超絶技巧系ギタリスト - ギター四方山話 - guitar tips - DoromPATIO
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2010.11.30[火]
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Tips of Guitars - ピック - pick - DoromPATIO
■ 超絶技巧系ギタリスト

ここまで凄いと呆れて口もきけない

何はともあれ、もしも、上の映像を見たことがなければ、性能の良いヘッドフォンを被る也して、まずはご覧あれ。2010年11月現在、筆者の知る限り、正確無比・超速弾き・タッピング、スイープ他ありとあらゆるテクニック満載の超絶技巧系ギタリストの最高峰であろうところのGuthrie Govanと言う人の文字通りの超絶プレイである【爆】。

でだ。
そもそもはイングヴェイ・マルムスティーンが悪いと思うのだ。何の話かと言えば、そのインギー君が華々しく登場した辺りから、エレキギターに於ける速弾き(あるいは全体の技巧)の概念というかレベルというか速度というかが様変わりしてしまったように思えるからである。これにバン・ヘイレンのようなある種のトリッキーなプレイを加えれば、もう何をか言わんやなわけである。

筆者が若かりし頃=つまり、今から40年以上前のエレキギターの世界で速弾きと言えば、例えばそれはアルビン・リーとかであり、ジャズの世界ではタル・ファーローなんてのが単音弾きの速さでは際立っていた。当時の我々は一所懸命にI'm going Homeとか、あるいはDeep Purple=リッチー・ブラックモアのHighway Starのソロとかをコピーしたわけだが、アルビン・リーでもリッチー・ブラックモアでも、本当の意味での完コピは無理でも、それらしく弾くことは練習によってある程度は可能であった。
タル・ファーローでもケニー・バレルでもウェス・モンゴメリーでも、つまりジャズ系のギタリストのソロをLPレコード【爆】で聴いても、それらは例えばクラシックのピアニストのショパンとかの超絶技巧系演奏と比べればどうと言うことは無い速度の演奏ではあったから純粋に技術的な面=主として速度=からは特別な感激はなかった。
別の言い方をすれば、ロック系の憧れの名演の内容は練習すれば何とかなるだろうと言うレベルに収まっているものが多かったし、ジャズ系の場合は純粋にアドリブであるが故に演奏中の思考プロセスが入るから予め決められている曲を超速で弾くクラシックよりは当然、突っかかって聴こえるって感じだったわけである。また、明らかなミストーンも多かったのである。

勿論、当時=70年代〜80年代=でも、アル・ディメオラみたいな「なんだ、これ」的な速弾きギタリストが新たに登場すると「あ、これはちょっと無理かも」とか、同じくフュージョン系の、かの有名なラリー・カールトンの「Room 335」なんかは筆者のようなペンタトニック=ボックス・ポジションが殆どのなんちゃってギタリストの場合には、やはり「あ、これも無理」、あるいは、ロック系でもジェフ・ベックの「哀しみの恋人たち」みたいな速弾きとは別の次元の「異常なまでの表現力」も、「あ、当然、これも無理」ってのは幾らでもあった。
しかし、仮に1曲に1年掛ければきっと何とかならないこともないだろう的な安心感はあった(とは言え、そう言う根性はなかったから真剣にはコピーしなかったわけだが【苦笑】)。

しかしである。
スウェーデンから現れてアメリカで大化けしたイングヴェイ・マルムスティーンの速弾きは判りやすく表現すればバイオリン並みの速度=音数とワイド・ストレッチとネックに対して縦方向の動きだから、これはもう、ペンタ+ボックスの筆者には最初っから全然全く少しもちょっとも僅かでも出来るとは思えない種類の演奏であり、ギター雑誌のタブ譜の練習フレーズを試してみる気にすらならない別次元、別世界の演奏だったのである。言葉を変えれば「練習すれば出来るってもんじゃないよ、これは」だったのである。

