2003.01.13[月]更新
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■ 蘊蓄&Tips@2001:CASIO QV-3000EX with IBM-MicroDrive
All Rights Reserved. Copyright(C) CASIO COMPUTER CO., LTD. 2001
世は正にデジカメ時代である。我が父親はライカ、ローライ、ニコンなどを200台以上所有するカメラ・マニアだが、半年前にデジカメ(NIKON CoolPix 880)を買ってからは、完全にそれに填っている。今を去ること60〜70年前には押入にこもって酢酸の臭いをぷんぷんさせながら白黒写真の現像に勤しんでいた父親が、今はデジカメとエプソンでカラープリントに填っているのである。
さて、筆者自身であるが、ことデジカメに関しては5〜6年前からNIFTY SERVE(現在の@nifty)の当時のMac仲間が色々な機種を次から次へと購入するので、それらがどんな性能であるかは判っていた。そして、その頃のデジカメはどれもこれもまったく筆者の興味を引くような性能ではなかったのである。
ところが一昨年(1999年)の暮れにオリンパスの130万画素クラスを試用する機会があり、これなら充分使えるなと思い知った。とにかくWebで使う程度なら全く満足できる画質だったのである。
そして去年、いよいよ300万画素時代到来となり、その中では競合他社製品よりも実売価格が優に2万円は安いCASIO QV-3000EXが発売された時点で、それを迷うことなく選んで、ビックカメラで購入した。「はちきゅっぱ」と「ろくきゅっぱ」の違いは余りにも大きいからである。
CASIO QV-3000EXの魅力は価格の他にマイクロドライブが使えることにもあった。少なくとも去年の時点ではまだまだメモリーカードは高かったので、最高画質で約240枚撮影できちゃう340MBのマイクロドライブには絶対的な魅力を感じたわけである。
この大きさで340MBのHardDisk。最近では1GBのものも市場に出ている
マイクロドライブはIBMが開発した切手サイズのHardDisk。とにかく信じがたいぐらい小さくて薄くて、そのままメモリーカードスロットに差し込める。既に一年半近く使っているが信頼性は全く問題がない。メモリーカードは一度も使ったことがないから正確なことは判らないが、消費電力は増えるはずであるが、しかし、実用上の差異が出るほどではない。とにかく撮影枚数を気にせずにバシャバシャ撮れるのは良いことである。240枚と言うことは銀塩カメラで言えば24枚撮りを10本と言うことなのだから、出張や旅行を考えても絶対に不足しない枚数である。
それはさて置き、CASIO QV-3000EXつまりデジカメを購入した理由はHomePageの制作に活用するためだったのだが、今となってみればデジカメがなければHomePageは作れないと断言できる程に活躍している。これではまるで鶏と玉子のようだが、本当の話である。
実際の手順として、HomePageで記述するテーマに合わせた被写体を撮影し、USBでPowerBook G4に画像データを転送し、それをAdobe Photoshopで編集加工し、ClarisHomePageで割り付けるという流れは全く自然で無駄が無く、画質的にも完璧に満足の行くものである。従来の銀塩カメラだったら手間と時間と経費の点でとてもじゃないがやってられないのである。
また
エプソン・カラリオ(PM-780C)を買ってから
は、
愛猫である来夢ちゃん
の気に入ったデジカメ画像をフォトクォリティで好きなモノを好きなだけプリントできるのも超便利。なんたって(繰返しになるが)銀塩カメラ時代と違って無駄がない。正にエプソンのTVCFそのまんまである。
デジカメでHomePage
銀塩カメラでHomePage
撮影する
MacとUSBケーブルで接続する
データを転送する
フィルムを買ってくる
撮影する
DPEに出すために出掛ける
DPEでプリントを受け取るために出掛ける
プリントをスキャンする
画像データをAdobe Photoshopで補正・加工する
ClarisHomePageで割り付ける
MS Internet Explorerでローカルチェック
FetchでFTP
MS Internet Explorerでチェック
画像が気に入らない場合はすぐに撮り直す
画像が気に入らない場合はイチからやり直し
しかしデジカメにはまだまだ改良すべき点も多い。父親の使っているNIKON CoolPix 880(64MBメモリーカード)でも状況は同じなので、それを列挙してみよう。
シャッターチャンスに弱い
電源を入れてすぐに撮影できない。速写性・連写性に問題がある。電動ズームは銀塩カメラの手動ズームレンズのように素早い操作はできない
基本的に液晶画面を見ながら撮影するしかない
銀塩の一眼レフに馴れていると、デジカメのファインダーは視野率と画角(実画像とのずれ)の問題で使えない。だから結局、みんな液晶画面で撮影することになるのだが、これは手ぶれの元でもある
フラッシュが弱い
だから暗めの被写体を遠くから撮るとまず駄目
これらの点についてはレンズ付きフィルム並みの性能・機能になってしまうと言うことである。これを解決するには一眼レフタイプの高級デジカメが必要になると思われるが、ニコン、キャノン、コダックの100万円近い製品を買えるわけがない。となると10数万円クラスと言うことになるが、これらの機種が銀塩の一眼レフ並みの使い勝手なのかどうかは使ったことがないから判らない。
もう一つの問題は言うまでもない。デジカメを使っている人は誰でも思っていることである。
電池がもたない
筆者はコストを考えて、二組の充電池(合計4本×2=8本)の一方を充電器に入れっぱなしにして交互に入れ換えて使っているが、とにかく電池の消耗が早い。使い捨てのリチウム電池なら多少は違うだろうが、常用はコスト的に無理・無駄。しかし外部電源を使ったりUSBでPowerBook G4に繋ぎっぱなしで使うのはこのクラスのデジカメ本来の使い方ではないだろう。
可能なのかどうか知らないが、今の容量の倍ぐらいの充電池は開発されないのだろうか?
