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2002.11.13[水]更新
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■ 蘊蓄&Tips@2002:
Mac OS X 導入ガイド

1984年1月24日に最初のMacintosh 128Kが登場して以来、絶え間ない進化を続けてきたMac OSも流石に基本設計の古さはいかんともしがたく、今や過去のしがらみを完全に捨てた次世代=新世代のMac OS、つまりMac OS Xへの着実な移行が行われようとしている。実際問題として2003年1月以降に発売される全てのMacintoshは旧来のMac OS 9.nでは起動できなくなることをApple社は既に公式に発表している。
と言うことはつまり、Macを使うものとしては、好むと好まざるに関わらずMac OS Xへの移行が必要だと言うことを意味しているのだ。

かく言う筆者は別のところで書いた通り、既に2002年8月28日をもってMac OS Xへの移行を完了した。この結果、既に2ヶ月以上をMac OS X(Mac OS X 10.2.1)と過ごしているわけだが快適至極である。Mac OS XのOSとしての堅牢性はApple社の最近のTVコマーシャル通りで、Mac OS XにしてからOSがクラッシュしたことは一度もない。アプリケーション・ソフトが落ちることはあっても、それは他のソフトには一切、影響しない(メモリー・プロテクション)。Mac OS 9.nまでの疑似マルチタスク(Mac OS 9.nまではシングルタスク、マルチジョブ)と違ってMac OS XはCD-Rを焼きながら同時にiTunesで音楽を聴きネットサーフィンをすることだって出来る(プリエンティティブ・マルチタスク)。しかも従来のMac OS 9.nまでのソフトだって、Mac OS Xの巧妙なる仕掛けである「クラシック環境」でほぼそのまま利用できる。

今を去ること2年前。2000年10月21日にMac OS X パブリック・ベータ版が出た時には非難囂々悪評さくさく失望感満杯だったMac OS X。この時点では「こんなものに乗り換えるぐらいなら将来はWindowsユーザーになるしかないのか?」とすら思ったものだが、しかしApple社と主要サードパーティ各社はこの2年でやることをやった。Mac OS X 10.2(→ Mac OS X 10.2.1)はMac OS X 10.1.5までとは別物の完成されたOSなのである。

しかし同じMacとは言え、はっきり言って別物の環境=OSであるMac OS Xへの移行作業は決して単純でも簡単でも無い。しかも従来のMac OSに慣れ親しんでいればいるほど色々と解決すべき問題は多くなる。そこで既にMac OS Xに完全移行した経験を踏まえたMac OS X導入ガイドを書き散らかしてみよう。

Mac OS Xへの移行はケース・バイ・ケースで方法論が異なる。
貴方又は貴女が今現在でもいわゆるクラシックMac=68K Macを使っている場合。これは話が簡単でハードウエア的にMac OS Xは絶対にインストールできないのだから悩む必要は何もない。目一杯アップデートしてもMac OS 8.1までしかインストールできないのだから、その範囲で使えばよい。
そもそも2002年末の段階で68K Macを使っていられると言うことは筆者とはMacに求めるものが違うとしか言いようがない。これは根本的な価値観の相違だからこれ以上書いても意味がないのである。

ところでMac OS Xは下記のApple社がリストアップした機種にしか(公式には)インストールできない。
  • Power Mac G3
  • Power Mac G4
  • Power Mac G4 Cube
  • iMac
  • PowerBook G3(FireWire)
  • PowerBook G4
  • iBook
  • eMac
つまり、このリストの機種より古いMacを持っている貴方又は貴女は新機種導入を考えるしかMac OS X導入の方法がない。