そう言う意味では、前出のディメオラは確かに速弾きではあるが、初期の作品は割りとマイナー・ペンタトニック系やスパニッシュ系のスケールが多い。だから、なんちゃって的にそれらしく弾くことは指が動けばそれなりに出来ないことはなくもない。しかし、イングヴェイのフレーズはワイド・ストレッチとエコノミー・ピッキングとスイープとペンタトニックではない(ハーモニック・マイナーやディミニッシュなどの)スケールがセットになっているから、筆者の指癖を全部忘れて基本の運指から練習し直さない限りは、何をどうやってもあんな風なフレーズにならないし、どのみち、あの速度で弾けるようになるわけがないのは余りにも明らか。つまりは要するに、やり直すには(世代的・年齢的にとっくの昔に)遅すぎたってことだったのである【苦笑】。


代表的なインギー節【♪】

しかし、我々の世代がベンチャーズやビートルズやクラプトンやLED ZEPPELINを聴いて育ったように、ある世代以降では当然、イングヴェイを聴いて育つ。あるいはバン・ヘイレンを聴いて育つ。その証拠にWANDSのギターなんてまるっきりバン・ヘイレンそのものである。

この結果、どう言う事が起きるかというと、世界中にインギーのフォロワーがゴチャマンと現れるのである。あるいは、フロイト曰くの超自我ではないが、インギーの登場と時を同じくして、テクニカルな新世代ギタリストが世界中から雨後の竹の子のように沸いてくる。それは例えばアンディ・ティモンズ、ヴィニー・ムーア、エディ・ヴァン・ヘイレン、ガス・G、キコ・ルーレイロ、キー・マルセロ、クリス・インペリテリ、ザック・ワイルド、ジェイク・E・リー、ジェイソン・ベッカー、ジェニファー・バトン、ジェフ・ワトソン、ジョージ・ベラス、ジョージ・リンチ、ジョン・ペトルーシ、スティーブ・ヴァイ、ダグ・アルドリッチ、ダン・ハフ、ティアゴ・デラ・ベガ、トニー・マカパイン、ニール・ショーン、ヌーノ・ベッテンコート、ブラッド・ギルス、ポール・ギルバート、マイケル・アンジェロ、マイケル・ロメオ、マーティー・フリードマン、ヤニ・リマタイネン、リッチー・コッツェンなんて連中である【爆】。

この連中の速弾き=馬鹿テクぶりはYouTubeで幾らでも観ることが出来るが、その典型とも言えるのが下記のマイケル・アンジェロのものだろう。前半はまだしも、開始から3分弱ぐらいから先の演奏は「アホらしい」と言うか何と言うかである【爆】。


確かに速い。無茶苦茶速い。しかし何の感動も与えない【爆】

この手の連中のソロは結局はどれもみな同じである【きっぱり】。特にネオ・クラシカル系と言われる連中はその傾向が特に著しい。彼等の何がどう同じかと言えば、各自の好み或いは手癖・指癖に近いスケールの超高速上昇下降を基本に、後はスイープとタッピングと極端なハイポジションでのチョーキング・ビブラートによる決め……の繰返しだからであり、それ以上でもそれ以下でもないから、結果、どれを聴いても皆同じになってしまうのである。

その証拠に上掲の(正にネオ・クラシカルの典型であるところの)マイケル・アンジェロとやらのソロを聴いても筆者は何も感動しない。ハート・ヒットする部分が何も無いからである。まるで「ギター版の中国雑伎団」と言う感じとでも言えばいいのだろうか【笑】。
きっと、この連中は小さい時から毎日8時間とか12時間とかの練習を重ねて来たのだろうが、その結果が感動を呼ばなければ楽器を弾く意味がない【爆】。
技術的な凄さは認める。曲芸と言える程のテクニックには感心する。しかし、それだけでは音楽的感動を呼ばない。
津軽三味線の速弾きは3分で飽きるが、それと同じ事。ブルーグラスやカントリーの速弾きも同じ事。何故ならば、全ての曲の差違が筆者にはまるで判らないからである。驚異的な皿回しや驚異的なバク転……つまり曲芸を見て驚いたり感動したりするのはせいぜい最初の数回である。同じ事をずっと見ていたって面白いわけがないではないか【苦笑】

