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一昔前まで深夜番組と言えば、その売りは「お色気」であった。古くは「11PM@NTV」があり、ちょっと前なら飯島愛の出世番組【笑】である「ギルガメッシュナイト@テレビ東京」などがその代表。夜11時以降は大人の時間・男の時間だからお色気路線がベストという極々当たり前の流れであった。本来はお色気と関係ない番組でもアシスタントが何故かビキニやハイレグ(これは和製英語で、アメリカでは「ハイカット」と言う)ってのも当たり前のことだったのだ。 |
ところが今は違う。民放の深夜番組の大半はバラエティー番組なのである。吉本やボキャ天の流れで大量生産されたお笑い系が出演する毒にも薬にもならないが馬鹿笑いが出来る各種バラエティ番組全盛時代なのである。逆に言えば、いつの間にか昔のようなお色気番組(少なくともお色気専門番組)は事実上全く無くなってしまったのである。有為転変は世の流れだが、全てが一斉に舵を取るのは我が日本民族の昔から変わらぬ国民性である。 |
何でこう言うことになったのか? 理由は幾らでも考えられる。
- 23時以降は深夜と言う概念が喪失した
- 女性、カップルでのテレビ視聴を重視すれば男性偏重のお色気番組は一種のセクハラである
- 子供だって夜更かしが当たり前である
- 親が30代より若ければ既に常識が違うから子供を早く寝かせることもないのかも知れない
- バラエティ番組は制作費が安い
- などなどなど……
実際問題として、ゴールデンタイムも殆どがバラエティー番組である。だから深夜のバラエティー番組の中には明らかにゴールデンタイム昇格用のテスト版らしき場合もある。そう言う場合は出演者の中に大物タレントが混じっている。もっと言えば、深夜以外のニュースだって、およそニュースとは言えない情報バラエティの割合がどんどんと増えている。最近多いのはざっと以下のようなものだが、どう考えたって、これらはニュースじゃないだろう。
- 人気ラーメン店特集、その他、食べ物特集
- 人気温泉地特集、激安ツアー特集
- 片付けられない女性特集、その他、変人おたく特集
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そう言う意味で言えば、最近の民放各局のニュース番組中の北朝鮮報道も大半はバラエティ乗りである。「喜び組」や「北朝鮮のメロドラマ」の扱いは真面目な報道とは言い難い。流石のNHKだって自局アナではない外部のタレント司会者を使ったクイズ番組などは明らかに民放に対抗したバラエティ対応である。
とにかく、TVは今や何でもかんでもバラエティと言って良いのである。 |
バラエティ=お笑いであり、この結果、今や過去の有名俳優もお笑い番組で受けなければ仕事はない。本来はお笑いとは全く関係ないはずの強面系の男優やお嬢様・お姫様女優や大物演歌歌手がダウンタウンなどに突っ込まれて笑いを取っても、それを今やイメージダウンと思う人は誰もいない。 |
テレビ東京が躍進した原因の一つは一昔前の女優とバラエティタレントを狂言回しにしたラーメン特集や温泉宿特集などの低予算で視聴者が喜ぶ情報番組と言うジャンルを開発したことなのだが、この手法は民放の全てがパクっている。
特に「食い物ネタ」は一番視聴率が取りやすいらしく、深夜時間帯のバラエティ番組もこの類型がやたらと多い。勿論、純粋にバラエティだから罰ゲーム的な献立が多いのは言うまでもない。辛すぎたり、やたらと不味かったりするわけだ。
不味い料理を作るのは簡単で、女性タレントや素人に何かを作らせればよい。彼女たちはどんなに簡単な料理でも、驚くほど凄い手順と味付けで滅茶滅茶な料理を作ってくれる。それを「服部先生」が顔をしかめて批評するというわけである。 |
こう言う番組は本当にくだらない。見ても何の得にもならないし、見なくても何も損はしない。しかし見れば笑えるし暇つぶしになる。少なくともそれだけの「意味」はある。TVは所詮その程度のものであり笑えて暇つぶしになれば充分だと達観すれば何の問題もない。 |
ところでイラクである。シラク大統領がイラク攻撃反対を叫んでいるのは全然全く戦争反対平和大好きであるからではなく、種々の複雑な国際政治的戦略に基づくものである点などから考えても、ブッシュがゴーサインを出すことは間違いない。後はいつかと言うことだけである。前にも書いたが、こちらとしてはさっさとアメリカがイラクを片付けて、北朝鮮問題に着手して欲しいと思うのである。何しろ、アメリカが本気で乗り出さない限り、日本や韓国だけではどうしようもないんだから。 |
これまた前から書いていることだが、韓国としては現実的には太陽政策を取るしかない。北朝鮮と戦争になったとすると、38度線からソウルまでは東京から鎌倉までと同じぐらいなのだから、韓国軍と現状の在韓米軍だけでは当座は守りきれないから被害が大きすぎるのである。韓国は核兵器を持っていないから北朝鮮を恫喝することは出来ないのだ。それでなくとも、もしも何らかの理由で北朝鮮が崩壊した場合、2300万人の難民を食わせる余裕など今の韓国にあるわけがない。一方、共産中国としては西側=統一後の朝鮮と直接国境を接したくないから北朝鮮は未だその意味だけで充分に有用。しかし中国だって北朝鮮難民地獄になるのは避けたい。日本政府は勿論、いざというときのことを何にも考えていないから適当にアメリカに追従するしかないのである。 |
こう言うややこしい問題を抜本的に解決するには「世界の警察=アメリカ」の登場しかないのだが、中東問題を考えれば判るように、この手の問題が簡単に片付くことはない。こう言うややこしい時代だから超自我的にバラエティ番組ばっかりになるのも判らないではない。要するに一種の逃避である。 |
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