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2007.06.08[金]
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Gibson SG Special - DoromPATIO
■ Ornetts GM8R(GLD) その13 電気系=操作系を超単純化♪
Ornetts GM8R(GLD) - DoromPATIO
突如、超ぉ〜単純化♪

GM8RはLes Paulではない。当たり前だ。しかし電気系統の基本はいわゆるGibson系である。つまり、下記のようになっている。
  • 2個のハムバッカー・ピックアップ
  • それぞれに別々のボリュームとトーン
  • 3点切り替えトグルスイッチ(フロント ⇔ フロント+リア ⇔ リア)
これに対して、今どきの流行りないし主流派であるストラトまたはその派生系は下記のようなコントロールとなっている。
  • 2個ないし3個のシングルないしハムバッカーのピックアップ
  • ボリュームは1個
  • トーンは2個ないし1個
  • 5点切り替えのレバースイッチ(または3点切り替えのトグルスイッチ)

Gibson系の良い点は2ボリューム(ピックアップごとに別々のボリューム)であることを利用して、一種のプリセット切り替えが出来る点にある。例えばフロント・ピックアップのボリュームを8ぐらい、ブリッジ側をフルテンにしておき、カッティングをネック側で行い、ソロの時にブリッジ側に切り替えれば一発で音量が上がるというわけである。筆者はGM8Rを購入する前は30年以上ずっとLes Paulだったから、この使い方に慣れ親しんでいた。と言うか、ソロに切り替える場合はこうするのが基本であると思い込んでいたと言うのが正しいかも知れない。いわゆるひとつの先入観と言うやつである。

ところが最近はバッキングからソロに移るときはピックアップの切り替えやボリュームのアップと同時にエフェクターでブーストアップすることが当たり前である。言うまでもないことだが、ギターのボリューム操作よりもエフェクターを操作した方が効果は遙かに大きい(がしかし、ギター側のボリューム操作は非常に大事である。ところが最近の若いギタリストあるいは下手くそなアマチュアはギターのボリュームをいじると言うことを殆ど知らない場合が多いのも事実。ま、それはさて置き……)。

また、GM8Rはトグルスイッチの位置がLes Paulとは違うので筆者としては非常に操作がやりにくいという話は前に書いたわけだが、何がどうやりにくいかと言えば、それは「2個のボリュームの位置」と「トグルスイッチの位置」と言う三つの要素の理想的な妥協点が無いからなのである。写真で説明しよう。
Ornetts GM8R(GLD) - DoromPATIO
Les PaulとGM8R(PU以外はオリジナルの頃)
右のGM8Rの場合、リア・ピックアップのボリューム(上の写真では右上)を操作しようとするとトグルスイッチに触れてしまう可能性が高い。Gibson形式のトグルスイッチはちょっとでも触れるとセンター位置に動くので非常に困るのだ。左のLes Paulはトグルスイッチの位置が全く違うから、このような問題は起きない
Ornetts GM8R(GLD) - DoromPATIO
フロント・ピックアップ用のボリュームとトグルスイッチの位置を入れ替えた状態。オリジナルよりは遙かに良いが、今度はリア・ピックアップ用ボリューム(上の写真では一番手前のノブ)が操作しにくい
Ornetts GM8R(GLD) - DoromPATIO
ここ暫くの状態。二つのボリュームの操作はバッチリだが、トグルスイッチが遠くなるので操作しにくい。つまり、この状態もまた、全然、ベストではない

この悩ましき問題の解決のためにトグルスイッチの位置をLes Paulと同じ場所することは不可能だし、キャビティの辺りにこれ以上、穴を開けるわけにも行かない。となれば、何か別の方策を考えなければならない。そこで色々と悩んだ結果、結論が出た。思い付きの基本は例によって例のごとくの「発想の転換」である。だから冒頭に「GM8RはLes Paulではない」と書いたのだ。つまり……
  • GM8RはLes PaulではないのだからLes Paul式のテーゼ(2H + 2Vol + 2Tone)に拘ることは全く無いのであるのであるのであーる
  • 今どきの流行りは「ボリュームは1個」なのだだったらフロントとリア共用の1ボリュームにしちゃおう♪
    筆者が崇拝するスティーブ・ヴァイも1ボリュームだ【爆】
  • 元もと、リア・ピックアップ用のトーンは全く使わないから外しているわけだが、実はフロント・ピックアップ用のトーンも実は全く使わない。だったら、ことのついでに、これも外しちゃおう♪
    もしも使うのなら「ウーマントーン」だろうが、実際には友人知人系ギター初心者相手にデモ演奏する時以外で使うことは皆無なのだ
    しかも、トーン回路は本来は無い方が音質的に宜しいのは常識である
  • テレキャスター式ハイパスコンデンサーはいささか音がきつくなりすぎるので、これもやめよう
    1ボリュームになるとリア・ピックアップにもハイパスコンデンサーが通ることになるので余計に使い道に困ることになる
    その替わりはフロント・ピックアップのDiMarzioデュアルサウンド配線用の9Pスイッチの切り替えによるパラレルかシングルで対応できる
    別ページに書いたと思うが、EMGのピックアップはハイが出ているので必然性が希薄と言うこともある
  • 不要になるコントロール類は取り敢えずは取り付けたままとし、配線だけを外してしまうこととする
    そうじゃないと「穴」をどうやって塞ぐのだ?と言う大問題が発生する
    何か別のうまい方法を思い付けばその限りではない(結果は後述)

