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2002.01.01[火]
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日々雑感 - DoromPATIO
■ 本当に大丈夫なのだろうか@日本の銀行
4月12日[金]金融庁特別検査報告の発表が正しければ、主要13行の不良債券総額は7兆8千億円、今期赤字総額は3兆4千億円余り。4月1日三行統合以来のみずほファイナンシャルグループのコンピュータ・システム・トラブルは未だ解決せず。同じ4月1日からはペイオフが解禁。そして4月13日付け朝日新聞朝刊の青木雄二氏(浪花金融道の作者)のコラムによれば、東京三菱銀行の普通預金に100万円を預けると一年後の利息が10円(!)なのに対して、消費者金融で100万円を借りると金利が36万円。プロミスやアコムや武富士のコマーシャルがゴールデンタイムに進出してくるのは当たり前である。

資本主義経済は「衣食住足りて礼節を知る」を国家規模で正常運用することである。つまり金がなければ始まらない。お金を保管・管理・運用する専門の業態が銀行だから、それが駄目なら資本主義=我が国は成り立たない。その日本の銀行がバブル崩壊以降の不良債券処理で躓きっぱなしだから世界中から文句を言われているわけだが、未だに先が見えないと言うことがまたしても証明されたのが今回の金融庁の報告だろう。何しろ、これだけはっきりと数字が出ているのに、必ず「不良債券はもっとある(筈だ)」と言う記事が週刊誌に踊るんだから。昔から火のない所に煙は立たないのである。

それにしても日本の銀行は目茶苦茶である。筆者自身が実際に経験した目茶苦茶な話だって物凄い。バブルの頃、我が社のメインバンクの第一勧銀は担当者が日参して「金を借りてくれ一時払い養老保険に入ってくれ個人ローンカードを作ってくれ当座貸越しの枠を拡げます何だかんだ」と五月蠅かった。そしてある日ある時。突如、我が社のファックスが鳴った。用紙が吐き出されてくるのを見ていると、それはファックス・ファーム・バンキング=ファックスによる入出金のレポート・サービスの通知。しかし内容を見てぶったまげた。なな何と第一勧銀から我が社の当座預金に何の前触れもなく勝手に3,000万円が振り込まれたのである!!
あきれ果てて店次長に電話すると「とにかく半年間、借りてください。何に使っても結構です」と来たもんだ。
そうなのである。あの当時、日本中の全ての銀行の支店には毎月の「貸し出しノルマ」と言うものがあったのである。つまり銀行マンは回収なんて何にも考えずに、次から次へと沢山沢山お金を貸し出さなければ上から怒られる時代だったのだ。
今なら泣いて頼んでも一円も貸してくれないのと大違いの時代だったのである。

こう言う風潮を生み出した元凶とも言える住友銀行はもっと凄かった。毎月どころか毎日の貸し出し予算があって、それを達成出来なかった哀れな銀行マンは夕方、全行員の前でカウンターの上に載せられ、土下座させられ、自己批判をし、明日の予算達成を誓わされたのである。冗談ではない。実話である。

その住友銀行がある時期からマツダのメインバンクとなった。マツダはルーチェAP(アンチ・ポリューション=低公害車)が発売当初はアメリカ環境庁の「世界一排気ガスがクリーン」と言うお墨付きによりカリフォルニアを中心に馬鹿売れしたのだが、僅か一年後の石油ショックで、今度は同じアメリカ環境庁の「世界一燃費が悪いクルマ」と言う致命的なお墨付きにより、全く売れなくなり、あっと言う間に不良在庫が広島のマツダ本社の工場の敷地中を埋め尽くす異常事態となった。アメリカ向けの船積みが完全に停まってしまったからである。この結果、たちまちにしてマツダは経営危機に陥り、その救済に住友銀行が乗り出したのである。
幸いにして、この危機は一年後の初代FWDファミリアの大ヒットによって回避された。ファミリアは一年間で1兆円の売上げをたたき出し、トヨタをして「うちなら三倍売ってみせる」と言わせたぐらいの画期的ベストセラーとなったのである。
この結果、マツダは住友銀行からの莫大な融資(借金)をあっと言う間に返済可能となった。しかし専務を送り込んでいた住友銀行は返済をやんわりと拒否し、積極投資を勧めて、この結果、防府工場などが造られた。その後の経緯はご存じの通りで、バブル崩壊後の過剰設備はマツダの経営の足を引っ張り、やがてマツダは米国フォードに飲み込まれてしまう。
「ればたら」的に言えば、あの時、マツダが借金を返済し過剰な設備投資をしていなければ、フォードに吸収されることもなかったかも知れないのである。

