2007.07.17[火]
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335
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GM8R
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■ Ornetts GM8R(GLD) その20 ブリッジ大改造 (2) 大胆作業編
完成状態♪
(
前ページから続く
)いよいよ「ノミと金槌」の登場する作業になったので、作業場を室内からベランダに移動【爆】。台風一過と言うよりはただの曇天だが暑いよりはよいし雨も降っていない。蚊も飛んでないからちょうど良い夕方の作業である。
ベランダで作業すると木屑などを気にしなくて良い♪
まずは、関係ない部分=傷を付けたり削ったりしてはいけない部分をガムテープでマスキング=保護してから、それなりに慎重にマーキング通りに金槌でノミをボディにしっかりと垂直に打ち込み、まず「ザグる部分の壁」を作る。その後は、やはりノミと金槌で水平方向=ボディと平行にザグる。仕上げはノミだけで行う。この時、くれぐれも削りすぎないように注意ながらの作業するわけであるが、コツは「良く切れるノミを使うこと」「木目に注意すること」「壁がちゃんと切れていること(壁が出来ていないとササクレのままとなり、無理に剥がすとマーキングより外まで剥がれちゃうことになる ← 前回の雑な作業の反省【爆】)」である。
傷が付いては困る部分を更にマスキング
流石に作業中の写真は撮れなかったが結果はご覧の通りである。自分で書くのも何ではあるが、小学校と中学校で図画工作だけはいつも必ず5かAだった筆者なので、あっさりと綺麗にザグり加工が完成した♪
切削加工完了♪
切削部分のアップその1:1弦側
切削部分のアップその2:6弦側
次はザグった部分が適切かどうかを確認する作業。塗装部分とザグった部分の境目は後でカバープレートで隠すので気にする必要はないのが楽(そうではない場合はエッジ=縁を全てサンドペーパーで処理する必要があるし、場合によっては部分塗装も必要だろう)。
アジャスターを仮止めした状態
アジャスター部分のアップその1:1弦側
アジャスター部分のアップその1:6弦側
ちなみに中心部の真鍮色が出ている同心円はヤスリで削った部分。少しでもブリッジを下げられるための加工である。
次に、念の為にブリッジを乗せてみる。アジャスターのダイアルを一杯に廻し込むと従来よりかなり下までブリッジ=弦高を下げられることを確認。これが重要。実はそのための改造なんだから。
Gibson純正ブリッジを載せた状態のアップその1:1弦側
Gibson純正ブリッジを載せた状態のアップその1:6弦側
目一杯下げられるの図
そして「百難隠すカバープレート」の制作である。詳しい方法は前ページに書いちゃったので、ここでは最初と最後の写真だけを掲載しておこう。
カバーの型取り作業中
途中省略 → カバー半完成 → 出来上がりチェックの図
カバーとブリッジの隙間が合っていることを確認(接着前)
この段階はテールピースとカバープレートの形状を合わせる前
オールOKなので、肝心要のダボをGM8Rのボディにガッチリ固定する。つまり瞬間接着剤で永久固定してしまうのである。なお、カバープレートは強力両面テープで固定する。
ダボを瞬間接着剤でガッチリと固定する
アジャスターをねじ込む
位置を確認してカバーを接着
ブリッジとカバーの穴は完全に平行
こちらから見ても大丈夫
テールピースを固定
いささかカバープレートが大きすぎる気がしないでもないがとにかく完成
キャプションの通り、カバープレートはいささか大きすぎるが両面テープだから、剥がして作り直すことは可能なので今回はこれにてお仕舞い。そして、ブリッジを乗せて弦を張るわけだが、きちっとした固定方法でGM8R純正ブリッジを使うとどうなるか?を試したくなったので、最終的には下の写真の通り、リア・ピックアップから後ろは銀色(アルミ色)一色と相成った。
いつでもすぐに取り替えられるのでGM8R純正のブリッジでセッティング
チューニングを合わせてから念の為にオクターブ調整のチェックもしてみたが、以前の実験の時に、このブリッジでも念入りにオクターブ調整をしていたのでジャストであった。
そしていよいよ本題である。そう、ブリッジの取り付け方法が気に入らないと言うのは見た目の問題並びに精神衛生上の問題だけの話であるが、GM8Rには筆者的に気に入らない点が実はもう一ヶ所、存在したのである。
それは「筆者のLes Paulのようには弦高を下げられない」と言う問題である。弦高は「好み」だが、Les Paulの低い弦高になれている筆者としては低いに越したことはない。ところがGM8Rは低くするとすぐにビビる(=つまりは音が詰まる)のである。
弦高とブリッジの固定方法は関係ないようだが実はある(と思う)。勿論、フレットとナットは影響がモロに大きい。しかしフレットはまだ減っていないし、素人としては触りたくない。なので、ネックに関しては完全に真っ直ぐに調整してから、1フレットをカポタストで固定して、22フレットの反対側を押さえて、中央部分にコピー用紙が2枚挟まる程度の隙間というセオリー通りに再調整し、そして今回取り付けたGibsonのアジャスターのダイアルをかなり廻し込んで、今までよりは確実に1mm近くは弦高を下げてもビビらないようにすることに成功したのである。万歳三唱♪
弦高:1弦@12フレット=そこそこ低め
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下げようと思えばまだ下げられるが、このところ高い状態で弾いていたので、この低さで充分弾きやすくなった。下げすぎると音が詰まるのでこの程度で宜しい
弦高:6弦@12フレット=標準状態
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筆者としては6弦側をベタベタに下げるのは嫌いである。6弦側を下げ過ぎるとハードロック系の5度刻みで音が詰まるからである
ここから先は蛇足。全部の調整が終わってからピックアップの高さ調整をするわけだが、フロント・ピックアップの6弦側以外は筆者は全てギリギリまで高くするのが好みである(フロント・ピックアップの6弦側を上げすぎると低域が上がりすぎるし、5〜6弦のハイポジションのピッチにまともに影響が出る)。
リア・ピックアップの高さ調整@1弦側=目一杯高め
リアピックアップの高さ調整@6弦側=思いっ切り高め
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リア・ピックアップが拾う部分の弦振動は振幅が小さいのでピッチへの影響は殆ど無いからギリギリまで上げても大丈夫というのが筆者の経験則。但し上げ過ぎると5度刻みのミュートの時や、パワー・コードの低音部を思いっ切りピッキングしたときに弦がポールピースやピックアップカバーの角に当たってしまうので限度はある
フロント・ピックアップの高さ調整@1弦側=かなり高目
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フロント・ピックアップも1弦側は目一杯上げるのが筆者流。ボリュームを絞ったときの音の「籠もり」を極力避けたいからである。1弦側は弦の質量が小さいのでピッチへの影響は無い
フロント・ピックアップの高さ調整@6弦側=いわゆる標準の高さぐらい
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フロント・ピックアップの辺りの6弦の振動は振幅が大きいし弦の質量も大きいからピックアップの磁力によるピッチへの影響はそのまま反映されるので弦とピックアップを離しておかないとハイポジションの5弦や6弦のピッチが滅茶苦茶になる。また、サウンド的にもブーミーになり過ぎる。よって上げすぎは禁物である【きっぱり】
とにかく、これで改造=改良できるところは全部、いじくっちゃった筈。あとは暇なときにカバープレートを多少はリデザインするぐらいか?
ソファーの上で完成記念撮影。
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シルバーの部分がやたらと増えたのである。
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