2006.09.29[金]
■ ちょっと福島方面へ -4-
British Hills
福島県にある英国【笑】
http://www.british-hills.co.jp/
大内宿からBritish Hillsは滅茶苦茶道に迷ってロスタイム≒1時間半。原因はBritish Hillsが予約確認で送ってきた郵便物に入っていた地図が極めていい加減だったから。しかしとにかく、着いた。入り口からいきなり笑っちゃうほどの懲りようである。なお、British Hills到着時点の天気は雨と霧。視界=10mぐらい。
鉄製のゲートを入って暫く進むと、霧の中に忽然とマナーハウスが浮かび上がる。福島の山の中に唐突に存在する英国まんまな建物の外観に筆者もワイフも思わず大笑いをしてしまった。それぐらい唐突なのだ。
を〜〜♪
非常にそれっぽい
この「マナーハウス」の「マナー」は「礼儀作法のマナー」では無くて「仏語で荘園の意味のマナー」の方の「マナーハウス」。つまり荘園領主の家。つまりつまり、British Hillsは福島の山奥に人工的に作られた7万坪の英国式荘園なのである。ではなんでこんなものがあるのか?
ジャガーが似合う中庭
実際にBritish Hillsで館内案内をして貰ったときに聞いた話によれば、バブル期に神田外語学院のオーナーが巨費を投じて作っちゃった「日本に居ながらにして完璧な英国の環境での英語教育、マナー教育が出来る場」なんだそうである【爆】。正にバブルの申し子。計画=5年。建築=3年。木材からインテリアに至るまで全て英国からの直輸入。建造当時は山奥に次から次へとコンテナが運び込まれたのだそうな。
ゲストハウスは全て英国調
だから開業当初は学校というか研修所。使える言語は英語のみ。ここは何処?日本じゃないの状態を現出させちゃったわけだ。しかし数100億円と想像される建築費を回収できるわけはないし、昨今の経済的情勢もあるので、ここ2年ぐらいで一般にも開放されたのだそうである。後日、この話を友人にしたところ、友人の娘さんが某学園の修学旅行で宿泊したとのこと。海外ホームステイよりはリーゾナブルなのは間違いない。
英国的ロータリー
ちなみにチェックイン時の応対は英国人。いきなり「Engrish, OK?」と来たから「No!」と即答して日本人スタッフに変わって貰った【苦笑】。しかしとにかく、どこもかしこも完璧に英国。British Hillsの採算問題はお客である筆者には関係のないことであるから、滅茶苦茶お金のかかった建物や庭を満喫すればいいことなのである♪
宿泊したのはここ
完全英国式なのは風呂場も一緒
こだわりの凄さはありとあらゆるところまで徹底している。建築資材から何から全てを英国から持ち込んだと言うだけあって本物感覚一杯……ではなくて、本物なのだ全てが。だからオーク材、大理石、革張りの椅子、シャンデリア、ステンドグラス、ペルシャ絨毯などなど、英国おたくのワイフは目の色が違う。全体の雰囲気を端的に表現すると「風と共に去りぬ」のビビアン・リーの実家そのもの(あの映画は南北戦争当時のアメリカが舞台だが、本質的に同じこと)。豪華絢爛ではなく豪華重厚であり趣味がよい。カーテンや壁紙のセンスも最高である。
と言うわけでワイフの希望で日本人スタッフにマナーハウスを一通り案内して貰った。説明はソフトかつ立て板に水。撮影自由。詳細省略。
ゴージャスなメインロビー
上から見たメインロビー
二階のホール
このペルシャ絨毯はバブル期=1億円だったとか
立派な天井
それもそのはず。天井に埋め込まれたタイルは全てウェッジウッド特注品!!
