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新年を迎えても明るい話題が何もないので、仕方がないからデフレスパイラルについてでも書こうかと思っていたら、追い打ちを掛けるようにスペースシャトル・コロンビア号の空中分解である。「息子ブッシュ」は「9.11」も含めて(日本的に言えば)お祓いを受けた方がよいとでも言うべきか……。 |
とにかく。土曜日の深夜に下らないバラエティー番組を観ていたらニュース速報で「スペースシャトル・コロンビア号が通信途絶した」と言うテロップが流れたので即座にNHKに切り替えたら延々とコロンビア号らしき空中の航跡が徐々に分解していくシーンの繰返し。NHKにも情報がないらしく話が見えない。日曜日の朝刊とお昼のニュースで大体のことは推測できたのだが断片情報の寄せ集めであることに違いはない。それらを要約すると次のようなことであるらしい。
- NASAは現在、大幅な予算削減でリストラの最中にある
- この結果、次世代シャトル計画は白紙になっている
- スペースシャトルは大きく分ければ航空機なので耐用年数が非常に長い設計であり、今回空中分解したコロンビア号は納入後、既に24年が経過している
- 20年以上も実用に耐えるのはジャンボジェット機や軍用機と同じく、完璧なメンテナンスと必要補修部品の交換が前提となっている
- しかしリストラ中のNASAはメンテナンスが完全でないことを事実上認めている
- 実際、昨年もシャトル全機の燃料系統で破損・亀裂などが発見されている
- 1986年にチャレンジャーが爆発した後、シャトルの打上げが再開されるまでに2年8ヶ月のブランクがあった
- 今回のコロンビア号の打上げ時に左翼に補助ロケットの部品が衝突したことが判っている
- コロンビア号の空中分解前に、その左翼で異常が発生したことをテレメトリーシステムが伝えている
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以上から宇宙航空工学のど素人であっても、おおよそ次のようなプロセスでコロンビア号が空中分解したであろうと言うことは推測できる。
- 製造後20余年のコロンビア号は既に耐用年数の限界に来ていた
- メンテナンスは(NASAの予算削減の結果)完全・完璧とは言えなかった
- 打上げ時の左翼への部品衝突による何らかのダメージが発生していた
- NASA管制部の判断により、打上げはそのまま続けられ、コロンビア号は大気圏外へ飛び立った
- 帰還時の大気圏突入というシャトルの機体へのストレスとダメージが最も大きい場面で左翼のダメージ部分が老朽化したコロンビア号には耐えられるものではなかった
- マッハ26+1500度の高温がスペースシャトル・コロンビア号を左翼から破壊した
ればたら的に言えば〜「打上げ時のダメージがなければ」〜「打上げを途中で中止すれば(大気圏脱出する前に帰還軌道へ)」〜「機体が新品だったら(ダメージがあっても耐えられたかも知れない)」〜無事に帰還できたかも知れないが、これ以上のことは全く判らない。今後の報道を待つしかない。 |
新聞報道によれば、この事故(と今後暫くのシャトル打上げ停止)により国際宇宙ステーションの現在の三人の乗員を回収する目処が立たなくなったそうである(その後の報道では国際宇宙ステーションには緊急帰還用のロシア製宇宙船ソユーズがあるらしいが、それを利用すると今度は国際宇宙ステーションが無人になってしまう)。もちろん、ドミノ倒し的にイラク攻撃や景気などにも様々な影響が出るだろう。人類が到達した(そして米国が誇る)最高のハイテク分野が予算削減などの諸要素でずっこけるとは誠に困ったことである。 |
ところでデフレスパイラルである。バブルの処理の先延ばし=失敗と、それに起因する不況と、その不況に対応した企業のリストラとコスト削減、そして商品に関する価格破壊が行き過ぎて経済全体がシュリンク=縮み始めたのである。経済は専門ではないので本質的には良く判らないのではあるが、しかしそもそも資本主義は合法的な自転車操業(別の言い方をすれば一種のねずみ講)による拡大再生産が基本。経済規模も給与も通貨供給量も適正規模で拡大することを前提としている。共産主義や社会主義による計画経済モデルは物の見事に破綻したのだから資本主義が正しかったかと思いきや、我が国を見ていると舵取りを間違えれば資本主義だって大いに危険が危ないと言うことらしい。あるいは人間の欲求に忠実なだけ、共産主義・社会主義よりは自然だったと言うだけで、決して完璧なシステムではなかったのかも知れない。
しかし、ねずみ講事件(や、各種投資鷺などの経済事件)がいつでも基本的に「引っかかった方も悪い」のと同じく、バブル期に目茶苦茶をやったのは日本を主導する人や企業だったわけだし、大きく分けて資本主義を喜んで受け入れているのは我々なんだから本来は文句も言えない。 |
