About Digital Music - 音楽とデジタル技術 - ギター四方山話 - guitar tips - DoromPATIO
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2005.01.02[日]
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Tips of Guitars - ピック - pick - DoromPATIO
■ 音楽とデジタル技術
iPod
iPodもデジタルならではの利便性を提供しているのだぞと

今や時代は何から何までデジタル。デジタルだから着メロも存在しうる。デジタルだから通信カラオケなのである。デジタルだからiTunes&iPodなのである。
今後のユピキタス社会に於て、その理屈は普通は全く知らなくて良いのだが、実際にデジタル・ミュージックを(ある程度は)駆使しなくてはいけないし、間違いなく効率的に利用活用しなくてはならない我々は多少の知識がないといけませぬ。相手に多少の知識がないと筆者的にその都度の説明が(友人に対して)めんどくさい。これは、一般的な会話に於て知識と常識と感性のレベルが一緒あるいは近くないと話が進まないのと同じ事。
と言うネタを仲間内のBBSに書こうと思ったが長文になりそうなので独立コンテンツとしてこっちに記述することにした。と言うわけでの超簡単なる「音楽とデジタル」についての解説である。ちなみに、筆者はこう見えても10数年前はテクニカル・コピーライター(専門技術的な分野の解説を一般人が読みやすい文章で記述する特殊なコピーライター)だった。専門分野はクルマとオーディオ。なので実際にBMWのテクニカル・ブローシャやDENONのCDプレーヤーの型録の文章を書いていたのである。だから一応の知識はあるのだ。但し基本的に文化系だから広く浅くではあるが【爆】。さて……

音楽(と言うよりは正確には音そのもの)の記録はエジソンの昔に始まるわけだけど、30年ほど前まではその全てはアナログ。エジソン発明のレコードはレコード盤(エジソンが発明したのは筒型)に音声波形を直接、凸凹で機械的に記録する。当然、同じ記録メディアへの録音は一回だけ。
これが第二次大戦中のナチスドイツのワイアーレコーダーの発明で録音、再生、消去が可能になった。これが磁気録音の始まり。その技術がアメリカに接収されてRCAやAMPEGなどのアメリカのメーカーがテープレコーダーに発展させたと。同じ頃日本も東京通信工業(当時。現SONY)が頑張っていた(SONYが家庭用テープレコーダーを発売するのは1950年)。以下、省略。

このアナログ方式の磁気録音の欠点の第一はダビング(複写)を繰り返すと、どんどん音質が劣化する事。100のものはどんなに頑張っても90でしか録音出来ないとすると、次は81になり次は……となるわけだ(実際には原音が損なわれると同時に、雑音が加わり、全体が歪む。とにかく、どんどん劣化する)。
また、録音の時間的な精度は個々のテープレコーダーの回転速度に依存するからAと言うテープレコーダーで録音したものをBと言うテープレコーダーで再生すると厳密にはピッチ(音程)が変わっちゃう。
以上の二点から多重録音をすると音質は劣化するは雑音は増えるは音程はおかしくなるはってことになる。聞いているだけなら関係ないが、制作という立場では大問題なのだ。

また、アナログ方式での磁気記録は磁力の減衰並びに転写の影響で時間的に劣化=経年変化する。
古いカセットテープを引っ張り出してきて再生すると間違いなく高域が減衰して籠もった音になっているし、転写(重なり合ったテープの音がそれぞれに磁気的に移っちゃう事)によって聞こえてはいけない音がかすかに入ってしまう。
そして更にはテープにはテープヒスと言う致命的な欠点がある。ドルビーで軽減されたとは言え、決してゼロにはならない、あの「サー」っと言う高域のイズである。あれは説明するとややこしいから省略するが磁気記録の構造的な問題なので根本的には消せないのだ。

以上の前提で多重録音を考えるとこれが大変。と言う話をするには音楽録音の歴史にも、ちょっとは触れなくちゃいけない。まず、昔は何でもかんでも一発録りだった(クラシックやジャズは今でも一発録りが基本だがポピュラーやロックは根本的な考え方が違うのだ)。誰でも知っているはずの曲で言えば、例えばThe Beatlesの「Twist and Shout」は典型的な一発録り。レコードに記録されているのは8時間ぐらい連続でThe Beatlesがスタジオ・ライブ的に演奏した中の1つのテイク。後からの楽器やボーカルの重ね録りは一切無い。これが少し後になると4ないし8チャンネルのテープレコーダーを使って基本的なバンドの演奏のあとに他の楽器やボーカルを重ねている(そして、これが行き過ぎるとステージでは再現出来なくなることになる=後期The Beatles)。