図書室の本棚に立てかけてある棒は何かと言えば……
インドから持ち帰った折りたたみ式のはしご。元々はインド王族が使用する象に乗るためのはしごだそうな。書籍も全てわざわざ英国から輸入した本物の古書
英国流のラブチェア。昔の英国では図書室の中でも男女は別々。その境にこのソファが置いてある。すると横並びのラブチェアより余程距離が近付き、男女の密談が可能となると言うわけ
ちょっとだけ聞きかじりの蘊蓄を書いておくと、マナーハウスには必ず「Her Majesty」と「His Majesty」それぞれのスペシャルなゲストルームが用意してある。書くまでもないが「Her Majesty」とは女王陛下のことであり「His Majesty」とは国王陛下のことである。つまり荘園領主たるもの、いつ女王陛下や国王陛下がお泊まりにいらしても、それぞれ専用の立派なお部屋を御用意しておりますと言うことで忠誠を示す証なのだそうな。そう言えば「女王陛下の007号」の原題は「On Her Majestie's Secret Service」である。
女王様のためのお部屋
全て英国直輸入品で設えられたインテリアは完璧
マントルピース廻り
王様のお部屋
王様の執務机。筆者の気分はショーン・コネリー時代の007の頃のジェイムズ・ボンドの上司のバーナード・リー扮するMそのものである。手に持っているのは羽ペン
王様のベッド。熊の毛皮は見学者除けとのこと
約40分ほど掛けての館内案内が終わるとちょうどディナー・タイムの19時。そこで大広間に向かうと、いきなりサービスの責任者が筆者の名前に様を付けてのお出迎え。気分が宜しい。そしてまっすぐ大広間を見下ろすテラスへと案内する。そのテラスだけでも20畳以上はあるのだが、そこにセットされたテーブルは我々のものだけ(下の写真参照)。
手摺の向こうは大広間。手前は広間を見下ろすVIP席。ここを独占。左に立っているのは英国人女性の我々専任の担当者。当然、最初から最後までやりとりは全部、英語
と言うのも、この日の一般客は我々=二人だけだったのだ。後は約150名の学生さん。その学生さん達は別室(=教室)でディナー前に英国流テーブルマナーのレクチャーを受け、食事中の会話は全て英語。さらに生徒数人おきに英国人が着席している。つまり彼等・彼女等はディナーではなくディナーという形式のマナー教室をやっているわけで、そこと完全に分離するために我々二人はVIPルームを独占できちゃったというわけなのだ。超らっき〜♪
なお、テラスから見下ろすとその雰囲気はまるで映画:ハリーポッターの夕食会のシーンそのもの。見下ろす立場の筆者からすれば「おお、民(たみ)が食事をしておるのぉ」ってな感じ【爆】。
かくしてBritish Hillsのディナーが始まった。サーブするのは当然のように英国人女性。だから勿論、全部、英語。下のメニューから「メインディッシュは何になさいますか?」と英語で聞いてくるからそれに英語で応えるというわけである。飲み物はBritish Hillsブランドの赤ワインをチョイス。これが非常に美味しかった。
本日のメニュー
オードブルのフォアグラのテリーヌ。盛り付けも綺麗
細かいところにもこだわるBritish Hills
料理は一言で言えば最高に美味しかった。これで宿泊費込み=12,800円は格安と言って良い。東京都心のそれなりのフランス料理店なら料理だけでそれぐらいは軽く超える。非常に美味しかった赤ワインはグラスで一杯=600円。宿泊費込みのトータルの比較で猪苗代湖で不味いバイキングを食べるのと同じ料金なのだ【爆】。
とにかくディナー(はどう考えても英国流ではなくフランス流だとは思うが)を存分に堪能し、英国女性との慣れない英会話を楽しみ(だって「美味しいですか?」とか色々聞いてくるわけですよ)【苦笑】、そして、本当は館内にあるパブで一杯やるつもりだったがワイフが疲労気味だったので割愛してまっすぐに部屋に戻って英国式バスルームで入浴して早めに就寝したのだが、とにかくとにかく大満足だったのだったのだったのだった。
翌朝は例によってモーニングコールより早く目が醒めた。筆者は明らかに年齢のせいで最近は何時に寝ても6時〜7時には起きてしまうのだ【苦笑】。外は生憎の雨模様&霧模様だが、かえって英国らしいので納得【笑】。暫くして大広間でビュッフェスタイルの朝食。これも非常に質がよい。流石に別室ではなかったが、ちゃんと学生さん連中とは離れた席が用意してあったのも◎である。
朝食を済ませてからスーベニールショップで英国らしいお土産を購入。ちなみに、今どきの土産物屋では日本全国何処でも必ず「ご当地キティちゃんグッズ」があるものであるが、流石にBritish Hillsの売店にはそんなものは皆無だったのも◎
チェックアウトしてから敷地内のティールーム(完全英国式の独立した建物)で紅茶を飲む。これでBritish Hillsで廻っていないのは雨で割愛した遊歩道&ガーデンだけ。
ティールームの様子
英国と言えば紅茶
お城のような建物もある
かくして超ウルトラスーパー大満足でBritish Hillsを後にする。帰りは全く迷わずに37号線 → 4号線 → 東北道白河インターチェンジ → 東京。道はガラガラ。渋滞は一切無し。結論。British Hillsは近々また行こうっと♪
帰路に見掛けた天栄村のシンボルだと言う風力発電の風車。天栄村とはBritish Hillsのある地域のことである
British Hillsのスーベニールショップで購入した携帯ストラップ