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2000.08.11[金]更新
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日々雑感 - DoromPATIO
■ 試乗記:Mazda RX-7 Type RS
先日たまたまRX-7の新車を試乗する機会を得た。モデルは最も高性能のType RS。コースは山中湖から東京までだから、ワインディングロード、高速、そして一般道と一通り走って見ることが出来た。その印象を簡単に書いてみよう。まずそもそも筆者はロータリエンジンが嫌いである。理由は幾つもあるが、代表的なものとしては下記の通り。
  • 回転マスが大きいので名前や構造から来るイメージと違って俊敏なレスポンスではない
  • この影響でダブルクラッチなどがやりにくい
  • アイドリング付近でトルクが薄く不安定
結論から言うと最新型のRX-7も、これらの特性はそのまんまである。また、RX-7はポルシェと同じようなシートレイアウトの「ピュア・スポーツカー」を標榜するが、今や実は高速ツアラーであり、ワインディング・ロードを楽しむ種類のクルマでない。要するに基本的に「どアンダー」である。今回の試乗はバンド合宿の帰路に持ち主に替わって運転するという形で行ったものだが、その前に山中湖近辺の山道(山中湖畔から道志村まで)を一人で往復して試乗してみた。
DINで265馬力というパワーはやはり伊達ではなく、急坂の上りでもアクセルを踏めば、どわぁ〜〜〜〜〜っと加速するのは当然のこと。但しターボであるから3500回転を超えないと全くパワーはない。
そこからの加速感はしかし現代の国産高性能車の基準では圧倒的と言うわけではない。あくまで穏やかな加速であり、GT-Rやインプレッサのような「をいをい、こんなに速くていいのか?」ってのとは全く違う。
大体、いかにもマツダらしいのは業界自主規制上限値である280馬力にしない点にもあるが(筆者だったら、それだけで買わない理由のひとつになるぞ、普通)どっかんパワーよりも8000回転まで続く息の長い加速が売り物なのだろう。さて、ワインディングロードの走りだが、一人で運転したので、いきなり飛ばしてみたけれども、まず前述のごとくダブルクラッチがやりづらいのに参った。どう言う事かというと、大型のロータリエンジンは回転の上がりが遅いので、従来の自分のレシプロエンジンでの操作感覚よりもかなり長めにアクセルを踏まないと回転が合わないからである。だからいつも通りダブルクラッチが完了したつもりでクラッチをスパッと離すと回転が合ってないのでショックが来るのである。その結果、当然、ヒール&トーもやりにくい。もちろん、これはエンジン特性への慣れの問題だから道志村からの戻りルートでは問題が無くなったが、やはりスポーツカーエンジンとしては特殊な性格だと再認識した次第。これが好きな人は好きなのだろうが、好きじゃない人の方が多いのは販売実績及びマツダしか生産していないことが証明している。
但し穴あきアルミ製のペダルレイアウトそのものはヒール&トーに最適である。ハンドリング特性は徹底した安定志向であり、我々素人が試みる範囲では全く破綻は見せない。要するに前述の「どアンダー」であり、明らかにアウトバーンかっ飛ばし系のサスペンション・チューニングであることが分かる。もちろん、構造上のポテンシャルから回頭性が悪いとかそう言うことはなく、ハンドル通りに素直に曲がるのであるが、わくわくするような感覚ではないのだ。もちろん、このパワーでお尻が軽ければ危険ではあるが。
と言うわけで、ワインディングロードで本気で速く走ろうと思ったら、いわゆるブレーキング・ドリフト気味に走るしかない。ブレーキもタイアも大袈裟なものが付いているので破綻はしないだろうが、それを試す度胸と練習の時間がなかったので今回は大人しく飛ばした<??>だけだった。さてさて。簡単な試乗の後は山中湖から東京への帰路。138号線と中央自動車道である。一般道で分かるのはビルシュタイン・ダンパーを奢った足廻りの堅さ。いや、硬さ。かつてのカーグラ流に言えば、ファームでありかつハーシュである。ボディ剛性も完璧ではなく、山名湖畔の補修の多い舗装では突き上げ感とボディの底の辺りの異音が若干気になった。
