2003.06.13[金]
dpTL GoldTop
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Peavey HP EXP
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Gibson Les Paul
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S-Yairi
■ その3 マシンヘッド交換・他
我が愛機達。左からS-Yairi(1975年購入。只今現在28歳)、Ibanez SR-380(満1歳ちょっと)、そしてLes Paul(35歳)。テレビの上の左側のDVDはLed Zeppelinの新譜と昔のネブワースのライブ
Les Paulでかなり前から気になっていたことはマシンヘッドである。我がGibson Les Paul Deluxeの元々のマシンヘッドはクールソン・デラックス(プラスティック・ノブの奴)だが、これを大学時代にJimmy Page風にグローバー・ロトマチックに交換した。ルックス的には良くなったのだが、このグローバー君、どうも品質が良くないのである。
具体的には、まずメッキの質と全体の加工精度が低くて、何となく安っぽく見えると言う点と、そして一番肝心のトルク調整(巻き上げ部分の回転の固さの調整機構。これがロトマチックという名前の所以)のネジがすぐに緩んでしまうのだ。
ところが、Les Paulをグローバーに取り替えた直後に購入した
S-Yairi
(マーチンD-28フルコピーの国産中級フォーク・ギター)に最初からついていたドイツ製のシャーラーの同じロトマチック・タイプのマシンヘッドは遙かに加工精度が高く、メッキの質も良く、そしてトルク調整ネジも一度調整したら殆ど緩まないと言う優れものだったのだ。やっぱドイツ製とアメリカ製の差は大きいって感じだったのである。
だから、いずれLes Paulのグローバーもシャーラー製に取り替えようと考えて早30年【苦笑】。
そんなある日のつい最近=つまり昨晩@2003.06.12=ふと「S-Yairiはちっとも使っていないんだからスワップすればいいだけのことじゃん」と今頃になって気が付いた。要するにどっちもロトマチック・タイプだからスワップ=入れ替えればいいのである。
と言うわけで例によって例のごとくいつものごとく思い立ったが吉日、即断即決即実行の工作大好き人間=筆者【苦笑】。早速、Les PaulとS-Yairiの両方のマシンヘッドを外してしまうことにする。
マシンヘッドを取り外した2台のギターそれぞれのヘッド部。そして「にゃんだろう」と近寄ってきたのは
来喜ちゃん
この作業はとっても簡単である。マシンヘッドは表面のナットでねじ込んであり、回転防止に背面にネジがあるというのが基本的な構造。だから適切なサイズのスパナと細めのプラスドライバーがあればあっと言う間に簡単に外れるのだ。
取り外した後は念の為にマシンヘッドと、ギターのヘッド部の両方をクリーニングしてから、S-Yairiから外したシャーラーをLes Paulに、Les Paulから外したグローバーをS-Yairiにそれぞれ取り付ければよい。
但しLes PaulとS-Yairiではワッシャーの大きさが違うので、これはそれぞれのオリジナル通りとする。
スワップ完了。Les Paulはワッシャーが大きいのが見かけ上の特徴。グローバーのペグはシャーラーより丸っこいが見るからにメッキの質が悪い感じ
また、シャーラーとグローバーでは回転防止のネジの位置が違うので、それぞれのギターの背面に余計な穴が6個ずつ残るのだがこれは無視。但し一応、台所にあった「ケーキ用の赤いミニ蝋燭」に火を付けて溶けた蝋をタラタラと流し込んで目立たないようにはしたけども。
Les Paulのヘッド背面のアップ。ネジ穴の位置が異なるのでこう言うことになるが目立つ場所ではないので全く気にならない。なおシャーラーには「S」のロゴが入っている
これにて一件落着。常用ギターのマシンヘッドが精度の高い物になった。
この作業のついでに単なる気紛れから久々にピックガードをカスタム用のブラックに変更。配線を外してあるブリッジ側のトーンコントロールのノブも金色のトップハット型から黒に変更。これらは純粋に気分的なもの。
さらについでに実質的に意味のある改造を一発。それは、ネック側のボリューム回路へのハイパスコンデンサーの取り付け。Fenderテレキャスターで有名な「0.001μF(マイクロ・ファラッド)のコンデンサー」である。
これを噛ませると、ボリュームを絞っても(コンデンサーがハイパスフィルターとなって)ハイ(高域)はそのまま通るので、結果として、フルアップだとLes Paulのネック側ピックアップ特有の図太く甘いパワフルなリード・トーン、ボリュームを絞るとシャキッとした(どちらかと言えばFenderライクな)バッキングに最適なトーンになるのである。
元々、筆者のLes Paulはピックアップを大出力のDiMarzioスーパーディストーションに取り替えてあるのと、ネック側ピックアップにだけトーン回路を噛ませている(正しく言えば、ブリッジ側のトーン回路だけを外してある)ので、今どきのハイゲインアンプやエフェクターを噛ませた状態では、ネック側のボリュームを少々絞った状態では、やや歪んだハイ落ち状態になってバッキングなどに使いにくいと言う傾向があったので、それを補正したわけである。
この改造は前にストラトでやってみたときは殆ど効果がなかったのだが、それは
ストラトはシングルコイル・ピックアップなので元々ハイが伸びている
ストラトのボリュームポットは250KΩなのでコンデンサーの効きが悪い
と言う理由からである。これに対してLes Paulはハムバッカーだからハイが落ち気味だし、Les Paulのボリュームポットは500KΩだからコンデンサーの効きがよいのである。
なおスタジオで音出しをしないと実際の所は判らないのだが、多分、ブリッジ側はコンデンサー不要だろう。何故ならブリッジ側は前述のようにトーン回路を外してあるからハイ落ちが少ないし、少々ボリュームを絞っても厚みのあるトーンじゃないと(1度&5度刻みのリフとかで)困るからである。
それにしてもエレキ・ギターと言うものはコンピュータ以前の古い発明品なので(ブラック・ボックス部分がないから)素人が簡単にいじれるところがそれなりに面白い。
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(c) Gibson Musical Instruments