機種的には該当するとして、しかし自分のMacのMac OSのバージョンが判らない貴方又は貴女。こういう人は大抵の場合、Macは買ったまま使い続ける。アプリケーション・ソフトウエアを追加することはあっても、Mac OSのバージョンアップなどは決して行わない。別の言い方をすればOSと言う存在を意識しないで使っているわけだからMac OS 9.nだろうがMac OS Xだろうが関係ない。多分、今の環境をいじることによる不具合の発生の方が嫌に違いない。
最近Macを購入したのであれば、もしかしたら既にプリインストールされたMac OS Xを使っているのかも知れないが、その場合だけはバージョンを調べた方がよい。その結果がMac OS X 10.1.5以前であれば直ちにMac OS X 10.2.1にアップデートすべきである。Mac OS X 10.1.5とMac OS X 10.2は別物と言って良いほど完成度が違うからである。
いずれにせよ、このタイプのユーザーは特定のアプリケーションしか使わないし、新技術への興味も殆ど無いのが普通だから、結局は今まで通りに使い続ければよいと思うのである。
但し、本人は知らないにせよ、今現在のOSがMac OS 9.n以前であるなら、来年以降に新しいMacを購入すると大問題が発生することだけは間違いない。その時点のMacはMac OS Xでしか起動しないのだから今までの環境を移行するのは大変な作業になるからである。クラシック環境で既存のソフトを動かすことは出来るが、インストーラーが動かない可能性は大いにあるし、書類の収納場所などについては全く異なる概念で取り組まなければいけないからである。

プロフェッショナルDTPの世界の一部では未だにMac OS 8.1が基準となる場合があると言う。これは出力センターのタイプセッターとの互換性の問題などから来る業務上の必然性であるらしい。同じような理由からあくまでMac OS 8.n(Mac OS 8の最終はMac OS 8.6)を使わなければならない場合もあるだろう。つまりMac OS 9.nにすら出来ないわけである。
このような場合、Macはデジタルハブでもエンターテイメント・マシンでも無く、純粋に仕事の道具である。だからMac OS X環境での特定業務=例えばDTPを考えるなら最新のPowerMac G4デュアルプロセッサーを別途新規導入して、同じく最新のAdobe Illustrator、Adobe Photoshop、そしてAdobe InDesignなどをインストールしてプリンターや出力センターとのデータのやりとりの互換性の実験をするしかない。
SOHO環境や個人のデザイナーの場合は経費的にも大変だろうが、既存の環境で間違いなく使えるオールドMac+クラシックMac OSと、実験と検証のための最新型のMacとMac OS X 10.2.1を同時並行的に使って将来に備えるしかないのである。

自分のMacのOSのバージョンは知っている。しかしシステムフォルダーの中身を理解していない(理解できない)貴方又は貴女。アプリケーション・ソフトウエアのこまめな有償バージョンアップなど殆ど行ったことがない貴方又は貴女。
Macユーザーの80%以上はこういう人であろうが、Mac OS Xに移行するなら主要なソフトを最新のMac OS X版にバージョンアップしなければMac OS Xにする意味がない。しかもMac OS X 10.2だって無料じゃない。
これらをトータルすると10万円は簡単に突破する。その投資が自分にとって価値のあることなのか無いことなのかは本人にしか判らない。
投資価値が見出せず、今のMacに大きな不満がないのであれば無理してMac OS Xにすることはない。但し来年以降困ることになっても、それは本人の責任である。

Macをハードウエア的に強化改造しまくっている貴方又は貴女。具体的に言えばG3/G4カードや各種ビデオカードあるいはUSB/FireWireカードを挿したりしている場合である。
SONET社のようにCPUボード・メーカーがまだ存在し、Mac OS X対応ドライバーを継続的に開発している場合は何とかなるかも知れない。しかしインターウエアのように消滅してしまった会社のカード(ボード)を使っている場合はどうしようもない。Mac OS Xは諦めるしかないのである。
過去に呆れるほどの莫大な投資をして強化した自分にとっての史上最強のMacであっても、最新型のたったの128,000円のiBookの方が遙かに速いんだから、なるべく早く頭を切り換えるべきである。
コンピュータはクルマではない。クルマの場合、仮に30年前のクルマを常用しているとしても、日本国内をドライブする時の平均実用速度は30km/hに満たない。高速道路は100km/hで走っていれば文句は言われない。30年前のクルマでも100km/hは出せるはずである。しかしコンピュータの場合、クルマに例えれば高速道路を3000km/hぐらいで走る時代になっている。数年前のコンピュータは1000km/hしか出せないから低速レーンしか走れないのだ。エンジンだけ強力にしてもブレーキが追いつかないから高速を走ったら危険が危ないのだ。余り良い例えではないかも知れないが、ムーアの法則が未だに有効である以上、コンピュータに関わるなら新しいものを追い掛けざるを得ないのである。

