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2002.08.26[月]
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映画三昧 - DoromPATIO
■ トータル・フィアーズ・他
昔に比べると劇場で映画を観る機会が極端に減った筆者だが、それでもたまには観に行くことはある。昔の話をすると、子供の頃は映画は家族か親戚の叔父さんと観に行くもので、怪獣映画、時代劇、東宝娯楽シリーズ(クレージー・キャッツ他)が多かった。学生時代(某私大附属中〜大学まで)は映画の趣味が合う男性の友達と行くものだったからブルース・リーやスティーブ・マックイーンのものが多かった。卒業して社会人になってからは、映画はもっぱらデート・コースのひとつだったので、相手の趣味に合わせる場合は恋愛物になる場合も多かった(^^;;
今はレンタルビデオやDVDがあるし、そもそも封切りからTV放映あるいはソフト化がやたらと早いので見逃しても焦る必要がない。自宅のテレビも36型ワイドになったから滅多なことでは劇場には行かないわけだ。
しかし、やっぱり劇場の大画面は迫力が違う。だからたまには観に行くのである。
ところで、こうやって振り返って判ったのだが、筆者は映画を一人では観に行かないようだ。

トータル・フィアーズ:テクノスリラー・ノベルの第一人者であるトム・クランシー原作の「The Sum of all Fears(小説の邦題は「恐怖の総和」)の映画化作品。既に「レッドオクトーバーを追え」「愛国者のゲーム(パトリオット・ゲーム)」「今、そこにある危機」が映画化され、それぞれヒットしているので安心して見ることが出来る作品。今度のジャック・ライアンは「パール・ハーバー」などで人気の出たベン・アフレックだが、どうやったって知的には見えないタイプだから軍事アナリスト(分析官)であり歴史学博士でもあるジャック・ライアン役としては妥当ではない。一番填り役だったのは「レッドオクトーバーを追え」の時のアレック・ボールドウィンだと思うのだが、この作品ではラミレス艦長役のショーン・コネリーに完全に喰われてしまった。原作ではラミレス艦長は端役なのだがショーン・コネリーの存在感は強烈だったわけで、つまりアレック・ボールドウィンは不運だったわけである。その後の二作品はハリソン・フォードで、だからこそ映画はヒットしたのだが、彼も原作のジャック・ライアンとは明らかにキャラクターが異なる。
それはさて置き、映画としての「恐怖の総和」(筆者にはこの方がピンと来る)はなかなか良くできた軍事サスペンス映画で1,800円払って観る価値あり。例によって例のごとく暗い役のモーガン・フリーマンもいい味を出している。
但し原作とは全くプロットが違う。これは仕方がないだろう。映画的には良くできた脚本と言えるのではないか。製作総指揮が原作者のT・クランシーなんだから納得ずくのプロットだろうし(原作は直接アメリカを標的とした複数の脅威=恐怖が同時多発するというストーリー)。
場面転換時に必ずそのエリアの空撮シーンが使われるが、これは明らかに軍事偵察衛星を連想させる演出となっており、広域画像なのに異常な程、細部までばっちり写っているのが凄い。
但し原爆爆発のシーンの後はハリウッド的ご都合主義の連続。そもそも原爆の爆風で吹き飛ばされた大統領専用車から助け出された合衆国大統領と、同じく爆風で墜落したヘリコプターから脱出したジャック・ライアンが平然と生存し活躍するのは明らかにおかしい。世界で唯一、実際に核兵器を使用したことがある国の映画の能天気さに呆れてしまう。
また原爆爆発後の米露の誤解からロシア軍が米国空母を攻撃するシーンは米国の防空体制から有り得ないし、そもそも米国の防空システムから考えて地上爆発した原爆を巡航ミサイルと誤認することは有り得ないのだが、この辺も映画的ご都合主義らしい。原作にはこう言う矛盾は一切無い。筆者としてはトム・クランシーが文句を言わなかったが不思議である。
なおラストシーンは秀逸で、次回作は「クレムリンの枢機卿」を予測させる。

ハムナプトラ2:春先に観たのに書くのを忘れていた。前作ハムナプトラ(原題は単に「マミー(←ミイラのこと)」であり、だから「ハムナプトラ2」は「マミー2」なのだが、それはいいとして、前作は明らかにB級だったのだが大ヒットしたので予算倍増CG点香盛りで作ったのが「ハムナプトラ2」なのである。
映画的には「インディー・ジョーンズ」や「ロマンシング・ストーン」と全く同じプロット(ストーリー展開)なのであり、つまり赤穂浪士を観ているようなもので、つまり要するにお約束の追い掛けっこと怪物達との戦いを楽しめば良い種類の映画である。だから絶対に面白い。

