  • 雪印以外もやってるんじゃないのぉ〜?
である。もしも今後の農林水産省などの調査で他の大手メーカーの同種の事件が発覚するようなことがあれば、それこそ大問題である。
しかし筆者の安易かつ楽観的な推測ではそれはないだろう。一昨年の牛乳詰め替え事件の時も同じようなことが言われたが、他社例はなかったからである。だから筆者としては雪印ってぇ会社(企業グループ)の企業体質が長年の間に発酵を通り越して腐敗しちゃっていたから起きた事件であると(せめて)信じたいのである。
まぁとにかく、今後、筆者が雪印製品を買うことは絶対にない。

永久保存版「お詫びトップページ」
雪印食品

雪印乳業
上図に関する先方著作権は無視させて頂きます(^^)v

なお、今回も一昨年と同じく、雪印のHomePageのトップはお詫び1ページだけで、それ以外の一切のリンクが消滅している。つまり『一枚物のお詫び看板状態』であり、そこには殊勝なる、かつ形式的な文章が書かれているのだが、この内容に何の意味もないことが既に証明されているのは言うまでもない。前回の意図的牛乳詰め替えよりももっと悪辣なことを全国の「ミートセンター」でやっていたのである。そんな会社(企業グループ)がこの先、法令を遵守するなんて事は誰も信じないのである。
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