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後ろに見えるのが宿泊した全日空ホテル |
ハウステンボスの敷地の中央にあるドムトールンと言う名称の尖塔に登ってみる。高さは80m。エレベーターで最上階についてびっくり&がっかり。展望室がやたらめたらと狭いのだ。しかも窓は240度ぐらいにしか無い。つまり360度全周を見渡せないのである。なんなんだ、これは。
そこで施設内からいつも見えるバルーンに乗ろうと思ったら営業時間は16時まで。をいをい。仕方がないから翌朝になって乗ったのだが、しっかりと別料金。見晴らしは良かったが、120mと言うことはお台場の大観覧車より低いのかも知れない。とにかくハウステンボスのアトラクションはどれもこれも中途半端以下である。 |
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ドムトールン(尖塔)から見たバルーン |
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バルーンから見たドムトールン |
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バルーンから見下ろした箱庭のような景色 |
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こちらはハーバー |
話を日曜日に戻して、結局、お昼から19時まで会場内を一通り見て回り、ホテルに戻って夕食の時間。気取ったフランス料理などを食べる気は皆無なので、ANAホテルの前庭でやっている「炭火焼きバイキング(要するに焼き肉)」にする。
21時からはハウステンボスのハーバー近くで花火が上がる。ANAホテルの客室の窓からはばっちり見えるというので期待していたら、これが大外れ。何が外れかと言えば、ほんの数分、ほんの数発上がっただけだからである。あんなものは花火とは言わない。大赤字で予算がないからケチっているんだろうか? |
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いかにもオランダな景色
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謎の十字架雲
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明けて翌朝。前述のようにバルーン目当てで早起きをしたら開場は9時から。施設内宿泊者は8時から。この差別は何なんだ?しかも9時ジャストに会場に入ったら中はガラガラ状態。これはつまり施設内宿泊者が少ないことの証明。だったら一般にも8時から開場すればいいだけの話である。 |
それにしてもハウステンボスは欠点欠陥だらけの施設である。まず第一にこのデフレのご時世だというのに会場内の飲食代の高いこと夥しい。下の「証拠写真」をご覧いただきたい。今時、ハンバーガーが360円じゃ誰も近付きもしない。 |
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ハンバーガー360円!! フライドチキン500円!! |
既に記述したものも含めて欠点欠陥を列挙してみよう。
- ハウステンボス駅のホームから改札口の狭い階段、駅舎からハウステンボスまでの長い橋、会場内の全てのアトラクションに共通する階段の上り下りなど、今時の施設なのに全くバリアフリーではない。障害者はもちろん、お年寄りなどには非常にしんどい構造である
- 飲食代がバブル期料金のまま
- ソフトドリンクの種類が異常に少ない
- 従業員の愛想が悪い気が利かない
- 予算がないのか従業員のユニフォームの縫製が劣悪かつデザインも最低
- 全てのアトラクションが全くじぇんじぇん面白くない
- オランダなのにオランダじゃないことだらけ
- 地面は全てレンガ敷きなので照り返しのためにやたらめたら暑い
- 逆に多分、冬は目茶苦茶寒いはず
- パスポートが使えない施設だらけ
- 平壌もかくやと言うべき箱庭的撮影セット的なオランダ的雰囲気
これでは余りにも酷いので別の観点からの良い点は……
- 買い物好きの女性が喜びそうなスーベニア・ショップだらけ
つまりハウステンボス全体を一種のショッピングセンターと考えれば多少の存在価値があるのかも知れない。若いアベックなら異国情緒を楽しめるかも知れないが、その場合は料金設定が障害となる。家族連れの場合で言えば、小さい子供はつまらないアトラクションでもごまかせるかも知れない。奥さんは買い物をすればよい。旦那は堪えるしかない。高校生以上の男性は滞在そのものが苦痛の筈。
ただし7年前ぐらいに仕事絡みの接待で招待され、施設内ホテルのスウィートルームに宿泊したうちの父親の話では、外洋クルーズと、その船上でのディナーは良かったと言うことだから、要するに予算が有れば楽しめると言うことなのかも知れない。 |
結局、ハウステンボスは何なんだ?と言うことがちっとも分からないので、ANAホテルの客室のテレビの施設案内チャネルにあった「ハウステンボスの紹介」を見てみたら余計に分からなくなった。この紹介にはJR九州の偉い人が出てきて下手な話をし、ビデオとナレーションで「環境に優しいハウステンボス」「自己完結型の都市」「分譲住宅のご案内」などが映し出されるのだが、つまり説明する対象が、その紹介ビデオを見ている人=つまり来場者=つまりお客様=ではなく、どう考えても、投資家とか、地元住民とか、参画企業とかなのである。
なにをかいわんや………。 |
つまり多分、こう言うことである。
JR九州(及びその他の事業主体)は九州における観光+αの目玉としてハウステンボスを作った。コンセプトはテーマパークではなく人工都市を構築すること。付帯するオランダ風分譲住宅を販売することは投資回収の大きな部分を占める。
都市であるから遊園地(テーマパーク)であることは表に出ない。だからジェットコースターも大観覧車もない。最初からあったのか後で加えたのかは不明な中途半端な存在感のライオンのキャラクターがあるにはあるのだがあくまで二次的。従業員がオランダ風の衣装を着ていないのはきっと現代のオランダの都市としたからだろう。だから来場者はテーマパーク独特のスイッチング(東京ディズニーランドのように園内に入ったとたんに大人も子供の気分になる気分の転換現象)が無い。
だが、そこにあるのは箱庭的オランダだし、平気で「かき氷」の看板が立っているんだから、本格的オランダ気分に浸ることはもちろん全く不可能。
つまりつまりコンセプト倒れ。大赤字は当然なのである。
と言うわけで、まだハウステンボスに行ったことの無い人には「行く必要はありません」とアドバイスしておきましょう。しかし、リピート率はほとんど零だろうなぁ。 |
かくて何も知らないでハウステンボスに長期滞在なんて時間もお金もないから単純にそうする人はご苦労様ですなどと思いながら、いざ長崎へ。 |
※特記事項:やっぱりと言うか当然というかハウステンボスは2003年2月末に会社更生法を申請した。負債総額は2,289億円。それについてのコメントはこちら。 |
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