そして、こう言う多重録音をする時に前述のピッチ(音程)の問題やヒスノイズが全て関係してくる。
例えば4チャンネルのテープレコーダーしかない時代、始めにバンド全員の演奏をステレオで録音すると2チャンネルを消費してしまう。空いた2つのチャンネルにギターソロとリードボーカルを入れるとそれで空きチャンネルはなくなってしまう。例えば、この曲に更にストリングスやピアノを重ねたい場合はどうするか?
仕方がないから4チャンネルを2チャンネルにまとめて、別の4チャンネルのテープレコーダーにダビングして空きチャンネルを作るしかないのだ。するとその時点で音質は(前述の理屈=要因で)大巾に劣化する。

これを避けるためにはチャンネル数を増やすしかない。かくして2 → 4 → 8 → 24 → 48,そして最終的には2台のテープレコーダーを同期させての70数チャンネル(例えば24トラックのデッキを2台同期の場合は、それぞれ同期トラックが必要なので46チャネルになる)なんてところまで行ったけど、こうなると最早、全く実用的ではない(24チャンネル用のプロ用テープってのはテープ幅が1/2規格で6inchもあるだ。そしてリールの直径も馬鹿でかい。つまりコストもかかるし金も掛かる。保存保管する場所も大変)。

もう一つ。アナログ録音の場合、音質を向上させるにはテープ・スピードを速くするしかない。プロ用は毎秒38cm。ちなみにカセット・テープは毎秒4.75cm。チャネルを増やして速度を上げて結果は大量のテープの山になるわけだ。しかもテープ転写の影響はカセットより遙かに大きい。

しかも。音質を劣化させずに編集するには文字通りの切り貼りをする。テープを専用の非磁性鋏で切って専用の編集テープで繋ぐのだ。
これじゃ先は見えているのだ、いずれ全ての限界が来るって。

と言うわけで導入されたのがデジタル技術。当初はPCMと言っていた。PCMとは「Pulse Code Modulation」の略。専門的に言えば音の符号化=量子化技術。非常に簡単に言えば、音を時間(横軸)と音量(縦軸)でサンプリングするのである。つまり音を0と1の符号に置き換えてしまうのである。置き換えたグラフを升目で考えると、その升目が細かければ細かいほど原音に近いという事になる。その結果の最初の成果が音楽CD。量子化周波数44.1KHz。と言う事は理論的には人間の可聴周波数帯である20Hz〜20KHzをカバー出来る(理論上、量子化周波数の半分が再生限界と言われている)。そして、今から20年前の技術でCDの盤面に最大74分の録音が出来るように規格設定した。これはクラシックの最も長い交響曲から割り出した長さでSONYとフィリップスが決めたもの。

こうして録音をデジタル化出来るとなると今までのアナログの欠陥は全て解消出来る。ダビングしても音質は劣化しない。デジタル化技術と同時並行で進歩・進化するコンピュータ技術と合わせると音のCopy & Pasteなど何でも出来る。サンプリング周波数を上げれば音質はもっともっと良くなる。今現在、プロ用は96KHzサンプリングの筈で、と言う事は再生周波数限界が、上は48KHzだから、どんなに耳が良い人でも聴こえない音域になる。こうなると「アナログの方が音がよい」なんて戯言は無視出来るレベルになる(聞こえないところまで再生出来るのであれば聴こえる帯域の音質は間違いなく最良になると言う理屈。軽自動車とベンツで高速道路を100km/hで走ったらどっちが快適か?と言う話と同じ理屈)。

以上は録音と再生のデジタル化の話。もう一つの要素は楽器そのもののデジタル化の話。これには大きく分けて三つの要素がある。まず第一はサンプリングという概念。これはこれまで述べてきた録音と再生のデジタル化と密接に関係がある。

