しかしである。元祖超絶技巧系のビリー・シーン、あるいは最近の超絶技巧系の代表であるヴィクター・ウッテンのような連中のソロプレイをDVDやYouTubeでじっくりと観察すると、どぉ〜〜考えても彼等が使っているベース・ギターの(特にハイポジションの)弦高が(筆者がこれまで知っている or 使った or 使っているベースのように)高いわけがないのであ〜る。アクション(弦高)が相当に低くない限り、幾らテクニックがあったって、あんなことは出来っこないのである。
しかししかししぃかぁしぃ〜。つい先日、筆者のギター=Peavey HP EXPの究極の弦高下げ作業=フレットの摺り合わせを行ったのであるが、その結果が余りにも見事なほどに効果絶大だったので、だったらベース・ギターにも同じ加工を行うべきであろうと思い付いちゃったのであ〜る。勿論、そうすれば、筆者のベース・ギターもまともな弦高になるはずであるという目算=目的あってのことである。というわけで、早速、作業に取り掛かる。やらない理由がないからである。既に1度、作業済みであり、手順は頭に入っているので全ては自分でもビックリするぐらいに順調であった。よって、ここから先の記述は大幅に省略しているので、手順を詳しく知りたい場合はPeavey HP EXPのフレット摺り合わせ作業を参照のこと。
次はもう1本のAriaProII AVANTE Series 5-strings Bass(流石に、ネックを落ち着かせる関係などもあって、作業は別の日である)。このベースは5弦ベースだから弦のテンションはもっと強い。その割りにネックは薄いので弦を緩めた状態の逆ぞりは凄い。トラスロッドは(本来は決してやってはいけないらしいのだが)グルグル回さないと真っ直ぐには戻らない。
そして、Peavey HP EXPやIbanez SR-380と同じく#320の耐水ペーパーでフレット全体を摺り合わせる。5弦ベースのフレットは幅が広いので耐水ペーパーは4回取り替えた。それが済んだらスチール・ウールで磨き上げ、すぐに弦を張り、そのテンションで極端な純ぞりになったネックを(繰り返すが、本来は決していきなりやってはいけないのだが)トラスロッドを強引グリグリ廻してに真っ直ぐに修正して弦高を計測。結果は下の写真の通りで、フォークギター並みの弦高が限度であったが、これまでと比べれば別物のベースと言うぐらいに弾きやすくなったのは確かである。
1弦=12フレットで2mm
実はIbanez SR-380も全く同じなのだが、ブリッジを下げる限界は1弦と2弦それぞれの特定のフレットでのBuzによる。他のフレットは何ともないのだが、あるフレットだけで引っ掛かるわけである。だから、本気で弦高を下げるなら、その問題のフレットだけをもう少々だけ慎重に削れば更に弦高は下げられるはずである。ちなみに、インターネットで調べると調整後の弦高=1mmを謳っている工房があるが、素人である筆者がかなりいい加減に調整しても1本は1.5mmまでBuz無し、音詰まり無しで下げられるんだから、経験豊富なプロが丁寧な作業を有料で行えばそれは当然可能であろうと推測できる。素人考えでも、フレットの摺り合わせだけでなく、ネックの仕込み角度の微調整(Peavey HP EXPはセットネックだから出来ないが、Ibanez SR-380とAriaProII AVANTEはボルトオン・ネックだからやろうと思えば出来る)なども弦高調整には影響するであろうから、その辺の試行錯誤的ノウ・ハウが豊富な工房なら究極の弾きやすさに調整することは出来るだろう。