出演作品の殆どが興行収入1億ドルを超えるハリウッドの人気女優ジュリア・ロバーツのことは当然のように出世作「プリティ・ウーマン」で知ったわけだが、個人的にはずっと趣味じゃなかった。スタイルはよいが鼻がでかすぎる。ファニーフェースにしてもバランスが悪すぎる。女優としても線が細い。「プリティ・ウーマン」以外は作品的にも特に興味を引かれなかったからである。ところがどっこい。
最新作品である「エリン・ブロコビッチ」のビデオを借りてきたらぶっ飛んだ。化粧と衣装と役柄のせいはあるけれども、スタイルの良さはスーパーモデル以上だし、鼻の不自然さも気にならなくなっていた。
と言うようなルックスのことよりも、何より飛び抜けて素晴らしいのはその演技力。この「エリン・ブロコビッチ」と言うのは実話に基づくもので、離婚歴2回、子供3人、無学、無職、文無し、ただし元ミスコン女王の美人であるミズ・エリン・ブロコビッチが、強引に潜り込んだ法律事務所で与えられた些末な調査仕事から公害問題の存在を探り出し、そしてついには大規模な公害訴訟を事実上全て一人で取り仕切り、長い苦労の末、なななんと全米公害訴訟史上最高額である3億3000万ドルの賠償金を勝ち取るという、いかにもアメリカらしいサクセス・ストーリー。彼女はこの結果、法律事務所から200万ドルという破格のボーナスまで手に入れるのである。で、この作品。今どき珍しいぐらい後味が良く、まず第一に見終わってからの爽快感が素晴らしい。そして、この爽快痛快至極な映画を事実上一人で「ドライブしている」のがジュリア・ロバーツなのである。超ミニからすらりと伸びた脚と大きく胸があいたファッション(が実在のエリンがどんなに周りに注意されても決して変えることのない普段着なのだと言う)と、印象的な表情、そして4文字言葉を連発する歯切れの良い、そしてとてつもなく下品で機関銃のような台詞、つまりルックスとトークと、そして行動力による猛烈な存在感は、ただ一言、物凄い。下手な比喩だがシュワルツェネッガーの10,000倍ぐらい凄い(そもそもシュワちゃんには演技力というモノが皆無だが)。と言うわけで、この作品によりジュリア・ロバーツは筆者の好みの女優のリストに加わったわけだが、とにかく作品として絶対のお薦め。超大作でもなければCGギンギンでもないから、ビデオで見るのにちょうど良いので劇場で見逃した人は直ちにレンタルビデオ屋さんに走りましょう。 |