70年代にシンセサイザーが出て来て大いに流行ったわけだが、これは簡単に言えば合成された電子音。それによって有り得ない音(テレビゲームの光線銃の音などがその典型)を作るだけじゃなくて、既存の音を電子合成で真似る技術が発達した。一番簡単なのはバイオリン。バイオリンなどの弦楽器の音は正弦波(が複数集まったもの)なので真似やすい。しかし同じ弦楽器でも発音が複雑なギターなどは真似るのが難しい。本物のピアノも簡単じゃない。そこでサンプリング(=量子化)である。つまり、本物の楽器の音を録音しちゃうのだ。例えば最高の状態のスタインウエイを最良の音響のスタジオやコンサートホールに設置して、それを最高のプロが88鍵全てについてメゾ・ピアノからメゾ・フォルテまで全て精確に単音で演奏したものをデジタル録音するのである。この録音データを個別にいつでも取り出す事が出来れば、それは正に本物と変わらない。同じ事を他の楽器でも行なえばオーケストラの楽器を個別に全てデジタル音源化出来る。
ちなみにサンプリングが一番早かったのは打楽器=ドラム系。ドラムは音程がないのでつまりパラメータ(変数)が少ないからデジタル化が早かったのである。ちなみに世界最初の本格的なデジタル・ドラムをアメリカの「LINN」と言うメーカーが出した時に、その余りのリアルさに全米音楽ユニオンが排斥運動を始めたというのは本当の話。何故なら世界中のドラマーが失業するのではないかと懸念されたほどの衝撃が走ったからである(実際にはそうならなかった事は歴史が証明しているが)。

次にこの音源を複数のデジタル対応の楽器で扱えなければいけない。この規格が「MIDI」である。MIDIは「Musical Instruments Digital Interface」の略。規格の基本は8ビットなので、例えばピアノなら弾く強さが256段階、速さも256段階、リリースの余韻も256段階など非常に細かくコントロール出来る。この結果の一番わかりやすい例が通信カラオケ。カラオケルームのコントロールボックスの中には各カラオケメーカーが用意した「音源データ」が入っている。その音源をどう鳴らすかを通信で送るのである。通信で送るデータには音源データそのものは含まれず、何(どの音源≒楽器)をどう(どの音符をどれだけの長さ、強さで)鳴らすかだけ。だからデータ量は少ない。但し、通信カラオケ用の音源データは大した品質じゃないので、本物のスタインウエイと同じピアノの音が聞けるわけではないが、実用上は充分な音質であるのは皆さんご存じの通り。とは言え、この辺はコストと技術の進歩の兼ね合いであるから将来の通信カラオケの音質が更に向上する事だけは間違いない。

そして三つ目の要素は言うまでもなくコンピュータ。今の音楽制作現場では「ProTools」と言うソフトウエアが必須。これは要するに音楽製作用のAdobe Photoshopだと思えばよい。ミュージシャンが実際に演奏したデータ、サンプリングしたデータなどを全て同じレベルでコンピュータで扱えるソフトウエア。そうなると、全てはコンピュータのデータなのだからCopy & Pasteは勿論、後加工はどうにでもなる。Adobe Photoshopの出現で写真の傷や画質の修正は勿論、心霊写真が作り放題になっちゃったのと同じく、ProToolsがあれば、一人三重唱だろうがなんだろうが自由自在なのだ。勿論、ノイズだってバッチリ消せる。

ちょっと前までは歌の下手な歌手は24チャンネルのテープデッキの全てのチャネルを使って同じ歌を24回歌わされ、そこからディレクターが出来の良いパートを拾ってまとめるなんてことをやっていた。やろうと思えば1回目の最初の小節の音符二つと18回目の音符1個と24回目の……と言う調子。つまり彼(彼女)は決して一度には出来ない歌い方をするわけである【爆】。

しかし「ProTools」を使えばもっと細かい単位での切り貼りや果ては音程の修正まで出来てしまう。更に最初の段階では生音で録音しておき、後からエコーを掛けたり等自由自在。デジタルだからテンポの変更だって出来る。理論的には多少の音痴は補正出来る。ギターの場合は最近は「reAmp」なんて技術もあり、ギターをライン録りしておいて、後からそのデータを使って本物のギターアンプを鳴らして音作りをするなんて方法もある。データさえあればベンチャーズがマーシャルで大音量とか出来ちゃうわけだ。

と言うわけで、今やボーカルを除く殆どの構成要素≒楽器はサンプリングされているから、その音源とMIDIとProToolsがあればカラオケどころか、ポピュラー系のバッキングは事実上、全て一人で出来てしまう事になるのだ。ボーカルについても母音系(「あ〜」とか「う〜」とか)なら可能なので歌詞を含まないコーラスまでは全部、出来ちゃうのだ。

