夏休みに軽く信州方面に旅行をした際に、レンタカーを手配した。日本レンタカーの窓口の予約では「オデッセイ・クラス」と言うことだったのだが、実際に用意されたのは日産プレサージュ。人気車種を口にしておいて、実際は不人気車種を貸し出すとは詐欺だぞ【苦笑】。
そのプレサージュ。要するにルシーダやオデッセイと同じワンボックス車。エンジンは2400cc。4速オートマ。セカンドシートは1/2分割のベンチシート仕様。我が所有車は旧型ルシーダであるから、それとの比較で試乗記を書いてみる。まずは運転席。座った感じはルシーダよりはオーソドックス。これはルシーダと言うかエスティマ系が特殊だから。オートマのシフトは当然のようにコラムシフト。広さなどはルシーダと大きく変わるところはない。エンジンは前にあるが極端なスラントノーズだから、その点の感じもルシーダと同じ。つまり慣れないと左前方の車両感覚が把握しにくい。後方についてはリアハッチのミラーが付いていないのでバックするときは辛い。ルシーダはそれがあるからぎりぎりまで寄せられる。
いつも思うことだが、レンタカーこそ、こう言うもの（ワイドなルームミラーも含む）を必ず装備すべきじゃないだろうか？ さて、首都高 → 外環 → 関越 → 上信越道と高速を走る。
動力性能は排気量が同じだから基本的にはルシーダと同じ筈だが、今回は完璧なフル積載であったにも関わらず高速走行は結構快適だった。大きな声では言えないが、関越の殆どの区間は80km/hのちょうど倍で走っていたのだが、同乗者は何も言わなかったから気が付かなかったに違いない。と言うわけで高速でのパフォーマンスはルシーダよりプレサージュの方がちょっと上という感じ。オートマのシフトアップ/シフトダウンともにショックが皆無で快適。
このオートマにはノーマルモードの他にパワーモードとスノーモードがあるが、パワーモードとノーマルモードの違いは高速では分からない程度であった。
操縦安定性については明らかにルシーダが上。やはり床下ミッドシップレイアウトのルシーダは重心が低いから妙に安定しているのだが、その点が普通の設計であるプレサージュは高速コーナーや切り返しっぽいカーブではいかにも重心が高いと言う挙動を見せる。だから例えば首都高の5号線（竹橋⇔高島平）なんかは思い切って飛ばせない。
音に関してはプレサージュの勝ち。ルシーダはエンジンが運転席/助手席の下だからうるさいのである。次は山道。
まずオートマミッションの変速タイミングが駄目。高速道路ではスムーズだったのに、山道ではほんのちょっとしたアクセルの動きで敏感にキックダウンとシフトアップが繰り返されてしまうため、ノーマルモード、パワーモードに関わらず、上り下りともこまめにセカンドホールドを使わないと前後方向にぎくしゃくして同乗者の首がかっくんかっくんするのが気になってしょうがない。ルシーダではこう言うことはない。やっぱりオートマミッションは未だにトヨタが世界一のようだ。
それとドライブからセカンドに落とすときにはコラムシフトを大袈裟に手前に引かなければならないのも不便で気に入らない。
このような状況でのパワーはルシーダと同じ。やっぱり、ただの2400ccでは力不足。3000ccなりスーパーチャージャーなりターボなりは必須である。以上の結果（だけではないが）アクセル開度が最初から最後までいつも多めだったせいで燃費は最悪に近い。燃料計は見る間に減っていく。ルシーダの燃費も滅茶滅茶悪い（平均で4km/L）だが、おそらくプレサージュもそんなもんだろう。と言うわけで結論を出せば、オデッセイとルシーダと言う二大ベストセラーカーが鎮座ましますジャンルにおいて、わざわざ金を出して買う車ではない。販売実績は知らないが、後ろのエンブレムを見るまでプレサージュと言う名まであることすら分からなかったぐらいだから、きっと売れていないだろう。もちろん、値引き幅はでかいだろうが。 |