これと全く同じようなことが日本中で(世界中で)行われたのがバブル期であり、それを主導したのが銀行である。乗せられた企業の経営者も充分に馬鹿だが、元凶が銀行であることは確かである。

バブル崩壊後の10年で、当時の行け行けドンドン型の銀行トップは軒並み退陣した。しかし今、トップに君臨するのはバブル期の実行部隊の世代の筈である。前述の例で言えば「土下座をさせていた連中」と言うことだ。こいつらに倫理観や人権意識や正統なる商売感覚、経営センスがあるはずがない。まともな人間なら土下座をさせるにしろ、させられるにしろ、とにかくそんなことが日常化する会社ならさっさとその時点で辞めているはずだからである。

バブル期は資金(金)が余っていた。つまり「衣食住」が足りていた。なのに礼節は忘れられていた。なんと「衣食住足りて礼節を知らず」だったのである。その中心が銀行(と殆どの企業と、そして大蔵省と通産省)だったのだ。10年前の日本人は呆れるほどに馬鹿だったのである。

その馬鹿どもが10年経っても馬鹿なのが今日の結果である。前から触れているように政治システムも旧態依然として何も変わらない。こちらの馬鹿さ加減はもっと凄い。どれぐらい凄いかは数日前の党首討論の次元の低さだけでも充分すぎるほど判る。
以上からすると、小泉首相や日銀総裁がなんと言おうと、日本の銀行は大丈夫じゃない。と言うことは日本の経済も大丈夫じゃない。経済が駄目なら日本は成立出来ない。その上、円周率が「3」じゃ「米百俵」とも矛盾する。つまり昔も今も日本人は馬鹿だし、これからはもっと馬鹿になると言うことだ。

閑話休題
中年以上に人気と言うNHKの「プロジェクトX」はナレーターの口調が変なのと中島みゆきのテーマソングが堪えられない上に、基本的に「昔はこんなに頑張った日本人が居たんだから、今の日本でも、みんなもっと頑張ろうよ」が背景テーマだから内容に過去の事実への批判の精神がなさすぎるのが問題である。
例えば前回は富士通が巨人IBMに挑んだ話だが、余りにも全てが綺麗事過ぎる。一人の天才を中心とした物語だが、あくまでハードウエアの話であり、富士通や日立が当時採用した「リバース・エンジニアリング」と言う名の違法行為に全く触れていないのはとんでもなくいい加減である。

コンピュータはソフトウエアが無ければ動かない。IBMの凄さはそこにある。「プロジェクトX」の中でも紹介された「IBM 360」は正に画期的なメインフレームマシンで、この登場によってGEやRCAがコンピュータ事業から撤退したほどの衝撃をもたらした。何が画期的かと言えば、(今では当たり前のことだが)「IBM 360」はApplicationソフトウエアの入れ換えによって、どんな業務にも対応出来るようなOSの設計になっていたのである。日本勢はハードウエアは真似し(一時的に、部分的に)凌駕することが出来たが富士通も日立もNECもソフトウエアについては手も足も出なかった。それでは、どうしたか?
IBMのソフトウエア(正確にはBIOSとOS)を解析し、富士通や日立のコンピュータ上でIBM用のソフトウエア(この場合はApplication)が動くようにしたのである。要するにBIOSとOSは零からは作れないからIBMのBIOSとOSの中身を解析して、究極のエミュレータとも言える互換BIOSと互換OSをでっち上げたのだ。これをリバース・エンジニアリングという。当然のようにアメリカは怒った。本気で怒った。結果的に10年以上後になってから突如の訴訟沙汰となり、日本の大手コンピュータメーカーが巨額の賠償金を支払ったのは記憶に新しい。要するに日本がアメリカの知的財産権を侵害したのであり、アメリカは日本から巨額の賠償金を取るために日本のメーカーを暫くは泳がせて利益を溜め込ませるに任せたのである。アメリカも狡猾だが、盗人猛々しいのは日本側なんだからどうしようもない。
「プロジェクトX」がこの点に全く触れていないのは片手落ちとしか言いようがない。