59円バーガーで墓穴を掘ったマクドナルドのオーナーや経営側や株主が幾ら損をしてもこっちには関係がないが、一般消費者は既に安いだけでは振り向きもしない。そうしちゃったのは価格破壊を遂行した企業側である。つまり正に墓穴なのだ。マクドナルドに限らず、最近では価格だけでは客は振り向きもしない。そりゃそうである。どこの店も安いんだからあっと言う間に同質競争になっちゃったのである。
あるいはとてもじゃないがマクドナルドと一緒に心中するのは困ると言うことで路線を変えて価格を戻して品質アップ・味アップした店の方が新鮮だったりもするかも知れない。消費者は神様だが極めて気紛れだから一度媚びたら企業側が主導権を取り返すのは大変である。 |
しかし不景気だ不景気だという割りに渋谷の街はいつ行ってもどこもかしこも若者で一杯である。但しどう考えても彼等の殆どは税金も国民年金も払っていそうにない。それじゃ国家が税収不足に陥るわけであるし(勿論、税収不足の最大の原因は日本株式会社全体の業績不振にあるのだろうが)年金事業は破綻する。しかも街や電車の中で見かける若者の大半は片手に最新型の折りたたみ式の携帯電話を持ち、四六時中メールしまくっているわけである。だから彼等は毎月2〜3万円の携帯電話料金を支払っているはずであり、それはどう考えても彼等の収入では大きな割合を占めるはずなのであるから、当然、他の消費支出は抑制されるに違いない。それを拡張するには武富士やプロミスやアコムのお世話になるしかないだろう。 |
この結果、最近のTVCFはゴールデンタイムであっても消費者金融系が目に付く。深夜ともなれば言うまでもない状態。逆に既存企業は元気がないから広告業界の売り上げはどんどん減っている。 |
ところで話は変わるが業績回復めざましいと評判の日産だが、大ヒット車が出たなんて話は聞いたことがない。当たり前である。日産が業績回復したのはリストラの効果だからである。人を減らし無駄を減らしコストを削減したからなのである。
会社更生法状態の十合(そごう)を救済すべく人を送り込んだ西武百貨店がいよいよ駄目で銀行団からの2,300億円の追加融資と正社員40%カットなんて荒療治をして最終的に再建が完了した十合に吸収されるという素人にはまるっきり良く判らない話もあるが、十合がなんで予定の半分のたった2年で業績回復したかと言えば、それはそもそもの莫大な負債(正確には記憶していないが確か1兆5,000億円なんてとんでもない金額だった筈)を棒引きにしたからである。しかも棒引きの原資は税金なのだ。
もう目茶苦茶。 |
しかし今更私企業に公的資金は拠出できないのも確か。この辺は政治家の判断。やっちゃっても構わないと判断すればやるし、もう駄目だと思えばやらないのだ。であるから無理矢理存続させたダイエーは非常に危ないのではないか?再建計画の売り上げには遠く届かず、コジマ電気には見捨てられた。みずほにはもう支えきるだけの体力はない。なんたって1兆9,500億円の赤字決算である。なんなんだ、この天文学的赤字金額は?(と思ったらAOLタイムワーナーの赤字額は120兆円だったけど)
と言うわけでやっぱり経済は判りません?(・_。)?(。_・)? |
全然関係ない話。ニュース番組はワイドショーじゃないんだから報道内容はちゃんと選んで欲しい。何の話かと言えば、このところ暫くのニュース報道で目立ったのが次のような全くどうでもいいネタだったからなのである。
- 正田邸騒ぎ
- 貴乃花関連
- 北朝鮮のドラマネタ
- アジア大会北朝鮮選手団ネタ
正田邸は既に相続税として物納された国有財産である。周辺住民他が何を言おうと関係ないことである。別の言い方をすれば極々一部の騒いでいる連中以外にはどうでも良いことなのである。つまり公共ネタじゃないのである。貴乃花が幾ら最後の日本人横綱【笑】だとしてもニュースで毎日のように報道することじゃない。今や相撲なんて人気がないんだから興味のある奴だって少ないのだ。
北朝鮮ネタとなるとまさに噴飯もの。特に下らないのがアジア大会選手団。入国から練習、雪合戦風景。仕舞いには「注目の試合です」と来たもんだ。ところが試合会場のビデオが笑わせる。当たり前なのだが観客席はガラガラなのである。
とにかく公共の電波を利用するニュースは民放と言えどもっとちゃんとした内容を放送して欲しい。見る側のニーズに合わせたものを選んで欲しい。北朝鮮選手団なんて誰もわざわざ見たくはないのだ。 |
ところでスペースシャトル・コロンビア号空中分解があろうがなかろうが、アメリカは必ずイラクを攻撃するであろう。最近ではアメリカは目茶苦茶な国であるという意見が多くなりつつあるような気もしないでもないが、しかし、そもそもはイラクが悪いのである。我が国としてはさっさとアメリカがイラクを片付けて、次に北朝鮮を片付けて欲しいのである。これ、本音。 |
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