以上に該当しない貴方又貴女は一刻も早くMac OS X 10.2を購入してインストールをして、新しいMac環境を手に入れるべきである。

Mac OS X 10.2をインストールするためにはあらかじめMac OS 9.2.2をインストールしておく必要がある。貴方又は貴女のMacがMac OS Xをインストール可能なMacだとしても、初期のPowerMac G3など、機種が古く、しかもMac OSをバージョンアップしていない場合はソフトウエア・アップデートなどを使ってMac OS 9.2.2にアップデートしておくこと。そうしないとMac OS Xの非常に優れた仕掛けであるクラシック環境が使えないのだ。

なお色々と不安があるという場合はHardDiskを増設するか、または全てのバックアップを取ってからパーティションを切り直すこと。そして従来のクラシックなMac OS環境はそのままに、Mac OS X 10.2.1をまずは実験的に使ってみること。
但しMac OS Xはそれだけでざっと2GB強(!!)を占有するので、HardDiskが古く総容量が4GBや9GBと言う場合は、さっさと20GB〜200GBと選り取り見取りで昔から考えたらマクドナルドのハンバーガーのように安くなった最新型のHardDiskに換装すること。今時のコンピュータは10GB未満のHardDiskのことを殆ど考慮していない。
ついでにメモリーも予算の許す限り、積めるだけ積んでおくこと。半導体各社が大赤字なのでも判るように、メモリーも昔と違って呆れるほどに安いのだ。PowerMac以降のMacはメモリーを沢山積むほど動作が速くなり安定することを知っておくべきである。

インストールそのものは(時間はそれなりに掛かるが)簡単である。Mac OS X 10.1.5以降Mac OS X 10.2.1までの筆者のインストール顛末記は下記に掲載してあるのでそちらを参照して欲しい。

なおMac OS X 10.2インストール時にはインターネット接続の設定をする必要があるので、下記の項目について暗記していない場合はインストール作業を開始する前に必要資料あるいはメモを手元に用意しておくこと。さもないとインストール終了直前に慌てふためくことになる。
  • 自分の既存のメールアドレス
  • メールアドレスのPassWord
  • POPサーバーとSMPTサーバーの名称
  • DHCP接続ではない場合はプロバイダーの設定資料一式
  • AirMacを利用しており、非公開ネットワークに設定している場合は、その名称とPassWord

Mac OS X 10.2のインストールが完了して再起動すると、いきなりソフトウエア・アップデートが自動的に起動しMac OS X 10.2.1やQuickTime 6、その他、複数の最新ソフトのアップデートを行うかどうかを聞いてくるので、それを直ちに実行すること。但し、ここでDownloadするデータ容量は数10MBあるので、貴方又は貴女がブロードバンド環境ではない場合には何時間掛かるか判ったものではない。
Mac OS Xは新世代最新OSだからブロードバンド常時接続環境が全く当たり前の大前提になっているのだ。
であるから、もしも貴方又は貴女が未だにISDNやモデム接続の場合はこれを機会にさっさとブロードバンドに切り替えることをお薦めする。今時のアドビのソフトなども起動時に勝手にインターネットに接続して細かいアップデートを行うのが当たり前になっている。そのたびに何時間も待たされていてはMac OS Xを使うどころの騒ぎではないからである。
ついでに言えば、この時にHardDiskの空き容量が足りないとアップデート・インストールが出来ないという悲劇も起きるので、前述のごとく、必ず大容量のHardDiskにしておくこと。