スコーピオンキング:「ハムナプトラ2」で悪神に魂を売り渡した敵役のスコーピオンキングを演じたアメリカ・プロレス界のスーパースターであるザ・ロックの存在感が強烈だったので、そのザ・ロック=スコーピオンキングを主人公にした派生シリーズがその名も「スコーピオンキング」。アメリカでは中高校生を中心に大ヒットしたらしい。日本の劇場はガラガラだったが、映画は充分に面白かったし、CGも凄かった。ストーリー展開なんか何にも考えずに、ただひたすらハリウッド映画的楽しさを満喫できる人向けの映画。「小津安二郎が好き」なんて人は絶対に観てはいけません【笑】。

メン・イン・ブラック2:これまた前作「MIB」が予想外の大ヒットをしたので作られた「2」である。「MIB」は劇場、ビデオ、TVで既に4回ぐらい観ているが何度観ても面白い。そう言う人には滅茶滅茶面白い「MIB2」なのだ。だから「MIB」つまり前作を観ていないと面白さが半減する。登場人物が共通するので前の作品に絡んだギャグが多いから「MIB2」だけ観ても何がなんだか判らないシーンが滅茶滅茶多いのだ。この「MIB2」も「ハムナプトラ2」と同じく前作のヒットの関係で制作予算がどっと増えているのでCGは物凄い。

アイス・エイジ:大人が観ても充分に楽しめるアニメ。諸般の事情【苦笑】で邦訳版を観たのだが、爆笑問題や竹中尚人の吹き替えは非常に上手なので何の問題もなかったのは良かった。ハンナバーバラやワーナーブラザーズ(つまりトムとジェリーやバックス・バニーやロードランナー)などの「動きだけで爆笑できる米国製アニメ」で育った世代には抱腹絶倒シーンの連続だし、ストーリーはしっかりしているし、昔のアニメと違ってフルCGだからスピード感と質感は物凄いし、登場するキャラクターのデザインは秀逸。DVDやレンタルビデオでもう一度、必ず観たくなるような名作である。

史上最大の作戦(DVD):1962年度アカデミー賞撮影・特殊効果賞受賞の戦争映画の名作。当時、父親と映画館で観た記憶がある。つまりちょうど40年ぶりに又観たわけだが、今は亡き名優はごろごろ出てくるわ、CG以前の映画だからとんでもない実写シーン(海岸での機銃掃射シーン、数分の長回しによる俯瞰の戦闘シーンなど)があるわと今更ながら「良くもまぁ作ったなぁ」と感動することしきりの戦争系おたくにはたまらない映画。ポール・アンカ作曲の「The Longest Day」も映画史に残る名曲。

コンバット(DVD、10巻ボックスセット):同じく40年前にTVの前で血湧き肉躍らせた、あの「チェックメイトキングツー、チェックメイトキングツー」の、あのサンダース軍曹の、あのでっかいリトルジョンの、あの細顎のケリーの……あのコンバットである。2作ずつ入ったDVD10巻セットだが一挙に二日で観てしまった。それほどに面白い。
驚くべきことに「史上最大の作戦」の後で観ても全くチープじゃないのが凄い。つまり滅茶滅茶金が掛かっているし、脚本はしっかりしているし、音楽は最高だし言うこと無しのアメリカTV史上(つまり世界TV史上)の傑作。本当によい物は全く色褪せないと言うことの見本みたいな名作である。

ハリー・ポッター(DVD):特撮は素晴らしいし、子役は(主役以外も含めて全員)演技が巧いし、ストーリー展開=脚本はしっかりしているし……と諸条件は整っているのだが、だからなんなの?と、ちっとも感動しなかった作品。劇場で観たワイフ曰く(例えば球技のシーンなど)劇場のスクリーンで観ないと面白くないと言っていたからそのせいがあるのかも知れない。英国おたくにはいいかも。結局、筆者はファンタジー系が余り好きじゃないらしい(スペースオペラ系も含むのでスターウォーズも)。

キャスト・アウェイ(DVD):FeDEXの鬼管理職であるトム・ハンクスが飛行機事故で遭難してロビンソン・クルーソーをしてから手製の筏で生還するが個人的問題からハッピーエンドにならないと言う作品だが、最初から最後まで暗くて、結局、何を言いたいのか全然判らない駄作。今まで観たトム・ハンクスの作品の中でも間違いなく最低。まだ観ていない人は絶対に観てはいけません【苦笑】。
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