実際、こう言う話がある。ある企業が新しいコンピュータの基幹システムを導入することになった。そして日本IBM、日立、富士通、NECに見積と納期を打診した。国産メーカーはどれも似たような数ヶ月の開発スケジュールを提示したが、日本IBMだけは2週間であった。企業側担当者はそんな短期間で出来るとはどう言う事だ信用出来ないと最初からIBMを外したという。
馬鹿である。IBMには世界中での無限に近い運用実績があるのだ。だからApplicationの開発は短期間で可能なのである。それも知らない日本企業の担当者は本当に馬鹿なのである。逆に言えば、それ程に日本のコンピュータ業界の実力はお寒いものなのだ。そうでなければ、今回のみずほグループのような犯罪的なシステムトラブルなど起きるはずがないではないか。

考えても見て欲しい。今度、西友を吸収した形で日本進出を計るウォールマートの売り上げは何と年間30兆円である。店舗数は世界中にざっと4,500。どれも超弩級の大型店舗である。しかも、その全店の詳細なる売上げが全て、専用衛星回線と巨大で高度なコンピュータ・システムでリアルタイムに把握され、米国時間で毎朝4時には要約レポートがCEOの手元に届くようになっているのである。そのシステムがIBMなのかSUNなのかHPなのかCOMPAQなのかは知らないが、とにかくアメリカ製であることは確かだし、実際にきちんと運用されているのである。これをも遙かに凌駕するシステムが米軍によって運用されていることは湾岸戦争などで世界中が知っている。ウォールマートのシステムも米軍のシステムも、みずほグループのシステムより遙かに巨大で複雑である。そもそも銀行業務はある程度は定型的だし、大手企業の決済日は固定されている。しかし流通や軍事(戦争)は不定形で非固定的で突発的である。どちらが運用上大変かは明らかなのだ。
とにかく、これだけのコンピュータ・システムを実稼働出来る国はアメリカだけであり、ハードウエアもソフトウエアも、作っているのは全てアメリカなのだ。

ついでに言えば(言うまでもないことだが)我々が使うパソコンはこれまた100%全て、アメリカ製のOSで動いている。95%はWindowsであり、残る5%はMac OSだが、いずれもアメリカ製であることに変わりはない。更にある程度以上高機能で高額のソフト(Application)も殆どがアメリカ製である。そうでないものと言えば、ゲームを除けばATOKと一太郎と財務会計ソフト、そして宛名印刷ソフトぐらいしかないではないか。

更に言えば、ハードウエアだって肝心要のCPU(中央演算回路=人間の脳に当たる部分)は「インテル入ってる」で判る通りアメリカ製である。インテル互換チップのAMDもアメリカ。MacのCPUであるPowerPCはモトローラ。もちろん、これもアメリカ。と言うことは国産のコンピュータは箱は国産かも知れないが、心臓部もOSもアメリカ製だと言うことなのだ。日本のメーカーがコンピュータを販売すると、儲かるのはアメリカなのである。ついでに言えば、アメリカ製以外の基盤などの主要部品は最近は殆ど台湾製である。
またしても、やれやれ(c)ハリー・キャラハンである。
猫 チンチラ 来夢&来喜
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