Mac OS Xのクラシック環境で動くDeluxe Klondike
こう言うどうでもいいものは実にちゃんと動くのである(^^;;
土日を潰してMac OS Xを色々といじってみた結果は基本的に第一印象と全く変わらない。つまりMac OS Xは贔屓目に見たとしてもせいぜい現段階がベータ版であると言うことだ。もっとクールに論評すれば、Apple Macintoshと言うコアでマニアックなファンが多い特殊な商品だから大問題にならずに済んでいるのだとしか言いようがない。とにかく、明らかに「売り物以前」なのである。
しかし、それにも懲りず、再起動を繰り返しながら実験するのが「Macおたく＝毒林檎症候群患者」の悲しい性である【苦笑】。
以下、その不毛なる実験によって得た雑感をアトランダムに書いてみる。
Mac OS Xが使うMac OS 9.1（システムフォルダー）をMac OS Xの「システム環境設定（従来で言うコントロールパネルに該当する）」の「Mac OS 9」で指定し（ああややこしい）それをクラシック環境として起動すると、最初の一回目の起動途中で「必要なリソースをインストールする必要があります云々」と言うダイアログが出るのでＯＫする。するとMac OS XはMac OS 9.1のシステムフォルダーに下図のリソース・ファイルなどをインストールする。
Mac OS Xで指定したMac OS 9.1のシステムフォルダーには
上のリソースとApplicationが自動的にインストールされる
クリップボードとは別にClipboardも追加されるのは何か変
もちろん、Mac OS 9.1のSystemやFinderを書き換えるわけではないので、リソース・ファイルが加えられたMac OS 9.1（システムフォルダー）から起動しても、少なくともうちでは不具合はない。
ところでクラシック環境の安定性であるが、やはり基本的にはMac OS 9.1すっぴん状態じゃないとおかしくなるようである。一度だけ、何故か勝手にクラシック環境の設定が変わって、普段常用のMac OS Xとは別ボリュームのMac OS 9.1がクラシック環境として立ち上がり、動かないはずのSnapz Proでちゃんとウインドウだけのスクリーン・ショットが撮れたり、ACTION Utilitiesのカスタマイズしたキーコンビネーションが作動して喜んだのだが、再起動したら全く駄目になった。あれは何だったんだろうか？ また、すっぴんに近いMac OS 9.1であっても、そこに何かを加えたり外したりすると、クラッシック環境を再起動しても、一度調子が悪くなったものは元には戻らないと言うことも分かった。クラシック環境状の機能拡張マネージャーは事実上、役に立たないと言うことである。
この場合、前述のリソース・ファイルを一度全部削除してから再起動すると直るようである。
これは恐らく、これらのリソース・ファイルが、クラシック環境として利用するMac OS 9.1（システムフォルダ）の中身をチェックし記録しているのだが、その中身に変更があった場合のリフレッシュ（再チェックと情報の書換え）がうまく行かないので再起動しても直らないと言うことなのだろう。
要するにバグである。
ところで、Mac OS XからMac OS 9.1に戻ったときに、ほぼ100％、下記の不具合が発生する。
音が出なくなる
ATM(R) Deluxe 4.6.1が「前回異常終了しましたので云々」と言うアラートを出す。
これらはもちろん、Mac OS 9.1を再起動すれば直る。前者は明らかにバグである。また、Mac OS Xに切り替えた時に、前回指定しておいたはずのMac OS 9.1のあるボリュームとは違うボリュームのMac OS 9.1から起動しようとする場合が多々ある。これは困る。これもバグだろう。
Mac OS Xネイティブ環境はがっかりするほど遅く重くかったるいが、クラシック環境はノーマルのMac OS 9.1と変わらない速度で軽快に動く。実に馬鹿みたいな話だが、実際問題として、どうなのか？
そこでNorton Disk Doctor付属のSystem Infoをクラシック環境で起動しようと思ったら、見たことのないアラートと共に閉じてしまった。System Infoには特殊なハードウエア・コール・ルーチンなどがありクラシック環境のAPIがそれを拒絶するのだろう。仕方がないので懐かしのSpeedometer4.02を起動してみたら、ちゃんと動いた。但し描画テストルーチンは明らかに不適合で異常に遅い。結果は下記の通りで、左側の「This Machine」がクラシック環境、右側の「PBG4/400」がMac OS 9.1だが、描画以外は殆ど同じような数値であることからも、クラシック環境の最適化がうまく行っていることを示していると言えるだろう。しかし繰返しになるが、肝心要のMac OS Xネイティブ環境の最適化がまだまだ全然駄目というのは実に大きな問題だと思う。
懐かしのSpeedometer4.02をクラシック環境で動かしてみた
描画ルーチンが半分に落ちているが、これはSpeedometer4.02が古いせいだろう
実際の体感速度はMac OS 9.1と変わらないのだから
Mac OS Xの売り物の一つは最初から多言語環境なのと、日本語に関して高品質なヒラギノ・フォント・ファミリーをバンドルしていること。このヒラギノ・フォント・ファミリーをMac OS Xから取り出してMac OS 9.1にコピーし、ATM(R) Deluxe 4.6.1でアクティベートしたらちゃんと動いた（使用許諾問題が生じるかどうかは分からない）。
但し最初はバンドル・ビットが立っていないので白紙アイコンだから、ResEditやFileBuddyで直した方が精神衛生上宜しい。なおヒラギノ・フォント・ファミリーをテストプリントしてみたが非常に綺麗で使える書体である。
Mac OS 9.1上でもちゃんと動くヒラギノ・フォント・ファミリー
だったら最初からMac OS 9.1にもバンドルすればいいだけの話だが
前述のように、Mac OS X上でのクラシック環境、つまりMac OS 9.1のエミュレーション環境（のようなもの）の動作速度は、事前の予測と異なり、非常に速い。しかし機能拡張書類など、互換性の問題も多々あることも既に述べた。しかしである。このクラシック環境＝Mac OS 9.1エミュレーション環境では、従来のMac OS最大最強のソフト＝Finderが動かないし、ファイル管理システム（ディレクトリ構造）はMac OS X環境＝UNIXであるから、つまりクラシック環境が幾ら快適であって、互換性に問題のないソフト（例えばAdobe Photoshop）を利用する場合であっても、結局は恐ろしく使いにくいことになる。何故なら、ファイルを開いたり保存したりする時は必ずMac OS Xのファイル管理システムを経由するわけだし、何かドキュメントを探したりする場合はMac OS XのFinderを使うことになるからである。逆に言えば、Mac OS Xを試してみて、Mac OSのファイル管理システムとFinderが如何に使いやすいかと言うことを再確認した次第である。そこで素朴な疑問。
なんでMac OS 9.1までのルック＆フィールをそのままに、目に見えない部分だけをUNIXにしなかったのだろうか？
