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2002.01.22[火]
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■ その2 エスカッション交換・他
エスカッション
いつの間にか、ぱっくりと割れていた
ブリッジ側のエスカッション

暫くの間、トランクルームで惰眠をむさぼっていたLes Paulだが、最近、客演バンドでLED ZEPPELINをやることになったので久しぶりに引っ張り出してきた。やっぱり30年以上弾いている愛器だから妙に指に馴染む。…と感動していて、ふと気が付いたらブリッジ側のエスカッションが割れていることに気が付いた。演奏に支障はないが気に入らないことだけは確か。
こうなっちゃうとやるっきゃないわけで、渋谷東急ハンズ斜め向かいの石橋楽器でGibson純正のベージュのエスカッション(フロント用、リア用それぞれ)、同じくベージュのピックガード、そしてオールドタイプを模した飴色仕様のトグルスイッチ・ノブ(今までは真鍮製を付けていた)を買って来た。
Les Paul
Les Paul
元々がLes Paul Deluxeだったので、フルサイズのハムバッカーを取り付けるために20年以上前に朝日無線(現・ラオックス楽器部)で加工して貰ったから、ご覧の通り、なんとも妙な形状のザグリになっているのが分かる。ネジ穴の位置は非常に危険が危ないというか、幾つかは全く意味がない状態にある。

部品が揃ったので、まずはピックアップ回りを分解してみる。すると上の写真で分かるように、ネジ穴はギリギリあるいはそれを通り越していることが判明。これじゃ単純に付け替えただけではうまくいかないに違いない。かくて暫し悩む。
もう一つ。Les Paulのボディはアーチド・トップである。つまりSGやストラトと違ってボディ上面が湾曲しているのである。ところがGibson純正のエスカッションはそれに合わせた形状ではなく、底面はフラットである。
それで今まで取り付けていたエスカッションが経年変化で割れてしまった原因が明らかになった。下の写真を見れば分かるように、無理矢理ネジで締めてカーブ形状を合わせているから、長年の間のストレスでプラスチックが疲労破壊してしまうのだ。いかにも米国的である。
買って来たままのエスカッションはLes Paulのアーチド・トップ形状とまるでフィットしていない
カッターで削ってカーブを合わせた後はこうなる

となると、また20年後に割れちゃうのは馬鹿らしいから、手間はかかるけど慎重な作業でボディに合わせてエスカッションの底部をカーブ状に削ってフィットするように加工した。国産のパーツ、あるいはDiMarzio製には最初から底部が湾曲しているものもあるのだが、どう言う訳か、その湾曲具合が強すぎて、少なくとも筆者のLes Paulとはこれ又フィットしない。まったく変な話である。
これでエスカッションの形状はOKとなったが、前述のごとく、ネジ穴の状態が宜しくない。また、今まで付いていたエスカッションと新しいエスカッションの寸法は微妙に異なり、ネジ穴の位置が完璧には合わない。仕方がないから、エスカッション底部に両面テープを貼り付けて、ネジと両面テープの両方で固定するようにした。
これで木工関係は終わりだが、次は電気関係。先日ボリュームポットを交換したときにスペックを間違えたので、ちゃんとBカーブのものに両方交換。こうしておかないと、手元での素早いボリューム・チェンジが出来ない。それと、ついでにネック側ピックアップのトーン回路も外した。そうしないとブリッジ側と音量バランスが取れないことが分かったから。逆に言えば、パッシブ・タイプのトーン回路がいかにサウンドをロスしているかと言うこと。
苦労して完成。なお、ピックアップとエスカッションの隙間にはスポンジを詰め込んでがたつきを無くしてある。またピックアップの裏にもスポンジが入れてあり、ピックアップと弦が平行になるように調整してある

かくて、我が1968年生まれのLes Paul君は20数年ぶりにベージュ系プラスチック部品によるノーマルな外観に戻ったのである。
完成状態
Les Paul
Les Paul
以前の状態
これはこれで好きだった

撮影条件の違いなどからまるで違うLes Paulのように写っているが、こうして比べてみると、確かに上の方が普通っぽい。ただし実物のボディカラーは下の写真の方に近い。
なお元がLes Paul Deluxeなので、ご覧の通り、トップは3ピースであり、虎目でもなんでもない。だから市場価値はないんだろうが、弾き易さに関しては自分で言うのも何だが、本当に抜群。文字通りのフレットレス・ワンダーなのである。
しかし、実はそろそろフレットを打ち換える必要がある。このLes Paulは大学卒業後に一度、ラオックス楽器館で打ち換え済みなのだが、それから既に20年。良く使う部分のフレットは既にかなり摩耗しており、現在の弦高では若干のビビリが発生しているのだ。しかしフレットの打ち換えは結構お金が掛かる。どうせ打ち換えるのならフジゲンのサークル・フレット・システムにしたいような気もするが、これだと安物のLes Paulが買えちゃうぐらいお金が掛かっちゃう(Les Paulはセットネックなので作業工程が大変なのである)。
ついでに言えば、ネックのシェープも細く加工したいが、そこまでやると幾ら掛かるか分からない。悩みは尽きぬ。

追記:最近(2001年秋以降)は結局、Les Paulがメインギターとなっている。
Les Paulは長時間演奏では腰に来るほど重いし、ハイポジションが弾きにくいという欠点があるのだが、やはりヘビーな音から華麗な音までばっちり鳴るのである。しかも、ここ一年ばかり、他のプレーヤーの色々なLes Paul(大抵はスタンダード。たまにカスタム)と弾き比べ=と言うか競演状態=になることが多いのだが、他のLes Paulとの比較では、我がDiMarzio Super Distortion付きLes Paul君は音量並びにサステインで圧倒的に優れているのである。
と言うわけで高校三年以来、未だにずっとずっと、そして死ぬまで、このLes Paulが唯一オンリーのメインギターと言うことに結局は落ち着く筆者なのだった。

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