以上を踏まえて、ボリュームの位置は最近の状態と同じ、トグルスイッチについては以前の最初の位置変更と同じにところにすることに決めた。1ボリュームにするなら、下の方の(ダミーの)ボリュームは関係が無くなるので、それの操作がやりにくいという問題は無くなると。また(前ページでも触れたように)現状のキャビティ内の配線は「ゴチャゴチャの極地(下の写真参照)」なので、サウンド・ロス(音質劣化やアース不良)も絶対にあるはずだから、この際、すっきりシンプルにして再配線しようという必然的あるいは実質的な理由もちゃんとある。
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こんなごちゃごちゃな配線が宜しいわけがない【爆】

と言うわけで、その日の夕方がバンドの練習だというのにもかかわらず、出掛ける時刻のわずか3時間前に改造作業に取り掛かってしまったおバカな筆者【爆】。そこで、まずは、現状の複雑極まりないゴチャゴチャの配線を掻き分けて、最も大事なフロントとリアの2つのEMGピックアップからのリード線を捜し出し、テープを貼って作業の間違いを無くす処理から始める。ついでに、半田ゴテでボディ背面に焼け焦げを作らないためにガムテープでマスキングをする。なお、配線をいじっていたらアース線のハンダが簡単に外れちゃうなんてことも起きたので、いままでの状態が如何にいい加減だったかが見事に露呈したのだった【苦笑】。
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分解開始。ピックアップからのリード線に分かり易くテープを貼っちゃう。廻りに貼ったガムテープは誤って半田ゴテが触れて焼け焦げを作ったり、作業中に傷が付いたりしないための防護策
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リア・ピックアップのリード線の端末処理をしたところ。リアに関してはデュアルサウンドやタップはしないので単純な2芯にまとめた上で予備ハンダ処理をしておく

その先の作業をざっと箇条書きにすると下記の如し。
  1. どうせ全てやり直しと開き直って、全てのハンダを溶解して配線を外してしまうと言う手もあるが、フロント・ピックアップのDiMarzioデュアルサウンド配線は滅茶苦茶ややこしいので、そこだけはなるべくいじらないこととする
  2. それ以外の全ての配線のハンダを溶かして外してしまう(改造後の配線は基本的にはシンプル極まりないので、全部を外してしまっても何が何だか分からなくなるという心配は皆無だから問題はないのだ)
  3. 従来、フロント・ピックアップ用に使っていたボリュームポットからノイズが出ていることが判ったので、リア・ピックアップ用のボリュームポットと入れ替えることとする
  4. と言うことは、全てのパーツの位置が変わるか、または外すことを意味するので、とにかくすっぱりさっぱり全てのパーツを外してしまう
  5. 丸裸状態になったら、まず最初に1個だけになるボリュームポットを取り付ける(配線はあとで行う)
  6. トグルスイッチに(配置の関係で先に取り付けないと後作業は無理なので)アース線だけを半田付けしてから、ボディに取り付ける
  7. ボリュームポットの出力端子と出力ジャックのシールド線を半田付け
  8. トグルスイッチにフロント・ピックアップからの4芯シールドが繋がったDiMarzioデュアルサウンド配線用の9Pスイッチからの出力ケーブル(単線)と、リア・ピックアップからのダイレクトのシールド線(こちらも4芯だが上の写真の通り2芯にまとめてある)を半田付けする
  9. この時点で、念の為にZOOM 707II GUITARに接続してトグルスイッチの切り替え方向と選択されるピックアップが正しいかを確認
  10. これで、もう残るのはアース線の接続だけなので、それを配線=半田付けして完了
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配線改造完了。この時点では穴塞ぎはダミーパーツの予定だった
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愛用の半田ゴテと、新規導入のハンダ吸い取り線。今までの配線を外して余分なハンダを全て吸い取って綺麗にしてから再配線するにの大活躍。そし今回の改造の実体配線図の手書きメモ。DiMarzioデュアルサウンド関係は(今回は手を付けないので)省略してある
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余計なパーツを取っ払った後のキャビティ内の様子。穴の空いた部分は裏からクッキングホイルを貼って3Mプラスティック・テープで固定してある。一応は電気的シールドのつもり。やらないよりはいいだろう。クリックすると拡大
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DiMarzioデュアル配線用の9Pスイッチとフロント・ピックアップからの4芯リード線の配線部分が綺麗じゃないので3Mプラスティック・テープを巻き直し、アース線の半田付けが甘かったのを付け直し、それ以外を含めた配線の取り回しを綺麗に直した最終版の状態。クリックすると拡大
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ことのついでに「誰でも判るギターメンテ」みたいなハンドブックを参考に、ポットやスイッチ類にKURE 5-56を吹き掛けるなどの関連作業も実施。最後にもう一度、ヘッドフォンを被ってZOOM 707II GUITARでサウンドのチェック。ノイズ皆無、動作完璧であることを確認して裏蓋を締めた。クリックすると拡大
ノイズと動作の確認:配線がいい加減でアース不良などを起こしていると、例えば「ハムノイズが乗る」「スイッチを操作するとノイズが出る」「ボリュームを絞り切っても音量がゼロにならない」なんてことになる場合がある。配線そのものが間違っていれば「ピックアップの切り替えが逆になる」「アウト・フェイズ(逆相接続)で、フロント+リアを選ぶと、音量が下がる」なんてこともある。ボリューム・ポット底面へのハンダで時間を掛けすぎると、熱でポットが逝かれてしまうこともある(経験者は語る【爆】)。だからとにかく、配線作業が終わったら、必ずヘッドフォンを被るなりギターアンプで大きな音を出すなりして、問題が無いかをチェックしなければいけませぬ