ネオ・クラシカル系の開祖とも言えるイングヴェイの場合で言うと、TSUTAYAで100円で借りてiTunesにリッピングしたちょっと古めのベスト盤(Anthology 1994-1999)を通しで聴くことはとてもじゃないが筆者には出来ない。楽曲も似ているが、ソロはどれここれも殆ど区別が付かないからである。ProToolsを使って差し替えたってきっと違和感はないだろう【笑】ってぐらいに、どのソロも基本パターンが同じなのである。
まぁ、それがインギー節と言えばそれまでだが、彼の場合は基本の超絶テクニックはALCATRAZで衝撃デビューした時に既に完成しており、しかも、当時の方が今より音が綺麗だし、見た目も細くて可愛くってかっこいいんだから困っちゃう。ちなみに、1987年の自動車事故で右手に大怪我をして以降はミスタッチが増えたんだそうだが、確かにインギーはALCATRAZの時の演奏がベストに聴こえる。

もうひとつ。
これはスティーブ・ヴァイにも言えることだが、新世代系ギタリストはブルースを弾かせると、ちっとも上手くない。弾き始めの暫くはブルースであっても(あるいは何とかブルースの体裁であっても)途中からインギーならネオ・クラシカルな速弾きブルース【笑】になるし、スティーブ・ヴァイなら変態フレーズ系の速弾きブルースになっちゃう。この点ではジョー・サトリアーニはまともで、ちゃんと最初から最後までブルースの場合はブルースとして弾き切る。前二者の場合、どうしても指が動いちゃうんだろうか、泣きのフレーズよりも手癖スケールで音を詰め込むことに専念することに終止しちゃうってのが非常に非常に宜しくない。

さてそこで改めて冒頭のガスリー・ゴーヴァンであるが。
この人もブルースを弾かせると全く同じ事になる。YouTubeに「誰々のスタイル」と言う彼のビデオが沢山掲載されているのだが、どのビデオも「それっぽいスタイル」で弾くのはせいぜい最初の数小節であり、その後は超速のガスリー節に終止する。
その意味では正に今どきの超絶技巧系ギタリストの欠点の集大成そのものなのだが、しかし、他の教則ビデオの映像や彼自身のオリジナル曲を見る(聴く)と、その余りにも多彩で完璧なテクニックに呆れてしまう。しかも、音が良い。どんな速弾きの最中でもミストーンやミスタッチが全く無いと言える程なので、とにかく、1音1音がとてもはっきりと鳴っており、その点が特に素晴らしい。要するに生音がちゃんと鳴っているのが判るのである。
この点については速弾きなら負けていないジョン・ペトルーシの教則ビデオなどと比べてみると良く判るが、同じような練習スケールを弾いくシーンでもペトルーシの方が明らかに音が汚いのである(ディストーションの掛かり具合とかそう言う問題ではない)。

また、ギター・サウンドそのものも素晴らしい。筆者はスティーブ・ヴァイは相当に好きだが、彼のギター・サウンドはいささか歪み過ぎ、且つトレブリー過ぎて好きにはなれない。だれもが認めるエリック・ジョンソンのギター・サウンド(マルチ・ディレイ+コーラスのクリーン・トーンとハイを丸めたバイオリン・トーンと呼ばれるソフト・ディストーション系のリード・トーン)は別格として、ガスリー・ゴーヴァンのサウンドは完璧なテクニックによる生音の鳴りをしっかりと増幅した感じで文句はない。