そして中央道へ。山中湖インターから大月ジャンクションまでは空いているので、可能な限りアクセルを開けてみる。助手席の持ち主は臆病な性格だそうで、全開加速をする度に下を向いて目を覆っていたが、愛車はRX-7なんだから性格か気質を変えるしかないでしょうと軽口を叩きながら、ロータリー・エンジン独特のタイミングでシフトアップしていく。つまり、アクセル全開 → タコメーターの針がレッドゾーンに飛び込んだ時のピッと言うアラーム音でシフトアップを繰り返す。知らない人のために解説すれば、給排気バルブのないロータリー・エンジンは理論的にバルブサージしないから、最後はパワーアウトプットシャフトが破壊するまで回転が上がっちゃうからレシプロ・エンジンとはレッド・ゾーンの意味が違うので、こう言う仕掛けがあるのである。で、その加速感であるが、事実上2年ぶりぐらいに高性能マニュアル車を運転した人間が、助手席の持ち主に車両特性を解説したりしながらアクセル全開に出来る程度であるから、まぁジェットコースターで言えばフジヤマまでは行かないモデレートな加速と言えるのではないか? 恐らくオートマのアリストなどと同等(あるいは感覚的にはそれ以下)のレベルだろう。とにかく、どこまでも穏やかで安定志向で尖っていないのである。ただし、もちろん速いことは充分すぎるほど速いのだが。
スタビリティー(直進性)は全く問題なし。但しポルシェのように完璧ではない。スピード感も無し。120km/hぐらいの感じでスピードメーターを見ると、実際にはスピードリミッター直前。つまりざっと50%増しが実速と言うわけ。
エンジン音などの騒音は全開加速中を除けば静かと言える範囲。高速道路での乗り心地はフラット感が高く非常に良い。但し、白線などですら、しっかりとその存在を感じるが。てなわけで、久々に乗った高性能スポーツカーであるが、一番違和感があったのは実は着座感。なんたって腰の位置が低い。回りはメーターとセンターコンソールとドア。閉所感は独特。当然、視界は悪い。かつてEUNOS ROADSTERに乗っていた時ですら、後で取り替えたバケットシートを特別に通常よりも10数センチ高くしたぐらいであるから着座位置が低いクルマは基本的に嫌い。視界の悪いクルマでは絶対に飛ばせない。(蛇足だが、だから峠で一番速いのはインプレッサなどの超高性能小型セダン系であって、ポルシェなら視界が良いから問題はないが、フェラーリは全然駄目ってのが実際の所らしい。その意味でロータス・エスプリなんかはどうにもならない)
RX-7はさらに、明らかに意図的にコクピットをタイトつまり可能な限り狭く仕上げており、この結果生じる物理的・心理的な窮屈さは長時間の運転には、はっきり言って苦痛を感じた。小柄な筆者でそう感じるんだからアメリカ人やドイツ人はちゃんと乗れるんだろうか? インテリアでは、今どきのクルマでドリンクホルダーが無いのは珍しいし、灰皿は異常に使いにくい位置にあり、かつ容量が小さく、そしてシガーライターはドライバーの目線からはハンドルで隠れる位置にあるなど愛煙家には問題が多い。そのほかのスイッチ類の使い勝手は今どきの国産車としては当たり前に良くて来ているが、ハザード・スイッチよりもエアコンのON/OFFスイッチが目立っているのは人間工学的にも安全の見地からも明らかに間違っていると思う。シートはセミバケットだが、特別サイドサポートがよいわけではない。ヒップポイントの調整機能がないのは個人的には大いに不満。もしも自分の車だったらヘッドクリアランスがミニマムになってもいいから可能な限り着座位置を高くしたくなるだろう。それと高速を走っていてすぐに腰が痛くなった。基本設計が悪いのである。しかもランバーサポートの調整機構がない。腰痛もちの場合、RX-7で長距離ドライブは出来ない相談である。RX-7は、RX-7とロータリー・エンジンが好きな人が乗るクルマであり、いわゆる比較購買の対象ではない種類のスポーツカーである。つまり好きな人、興味のある人しか買わない。作っているマツダには何故か全くそのつもりは無いのだが、実際にはそうなのである。であるから、ここに述べたことはRX-7を好む人には的外れであり見当違いも甚だしいのだが、しかし販売実績を見ると人ごとながら将来を悲観したくなるのは筆者だけだろうか?
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