もう一度、あらためてカラオケで説明すると、今どきの通信カラオケの伴奏は人間が一切演奏していないという事。全てはコンピュータで作った0と1の組合せによるデータ(=MIDI)。それがISDNやブロードバンドでカラオケボックスごとに置いてある各社専用の音源に届き、それをMIDI規格でコントロールする。すると、あの原曲とそっくりの伴奏が鳴る。皆さんご存じのように、ドラム、ピアノ、ストリングス系は殆ど元のサウンドと変わらない。ギターは多少無理があるので、カラオケ・メーカーにより出来不出来がある。
これと同じ理屈をもっと高レベルの機器と音源で行なってそのまま音楽CDになる場合もある。それを作曲家やミュージシャンが作って、後で実際の演奏に一部(あるいは全部)を置き換える場合もある。

であるから、先ほど、後期The Beatlesは楽曲が複雑化し多重録音に凝るようになってからライブでは再現出来ないのでステージ活動をしなくなった事に触れたが、今はまるっきり事情が変わってしまった。今どきのステージでは客席から見えない部分にずらっとコンピュータが並んでいるのは当たり前。それらのコンピュータと音源データと照明設備あるいは各種の仕掛け装置(例えば花火)が全てMIDIで繋がれており、各アーティストは目立たないイヤーモニター(シークレットサービスがつけているものの超高音質版だと思えばよい)を装着。そしてコンピュータがカウントを刻み、それに合わせて演奏し、完璧なタイミングで照明が同期し、同じく見事な間合いで花火が上がるというわけ。これを技術の進歩・進化と捉えるか、一種のインチキと評価するかは聴く方の勝手。

アクション映画での良くできたワイアーアクションと昔のブルース・リーの熱演のどっちを評価するかは人による。ブルース・リーの映画だって多少のコマ落としが無いとは言えない。今どきの完璧なCGは昔の特撮を見る時の予定調和=要するに観客の我慢=歌舞伎の黒子を無視する事と全く同じ行為=を完璧に不要にしたが、それを良しとするかどうか。

しかしLINNのデジドラはプロドラマーを失業させなかったのだから、一流ミュージシャンは残るのだ。二流以下は無くても良い時代になるのだ。デジタルの品質が向上すれば聴いている方は判らないんだから関係ないと言えば関係ないのだ。上で述べた事は今どきのパソコンでは全て可能な事なので、やる気と知識があれば誰でもミュージシャンになれる時代であるとも言えるのだ。時間は後戻り出来ないのだから、状況は受け入れて、自分にとって都合の良いように解釈咀嚼取り入れればよいのである。ちなみに筆者の場合、GarageBandで多少遊ぶ程度の事だが(譜面が読めないと辛いんですね、デジタル・ミュージックの制作は)。

このような技術的背景と同時にインターネットの発達=コンピュータの発達がある。インターネットを使う場合はデータの圧縮が重要。何故なら音楽CD規格だと、3分ぐらいの曲は30MBもあるのだ。これをMP3と言う規格で圧縮すると5MBぐらいになる。Appleが推奨するAACだと3MBぐらいになる。それぞれ多少は音質が劣化するが普通に聴く分には判らない程度。だったらデータ容量は少ない方が良いに決まっている。この技術を利用し爆発的にヒットしたのが言うまでもないがiPod。あっと言う間に、あのウォークマンを駆逐してしまってSONYが焦っているぐらい。

さらに。インターネットを使えば遠隔地の複数のアーティストが楽曲の交換をしたりMIDIデータのやり取りをする事は極めて容易。色々な意味でのコラボレーションが自由自在となる。通信カラオケは出来合いの曲をバックに歌うだけだが、もっとクリエイティブな作業にも幾らでも応用出来るのは当たり前の事なのだ。最近のAppleのコンピュータにプリインストールされているGarageBandを使えば楽器の演奏が全く出来なくても作曲したりすることすら(それなりのセンスがあれば)可能。音楽系の教則本にCDやDVDが付属するのは当たり前。インターネットの検索エンジンを使えば歌詞や譜面やタブ譜を探すのも簡単。

その昔(30年前)恵まれた一人っ子だった筆者は自宅の自分専用のリスニングルームに録音機材と楽器一式を保有していたが、その総額は大変なものだった。ところが、今や完全デジタルのシステム一式を揃えたとしても、取り敢えずの性能ならかなりの低コストで可能。しかも昔は不可能だったコンピュータを使った作業が可能。しかもデジタルだから何をどうやっても音質の劣化の心配がない。

この結果、今どきのミュージシャンは自宅スタジオが当たり前。その程度はピンからキリまで色々だが、作業の効率化とクォリティアップは著しい。但し、じゃあ今どきの音楽が素晴らしいかというとそれは全く別の話。しかし、とにかく、今や音楽は完全にデジタルの世界なのだ。
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