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2006.01.22[日]
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Tips of Guitars - ピック - pick - DoromPATIO
■ ギター・ソロ雑感(没原稿)
ジョー・サトリアーニが主催するG3と言うユニットは興行的にも成功しているようだが、三枚目のDVDで飽きた【笑】。一枚目はサトリアーニとスティーブ・ヴァイとエリック・ジョンソン。二枚目はエリック・ジョンソンに代わり(なな何と)イングヴェイ・マルムスティーン。そして今度の三枚目はインギーに代わってジョー・ペトルーシ。トータル=5人全員、今を代表するスーパー・ギタリスト達であるが、ギター・インスト中心の音楽には限界があると言うことだ。

何が限界か? それは結局、どんな名手でもアドリブのネタには基本パターンがあり、パターンが分かってしまうと後は繰返しだから飽きるのが当たり前……と言うシーケンスの帰結なのである。

パターンを言い替えると、それは、いわゆるひとつの「手癖フレーズ」とほぼイコールである。長いソロなら必ず出現するフレーズ・パターンというのは各ギタリストごとに決まっているのである。その意味から言えばインギーなんて、どの曲も全部同じと言って言えなくもない。彼の場合はハーモニックマイナー系とディミニッシュ系のスケールを超人的な速さと正確さで弾くわけだが、要するにキーやテンポやリズムが違うだけで、中身は毎回殆ど同じなのだ。確かに呆れるほどの速弾きではあるが、毎度毎度どの曲でも殆ど同じようなスケール=フレーズの上昇&下降を聴かされれば飽きない方がおかしい。

スティーブ・ヴァイはテクニックとしては当代随一で馬鹿でかい手=長い指で日本人には絶対に不可能なフィンガリングを行ない、自身のオリジナル曲の場合は一般人にはまるっきり理解不能のような不思議なスケールやコードを次から次へと繰り出す。ライブの場合もショパンのピアノ曲並みの速度でミス無く弾き続ける超絶技巧は笑っちゃうほどである。しかし、インプロビゼーション=アドリブとなると、それでもパターンはある程度限定される。ましてG3恒例の後半のジミヘン大会などになると意図的ににペンタトニックスケールを避けて弾く関係からか無理が生じてフレーズがイマイチ、キャッチーじゃないし、決め技的なトリックプレイは三枚のDVDでネタが共通している。

スティーブ・ヴァイの師匠格であるサトリアーニは確かに巧いのだが、決め技系はパターンが決まっている。ペトルーシは正統派だがあんまりライブ向きの人ではなくパフォーマンスが地味だし速弾きは使うスケールが決まっちゃっている。エリック・ジョンソンだって独特の妙なスケールを使ったゴリゴリの4連譜の速弾きは確かに凄いのだが、これも使うスケールが決まっているから何度も聞けば飽きる。

遙か昔のクリームのライブ。例えば「I'm So Glad」の場合。演奏時間は9分超。三人の究極のコラボレーションと迫力は物凄いが、エリック・クラプトンはこの9分間に全く同じ手癖フレーズを(数えたわけではないが)何10回と繰り返す。

同じクリーム=クラプトンでも「Crossroads」の場合は違う。二度のソロパートはライブとは思えない完璧なフレージング。手癖フレーズも出まくるが全体の流れと構成が出来過ぎと言えるぐらい見事で昔のギター少年はみんな必死にフルコピーしようとして結局は出来なかった(Charがフルコピーに丸一年掛かったと自分で言っている)。要するに完璧。ある意味、奇跡。クラプトンだってコピーして弾く以外は二度と出来ないって奴。クラプトンの全てのライブ演奏の中でもダントツにベストの出来だし、実はロックの歴史の中でライブでこれほど完璧なソロは恐らく他にないだろうってぐらいに完璧。こう言うのは例外中の例外。

天才中の天才のバン・ヘイレンだって中期を過ぎるとスタジオ版ですらソロのネタが尽きる。アルバム「1984」までは、ソロを聴く度に新鮮だったのに「5150」辺りからは「今までに聞いたネタ」が混ざるようになる。もっと後になると全然レベルが落ちてしまう。

ギタリストとしては二流だがプロデューサーとしては天才のジミー・ペイジの場合だって、ソロのネタは5枚目で尽きている。フィジカルグラフィティ以降のLED ZEPPELINは嫌いなのだが、ソロも最低。このレベルの天才でもネタは尽きるのだ。

ギターソロに限らず、流石のYumingだって最近は今までの曲の寄せ集めみたいな曲しか書けないのと同じく、あるいはポール・マッカートニーだって本当に良かったのはThe Beatlesまでで解散後はガクッとレベルが落ちるのと同じで、やはり一人の人間が創り出せるものには限界があると言うことだろう。

であるからして、ライブのギターソロとなれば余計に限度があるのは当たり前。実際のライブ会場に居て、その場の雰囲気、バンド全体の演奏の迫力なりノリなりを愉しむという意味・意義は極めて大きいのだが、しかし同じギタリストのソロには純然たるパターンと言うものがあり、だから同じギタリストを追い掛けると飽きると言うことなのだ。

たまたまCrossroadsの時のクラプトンのように「神が降りて来た」なら話は別だが、そんなことは滅多にないし、そのライブに居合わせる確率はゼロに近い。と言うわけで、アドリブによるギターソロと言うモノは何とも悩ましいものなのである。

ちなみに筆者のレベルでは当然、更に手持ちのパターンが少ないのでまず最初に自分が飽きてしまう。数年前に半年ほど、仲間内のギタリスト三人のセッションが月一回で定例化したことがあったのだが、半年経った時点でベース・パートにチェンジした。同じようなレパートリーでソロ廻しをやるぐらいならベースを弾いていた方がよっぽど楽しいからである【爆】。

なので自分がリードギターを弾く曲の場合はコピーものの場合は必ずソロもコピーして弾く。そうすれば自分で無理にフレーズを考える必要がないからである。ロック系の曲は大抵はペンタトニックスケールでソロを取れるわけだが、コピーしておけば余計な悩みが減ると言うことである。
猫 チンチラ 来夢&来喜
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