最後に、Mac OS X(Mac OS X 10.2.1)に移行するメリット(と多少のデメリット)を(今までもあちゃこちゃに書いているのだが)Mac OS 9.nまでと比較しながら思いつくままに箇条書きにしておこう。

〜 Mac OS 9.2.2
Mac OS X 10.2.1 〜
  • Mac OS 9.3でお仕舞いらしい
  • 先の心配をしなくて良い♪
  • シングルタスク、マルチジョブ
  • アプリケーションが落ちたら再起動必須
  • 今や、屋上屋を重ねた無駄なコードの集大成
  • プリエンティティブ・マルチタスク、メモリー・プロテクションなど先進の設計を取り入れたUNIXベースの堅牢かつ先進的なOS
  • Mac OS 8以降のアピアランスはWindowsよりは遙かにナウいがMac OS Xとは比べるべくもない
  • 過渡的なアンチエイリアス処理による日本語表示はMac OS Xに慣れてしまうとダサい
  • 32 pixelアイコンは目に優しくない
  • QuartzテクノロジーによりOS自体がアルファチャンネルを持ち、透過など何でもござれのAquaなインターフェースは最高のセンス(嫌いな人もいるらしいが)
  • 完全なアンチエイリアス処理と美麗なヒラギノフォントによる視認性抜群の日本語表示
  • 128 pixelアイコンによる美麗なデスクトップ
  • iTunes3もiPhotoもiCalもiChatも無い
  • デジタルハブ構想のApple純正ソフト群はMac OS X版しか提供されない
  • 来年以降、主要キラー・アプリケーションのバージョンアップ時にMac OS 9.n版が出る保証は全くない(多分、出ないでしょう)
  • 既にATOKはATOK15からMac OS X版しかない
  • 主要サードパーティ各社がMac OS X用のソフトウエア・サポートを表明・確約そして実行中
  • 20年近い歴史で蓄積されたあらゆる種類のソフトウエア群
  • 2年の準備期間で驚くほど揃った各種ソフト群
  • 便利小物ソフトに足りないものがまだ多少はある
  • DTPで培われたプリント環境
  • プリントに関しては多少の問題が残っている
  • 現時点で一番困るのはエプソン系インクジェット(旧機種)の四辺縁なし印刷が出来ないこと(クラシック環境で可能)
  • Mac OS最大の発明=Finderによる抜群の使い心地
  • 従来のFinderとは異なる操作性には慣れが必要
  • しかし人間には順応性がある

蛇足:ところで、Mac OS X全面移行を機会にClarisHomePageから乗り換えたAdobe GoLive 6だが、Adobe GoLive 5(Mac OS 9.n版)の頃から長文を入力していると突然、何の前触れもなくいきなり落ちると言う記述を某サイトで見つけた。IMはATOKの場合であると言う。
この問題はAdobe GoLive 6でも解消されていないことをこのページの文章を書いていて知ってしまった。早い話、数日前にこのページの文章の前半1/3を書き終わったところで突然落ちて全ての文章が消滅してしまったのだ(T_T)
最近はこう言うことは全く起きないから「Command+S(保存のショートカット)」なんて全然励行していなかったからである。かくて全てをイチから書き直したわけだが、アドビまたはジャストシステムあるいは両方がさっさと問題を解決して欲しい。
ちなみに書き直している時は超こまめに「Command+S」を繰り返したわけだが、全体の80%ぐらいを書き終わった時点でしっかりとまた落ちた。もちろん直前までは保存されていたから問題はないが、これは今時珍しい明らかな(再現性のある)バグである。

追記:2002年11月12日にAppleはMac OS X 10.2.2をリリースした。ソフトウエア・アップデート経由で簡単にアップデートできる。マイナーバグフィックスだろうから使用感は何も変わらない。

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