音色 - ギター四方山話 - guitar tips - DoromPATIO
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2000.12.06[水]更新
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Tips of Guitars - ピック - pick - DoromPATIO
■ 音色について
普通、音楽の三要素は「メロディー」と「ハーモニー」と「リズム」であると言われるのだが、実際はこれに「音色(トーン)」を加えた4要素としないと完結しない。ピアノがバイオリンだったり、ギターが三味線だったりしたら音楽にならないし、今どきのロックギターが歪みの一切無い「50〜60年代エレキギター・サウンド」では曲にならないのである。
(今回のテーマからは外れるので省略するが、実際には更にこれに「音量」と言う要素が加わる。これを無視しても音楽にはならない。大音量のチェンバロも蚊の泣くようなヘビメタもいずれも音楽ではないのである)

と言うわけでギターの音色=トーンあるいはサウンドであるが、世の中のギタリストを大別すると二種類に分かれるようである。
  1. 基本的に一種類の音でごり押しする
  2. 曲ごと、パートごとに徹底的に音作りをする
前者の代表は今はなきスティービー・レイボーンや何故か突如グラミー賞総なめのサンタナ、あるいはイングベイ・マルムスティーンなどがそうである。ピックアップの切換えはするにしても、殆どどの曲でも彼等それぞれ独特のたった一音聞けば「ああ、あいつだ」と分かる音色で弾き通す。
後者の代表はジミー・ページや、ビートルズあるいはフュージョン系の大抵の人(但しフュージョン系でも初期のラリー・カールトンみたいに前者の場合もある)。彼等の場合は曲想やパート、ソロとリードあるいはアンサンブルなどで実に多彩な音色を駆使する。
この種別に当て嵌まらない唯一の例外的ギタリストがジェフ・ベックで、彼の場合は一音聴いただけで即ジェフ・ベックだと分かるのだが、その音色は曲ごとバンドごと時期・時代ごとに異なり、更に芸術的職人的なピックアップの切換えとピッキング&フィンガリングテクニックによって、凄いときは数小節ごとに音色を変えながら弾きまくる。

(ジェフ・ベックを別とした)この二種類の大別されたパターンのギタリストそれぞれに巧い人は巧いのであるから後は好みの問題。でも一般的に言えば、単一音色ごり押し系ギタリストにテクニシャンが多いとは言えるだろう。逆に世界で一番下手くそなくせに名前だけは誰でも知っているギタリストすなわちビートルズのジョージ・ハリスンが一生懸命音色を変えていたのは笑える。彼の場合はそうでもしないとどうしようもなかったのだろう。もっとも中期以降のビートルズは殆どのメジャーな曲でポール・マッカートニーかエリック・クラプトンがギターを弾いていたのは今では有名な話だが【笑】。
閑話休題
プロ=他人のことはいいとして自分の場合はどうか?
本当は手持ちのMUSICMANのアンプにLes Paulを直に突っ込んでゲイン・ボリューム=8、トレブルとミドルが10、ベース=2と言う状態でマスターボリュームを5ぐらいにした状態がベスト。真のナチュラル・ディストーション状態。これに勝るもの無し。エフェクターなんか一切、何にも要らない。
しかし、これだと練習スタジオでも他の楽器は一切なにも聴こえなくなるぐらいのとてつもない大音量になっちゃうから、つまりは実用性ゼロ。もちろん、自宅では絶対に出せない音量だから、いよいよ意味がない。
だからエフェクターを使って普通の音量でもナチュラル・ディストーションとサスティーンが得られるようにするしかないし、必要に応じて例えばフットスイッチ一発でコーラス系のバッキングに切り替えられないとバンドで演奏するときに困るわけである。
エフェクターについては別稿のギター遍歴でも触れたように、エレキギターを始めた男の子が誰でも填る通過儀礼として、散々っぱら各種のコンパクト・エフェクターなどを買いまくり、自作のエフェクター・ボードを組み、ゲイン落ちに悩んでバッファー・アンプを買ったり、昔はプログラマブルなことは出来ないからラインセレクターで二系統を切り替えたりと色々なことをやったわけだが、コンピュータ時代=マルチエフェクター時代、そしてプリセット時代となって、後はご予算次第でどうにでもなるわけだから、まったく便利になったものであるがしかし、だからと言って実際に自分好みのサウンドが手に入ったかと言うと実はまだまだそうではない。
本来ならBOSSのGT-3、あるいは、つい最近出たばかりのZOOMのGFX-4あたりを買えばよいのだろうが、去年の暮れに買ったKORGのAX1000Gで失敗したので、どうもこの手の「これ一台で完璧よ」タイプには二の足を踏む。そもそも見た目が大袈裟すぎるし、しょっちゅう持ち運びするには大きすぎる。
と言うわけで、現在は衝動買いしやすい価格のZOOM 505シリーズに行っちゃっているわけであるが、筆者個人の感想としては、このZOOMの製品についてはどれも基本的なサウンドは良いし、ZOOM独自のZNRと言うノイズリダクションシステムが秀逸だと思う。音切れ無く雑音がカットできるし、音が出ているときの量子化ノイズが全く気にならないのがよい。この点でお話しにならないのがKORGのAX1000Gであると言うことは既に別稿に書いた。まったくあれじゃあ『金返せ』の世界である。

