高校三年の時に、父親がニューヨーク出張で買って来たのが、このLes Paul。この頃の筆者はギターをやるかベースをやるか迷っていた部分があり、アメリカで買うと圧倒的に安かった時代なので、Fender Jazz BassかGibson Les Paulかどっちか在庫のある方と言ういい加減なメモを渡した覚えがある。そのLes Paulも増尾良秋が弾いていたブラック・ビューティ(Les Paul Custom)のイメージだった。要するに今のような情報化社会じゃないから、Les Paulと言えば1959年製のスタンダードがベストとかそんなことは何も知らなかったのだ。
父親が買ったのはマンハッタンのマニーズで、ここはジミヘンも来店したことがあるという有名なお店だと言うことも後で知った。改造前のオリジナル状態はGibson Les Paul Delux。ミニ・ハムバッカー付きの廉価版。価格は$700で、これは1970年当時、日本国内で全く同じLes Paul Delux(但しゴールド・トップしかなかった)が270,000円で売られていたことを考えると目茶苦茶に安い。
ちなみにシリアルナンバーは951814で、GibsonのHomePageで調べたら1968年製であることがわかった。
うちの親はLes Paulを持って帰るときに機内持ち込み荷物とし、たまたま席が空いていたので隣の席に置いたのだが、それを見たスチュワーデスが「演奏旅行ですか?」と聞いたので「そうです」と答えたらしい【笑】。
このLes Paulは既に30年以上弾いている計算になるが、ネックの状態はいつでもベスト・コンディション。いわゆる当たりという奴だろう。普通の人が触ると異常と感じるぐらいに弦高を低くしてあるが、ビビリなど一切無く鳴るのである。
なお、これも後で知ったことだが、Les Paulは全くの偶然にも筆者の生まれた年と同じ1952年に最初のモデルが発売されたのである。 |