かくして、極めてすっきりとした新しい配線が完了。早速「配線が正しいか?」また「ノイズは出ていないか?」のチェックのために再び、ZOOM 707II GUITARに繋いでヘッドフォンを被る。結論から言うと「びっくり至極」。何が「びっくり」かと言えば、いきなりサウンド・クォリティが上がっちゃったのである。別の言い方をするとゲインが上がった感じ。つまり音がでっかく太くなったのだ。と言うことはつまり、今までの配線は如何にロスが多かったかと言うこと。大いに反省【爆】。なお、ノイズは皆無。アース線処理などは全て正しかったと言うこと。

なお、改造後のGM8Rのサウンドバリエーションは下記の7通りとなる。ちなみに以前は20通りが選択できた【笑】。
No.
トグルスイッチ
フロント・ピックアップ
リア・ピックアップ
(ハムバッキング)
DiMarzio
デュアルサウンドスイッチ
ハムバッキング
シングル
パラレル
1
フロント
2
3
4
センター
5
6
7
リア
参考:7通りの組合せのうち、実際に良く使うのはの3通りだけである。もしも曲作りや自主録音的なことをするなら他のサウンドも使うだろうが、ライブ前提だと集約されるのである。
この日はここまでで時間切れ。慌ててバンドの練習へ。この時点ではダミーパーツは取り付けたまま。この日持ち込んだエフェクター・ボード(この時点では別稿のdpGuitarSystem2 Ver. 7.2)との組合せの結果は概ねOK。使い勝手が変わったので慣れるにはもう一度ぐらいのバンド練習が必要かもと言う感じだが、サウンド的には◎であることだけは間違いないので大いに満足したのだった。

さて翌日。次なる問題は「穴」の処理である。全てダミー部品のままにしておくのは筆者の性格気質思想信条趣味嗜好上まるで許容できない【苦笑】。なので工具箱や引き出しの奥をガチャガチャやること暫し。結果、ちょうど良いものを見事に見付けてしまった。

大きな穴を塞ぐのは、かなり以前に父親に貰った「ダンヒルのカフスボタン」。シルバー地にゴールドのダンヒル・ロゴだから色が合うしサイズもほぼジャスト。これを一回り大きいワッシャーのセンターに瞬間接着剤で固定してから両面テープでボディに接着した。ちなみに、筆者はスーツにネクタイという格好は全くしない人なので、このカフスボタンはずっとデッドストックだったのである。もう一方のミニスイッチが2個並んだ部分の穴は筆者の大好きな「ケンケンのピンバッジ」で二つまとめて塞いでしまった。ケンケンのピンバッチはカラーリングがベージュとゴールドと黒である。これらは全て偶然にもGM8Rのパーツのいずれかの色なので、その意味では違和感は全く無いのだ。以上の結果は「妙と言えば妙、変と言えばかなり変」だが、筆者的には全然問題ないのでバッチリOKである。
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英国老舗有名ブランドと米国アニメキャラで穴塞ぎ(^^)v
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さらにアップ。ケンケンのとぼけた表情がポイント【笑】

かくして久々の大改造(とっても実質的な配線の改良)とお化粧直しが完成。操作系については「シンプル・イズ・ザ・ベスト」。遠くからの見た目は「PRSもどき【笑】」。近くで見ると変なギター。つまりは「オリジナリティとまがい物感覚が半々」。更に、おぢさんに最適な「腰に来ない軽さが売り」の筆者スペシャル仕様の超オリジナルGM8Rの出来上がりである♪
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ベランダで記念撮影♪

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