昔は複数のエフェクターを繋ぐ場合は、その順番などに色々とノウ・ハウが必要であったが、マルチエフェクターはそう言う悩みは不要なのが宜しい。しかも全ては(当たり前だが)内部で配線されており、それはロー・インピーダンスだからゲイン落ちもない。そもそも実際には殆どの機種でVLSI一個でシミュレートしているわけだから配線も何もないってのが本当。だから後は好みのサウンドセッティングをするだけなのだがこれがなかなか大変。
大変=サウンドが決まらない理由は三つある。
  1. ギターアンプから音を出しながらじっくりとサウンドセッティングをする時間を取るのが難しい
  2. 練習スタジオのアンプは機種もコンディションもバラバラで一定しないから標準的なセッティングを煮詰めるのがこれまた難しい
  3. 一人で演奏するのと、バンドで演るのでは音のバランスが違うので、これまたバンド練習の度に微調整を繰り返すしかない
最近のエフェクターは大抵はヘッドフォン端子があるから、騒音問題に悩まされることなくギターの練習が出来るし、ギンギンのヘビメタサウンドで夜中に自己陶酔することも可能なわけだが、しかしヘッドフォンで聴く音はアンプから出る音とは全く違う。もしもヘッドフォンで聴いて滅茶滅茶迫力のあるサウンドにセッティングしたら、アンプを通したときにはまず間違いなくハウリングを起こして使えないぐらいのハイ上がりになる。
だから練習スタジオで個人レッスンを申し込んでセッティングするなどしないといけない。既に数回これを実践したが、まだまだ時間が足りない。
その練習スタジオの備え付けのアンプは大抵の場合、毎日の過酷な使用による経年変化でどこかが必ずいかれている。殆どの場合、スピーカーはへたっているし、アンプもサチっている。だから妙に高域が神経質である場合が多い。また、最近の傾向である初段が複数あるハイゲインアンプの場合、エフェクター無しでアンプから普通のクリーントーンを出すのにまず苦労する。昔のアンプは歪まなくて苦労したものだが、今のアンプは歪ませないのに苦労するわけである。

そして最後がバンドとの問題。
ギター一台でセッティングをしている場合、他の音が何もないわけだから、微妙なリバーブなどが心地よい。
しかしバンドと演奏する場合には、そんな残響音などは他の楽器の音にかき消されてしまうし、そもそもリバーブやディレイをかけると音が引っ込んでしまうので、いよいよバンドの中で音が通らなくなる。
つまり、最近のデジタルなマルチエフェクターは安価な製品であってもヘッドフォンで聴けばステレオ出力で立体的なエコーやコーラスまで掛かっちゃうからますます気持ちがよいから気分はまるでトム・シュルツ@ボストンなのだが、バンドと演奏すると全くそうは行かないのが現実という悩ましいお話なのである。
また、バッキングとソロの音量バランスも重要。両者のレベル・セッティングを適切にしないと、バッキングでうるさすぎたり、反対にソロが聴こえないなんてことが起きる。
この辺の兼ね合いはバンド練習の時に微調整を繰り返すしかない。また、複数のギターを持ち替える場合、特にそれがFender系とGibson系のように音色の他にピックアップの出力が大きく違う場合は、これまた、それぞれに合わせたエフェクター側のゲイン調整をしておかないと、ギターを替えるたびにアンプのボリュームをいじるようなことになる。もちろん、エフェクターの効果も違ってしまう。
しかし、それより何より大きな問題は音量そのもののセッティングである。例えば自分なりに非常に素晴らしいサステイン抜群のディストーション・サウンドのセッティングがあったとする。これを自宅でヘッドフォンで聴くとサンタナもかくやと言うサウンドだとしよう。しかし、そう言う種類の音質=トーンの場合、まず間違いなくバンドと一緒に変奏すると他の楽器の音に埋もれて殆ど聞こえなくなってしまう筈である。仕方がないので埋もれないようにギターアンプのボリュームを上げると、今度はハウリングを起こすか、またはエフェクターでバッキング・サウンドに切り替えた場合に音がでかすぎてサウンド・バランスが目茶苦茶になることになる。
何故こう言うことになるかと言えば、それはエフェクターで作ったサステインの効いたサウンドはアタックが消えており、音が前に出ないからである。自分でどんなに良い音だと思っても、聞こえなければ話にならないのである。
だから、自分に気持ちが良く、かつバンドの中で埋もれることがないサウンドを作り上げるには、それなりの場数が必要なのである。
と言うようなわけで、筆者の場合にはとにかく理想とする音色に近づくにはまだまだぜんぜんまったくちっとも時間が足りないのだった。
ずっと以前、つまり実家にいた頃はリスニングルームにギターアンプとエフェクターがあったから、いつでも好きなだけセッティングの時間が取れたと言う、今になって考えれば信じがたいほど理想的な環境に慣れ親しんじゃっていたせいもあり、まるでそうじゃない最近の状況の解決ノウ・ハウがまだ確立していないとも言える昨今なのだったのだった。
秋の夜長、悩みは尽きぬ………。
猫 チンチラ 来夢&来喜
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