だからこそ、労組は毎年賃上げ交渉をする。流通業界はオーバーストアという言葉を知らないがごとく次から次へとあっちゃこっちゃに出店する。メーカーは柳の下にドジョウは100匹と信じて似たような新製品を次から次へと送り出す。
確かに太平洋戦争に負けて焦土と化した日本がアメリカの消費財の生産地並びに共産主義社会主義との地政学的防波堤という極めてラッキーな位置付けで復興を始めてから45年間(1945年敗戦〜1991年バブル崩壊)は多少の凸凹はあろうとも、ずっと右肩上がりの急成長を遂げたのは事実である。しかし、砂上の楼閣は見事に崩壊したわけである。
人口30万人ぐらいの地方都市に大手百貨店と地元百貨店と大手量販店のそれぞれの大型店舗が3軒も5軒も林立すれば、いずれか、または全部が成り立たないのは小学生でも判る。PHSを無料でばらまき、携帯電話が10円なんてことが恒常化すればメーカーが儲からないのは当たり前。ドア・ツー・ドアなら新幹線の方が早いのに辺鄙な地方空港まで作れば航空各社が赤字になるのは当たり前。みなとみらい(横浜)はまだしも、小樽築港プロジェクトなんて馬鹿なことに巨費を投じればマイカルが潰れるのは当たり前。ダイエーが破綻するのも当たり前。土地担保しか金を貸さない=つまり与信審査能力皆無=の銀行が破綻するのも当たり前。
ついでに言えばユニクロや100円ショップや半額バーガー(c)マクドナルドは「本来それが当たり前の値段だった」ことを知らしめた。 |