しかしデジカメならではのメリットが欠点を補って余りあるのも事実である。
失敗を気にせずどんどん撮影できる
撮影結果をすぐにチェックできる
駄目だったら撮り直せばよい
※静物撮影に限った話ではあるが
マクロ撮影が思ったより綺麗
エプソン・カラリオとの組合せはマジでDPE屋さん不要
何枚撮っても保管に場所を取らない
筆者の場合、撮影したデータはこまめにPowerBook G4に転送する。CASIO QV-3000EX with IBM-MicroDrive側は一杯になる前にフォーマットする。フォーマットは大体2ヶ月に3回ぐらいの割合となる。PowerBook G4上のデータが溜まってくると、CD-Rに焼いてしまう。これで永久保存完了であり、しかも銀塩カメラの場合のプリントやアルバム、あるいはネガのように場所を取ることがなく、しかもいつでも呼び出せるし、必要なら自宅で好きなだけ好きなサイズでプリントアウトも出来るのだから便利至極なわけである。
但しCD-Rには650MBしか入らないから、今まで撮影したもの全てをまとめたものは
FireWire接続のHardDisk
に別途まとめてある。これなら本当にすぐに全てのデータを呼び出せる。
ところで筆者の場合、デジカメを購入する前からMacについてはプロなわけだし、Adobe Photoshopはバージョンが1.0の時から使っているから画像加工はお手の物。Webで画像を使う場合の解像度やフォーマットのことなども熟知しているから、撮影したデータを最適化するノウ・ハウも知り尽くしている。だからばっちり活用できるわけだが、一般人はそうではない。
そう言う観点から考えると、デジカメやプリンターとコンピュータのシームレスでお手軽な環境はまだまだ未完成であるのは確かだ。だからうちの父親に色々と教える場合でも結構、苦労する。勿論、細かいことを気にしなければ、デジカメからストレートにエプソンにデータを送っても素人目には「すげぇ!!」ってぐらいの出力品質は得られるのも確かだが、Webとなるとそうは行かない。あるいは、何も知らない素人は何も知らず気にせずデジカメのオリジナルデータをそのまんま友人知人にE-Mailの添付書類で送っちゃったりすることだってあり得る。送られた方がモデム接続だったりしたら悲惨だし、多分メールボックスが一発でパンクするだろう。
この手の問題はまだまだ当分は解決しないに違いない。
蛇足その1:
このHomePageでCASIO QV-3000EX with IBM-MicroDriveについて書くのが、買ってから一年以上経ってからになったのにはわけがある。それはCASIO QV-3000EX本体を撮影するには、わざわざCASIO QV-3000EXを普通の銀塩カメラで撮影して現像してプリントしてスキャンしなければならないからである。CASIO QV-3000EXでCASIO QV-3000EXは撮影できないのだから仕方がない。逆に言えば、今やそれほどに銀塩カメラは使わなくなってしまったと言うことでもある。
それにしても、デジカメがここまで来たのは100%日本メーカーの過当競争の成せる技なわけだが、こう言う点に関する日本の技術力は、まったくもってたいしたもんだとしか言いようがない。感謝感動雨霰である。
蛇足その2:
言うまでもないことだが、とっくの昔にCASIO QV-3000EXは後継機種のCASIO QV-3500EXに取って代わっている。さらに400万画素のCASIO QV-4000EXも発売されている。幸いにして今のところ、筆者の使用目的の範囲ではCASIO QV-3000EXくんは充分に役立っているので買い換え・買い増しの予定は当分無い。前述のように銀塩一眼レフ高級機並みの速写性操作性を備え、電池寿命も長い機種の価格がこなれた時点で次を考えればよいと思っている。それまではCASIO QV-3000EXが苦手なシチュエーションではNIKON F-90を使えばよいからである。
蛇足その3:
先日の
九州小旅行にCASIO QV-3000EXだけを持参
したら全く問題なかった。よほど特殊な撮影じゃない限り、もう中級以上のデジカメが有れば充分であると言うことを確認出来たのである。但し電池の消耗だけは物凄かった。出先で何本アルカリ乾電池を買ったか判らない。
これが無くてはHomePageが作れないのだ
蛇足その4:その後、出先での電池の消耗問題はリチウム電池を使えば一発で解決することが判った。それどころか、リチウム電池で駆動するCASIO QV-3000EXはまるで別物といえるぐらい性能が上がるのである。それは一体どう言う事かと言えば、ばんばんフラッシュを焚いて連写しても電源が安定しているので、例えば飲み会のような暗いところでも何の問題もないからである。
なおリチウム電池の持ちの良さは半端ではなく、2002年夏の北海道旅行に使った二本を出掛けるときだけ差し替えるようにして使ったら、その後、半年後の12月末の同期仲間のライブで100枚以上撮影するまで使えちゃったぐらいなのである。
Photo by NIKON F-90