ついでに書けば、ガスリー・ゴーヴァンの左手と右手のフォームや動きも完璧で美しい。この点で同等なのはスティーブ・ヴァイぐらい。例えばエリック・ジョンソンは右手は完璧だが、左手が意外なほどに踊る(バタ付くように見える)のが美しくないから好きではない。前述のペトルーシやビデオを引用したマイケル・アンジェロは綺麗と言うよりは堅苦しいフォームなので、これまた好みではない。
相手はプロである。技術、演奏内容、見た目、立ち居振る舞いその他、全てが気に入らなければ勝手気儘なアマチュアの視聴者である筆者にとってのベストなヒーローとはならないのだ【笑】。

ちなみに、ルックス的にはスティーブ・ヴァイは勿論、合格点。最盛期のジミー・ペイジの次にかっこいい。ガスリー・ゴーヴァンはそう言うギター・ヒーロー系のタイプじゃあないが、まるでキリストのような風貌は嫌いじゃない【爆】。

でだ。
結局の所、筆者的に大きく分けて超絶技巧系に括られるギタリストの演奏は彼等ならではのその超絶技巧によって音を詰め込み過ぎる傾向が強く、結果として、感動を生む(呼ぶ)演奏と言うよりは「すげぇ〜」みたいな、音楽的な感動とはちょっとベクトルのずれたパフォーマンスをもたらすようである。
インギーだって泣きのギターを披露することはあるし、「ギターが上手い」と言う意味では本当に上手い。だから「泣きの要」であるチョーキング・ビブラートだって当然のように完璧にこなす。しかし、その手の曲のソロを通して聴くと速弾きに重点が置かれている構成であることは明らかであり、結果、「上手い」とか「感動した」とかよりも「すげっ」と言う印象しか残らないのである。

そう言う意味では、泣きの代表みたいなゲイリー・ムーアの代表曲におけるギター・プレイは「すげっ」ではなく、ギター好きにはたまらない泣きのギター・ソロならではの感動が印象として残るのである。


こう言うのがギター・ソロってもんでしょ、やっぱ【♪】

しぃかぁしぃ〜。
悲しいかなゲイリー・ムーアはルックスが良くない。まるでくまのプーさんかチャウチャウである。ギター・ヒーローは格好良くなければいけない。また、彼は技巧派ではない。速弾き部分は完全なる手癖フレーズのオンパレードであるし、ミストーンも多い。指使いも(マイケル・シェンカーと同じく)人差し指と中指だけで弾いたりとか無茶苦茶である。そして、ネックと平行移動する時の不要なノイズが妙に多い。これは明らかにミュートすべき雑音である。
それにしても。
このゲイリー・ムーアの泣きの代表曲である「Still Got the Blues」だが、幾らなんでも余りにも歌謡曲って点は否めないのであるのであるが【爆】。

ほいでもって。
そもそもぉ〜、今を去ること殆ど50年ほど前。音楽教育が妙に盛んだった大田区立赤松小学校では毎年のように音楽会が開かれていた。ある時(多分、筆者が小学校4年か5年)のその音楽会に他校の小学生の天才少女バイオリニストがゲスト参加し、流麗華麗完璧にチゴイネルワイゼンを演奏した。それを見た筆者は、以来、超絶技巧(への憧れみたいな感じ)のトラウマがあるのである【苦笑】。

であるから、いわゆる「下手ウマ系」とかは(我が別格のアイドルであるジミー・ペイジを唯一の例外として)大嫌いなのである。だから、ジャズの世界で言えばマル・ウォルドロンみたいな演奏は全く駄目なのである。
であるから、上の文章でこき下ろしている新世代速弾きギタリストの演奏は大きく分ければ嫌いではないのである。
しかし、じゃあ、それに填れるかというと違う。だって感動しないんだもん。

と言うわけで、
我が侭勝手な視聴者である筆者から見て完璧なギター・ヒーローは存在するのだろうか?


追記:
2010年2月6日[日]。ゲイリー・ムーアが休暇中のホテルで亡くなっていたのが発見されたとのこと。1952年4月4日生まれ。つまり筆者と同い歳。合掌。
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