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紆余曲折試行錯誤の末に購入したBacchus BTE-250R SW。メーカー希望小売価格は26,250円だが、
実売価格はなな何と14,000円♪
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バッカス堂 |
唐突だが、2010年の年末恒例ライブが終わった直後ぐらいから突如、テレキャスターが欲しくなった【笑】。特に切っ掛けがあったわけでもなく、まったくもって「ある日突然に」な感情の盛り上がり沸き上がりであーる【爆】。
しかし原因となるものが何も無かったわけでもなーい。
自己分析をしてみよう【笑】。
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- The Rolling Stonesは大して好きではないが、テレキャスターを弾くキースはやっぱかっこいいとしか言いようがない。それを思い出したのはパイレーツ・オブ・カリビアンにキースが出演していたのを見たからだが
- 高校の時から本物のGibson Les Paul Deluxeを持っていたのでずっとGibson系のギターだけを基本としてきたが、エレキの原点はテレキャスターだという思いはあった
- テレキャスターを弾いたことが(殆ど)無いのは(我ながら=ギター好きとしては)変だと常々感じてはいる
以上が比較的に積極的な理由。
消極的な理由もある。
- 愛用のPeavey HP EXP君は改造を重ねすぎた結果、筆者自ら「はりねずみ」と呼ぶ状態になってしまった。スイッチの付けすぎである【爆】。
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この状態を名付けて「Hedgehog=ハリネズミ」
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- これでは演奏に集中できない(←馬鹿)
- これ以上の改造が出来ないのでPeavey HP EXPそのものに飽きた(あれ?)
- Peavey HP EXPはPRSもどきのデザインなわけだが、近年、PRSを弾くプロが多過ぎるのが気に入らない
- Peavey HP EXPの前に使っていたOrnetts GM8R(GLD)こそ、まるでPRSのまんまのパクリデザインであり、要するに、このデザインに飽きた【爆】
自分の周りを考えると、ベテランも初心者も大半はストラトだがPRSも(馬鹿高いのが)2本ある。テレキャスターは一人いるが目立たない。要するに仲間内ではマイナーと言うこと。
ストラトは弾きにくいから大嫌いだし、Les Paulは本物を持っている。335などのセミアコは以前持っていたから詳しく知っているが、これまた弾きにくいというか、筆者の体格には合わない=ボディが大きすぎる。
要するに。
自分の周りで余り見かけないメジャーなモデルと言うとテレキャスターってことになる。
それより何より、テレキャスターのデザインが非常に宜しいと思えてきたと言うことである。
しぃかぁしぃ〜。
大きな問題がふたつある。
金がないと言うことはつまり本物=Fender USA製は買えないと言うことを意味する。
理想のスペックとは何かというと、これは話が長くなる【爆】。
まず、そもそも筆者はこれまでテレキャスターを入手しようと思ったことがなかったので、実はテレキャスターのことを良く知らない。知っているのはデザインと音、そして大きく分ければカントリー系ギタリストが好む……ってぐらいである。
そこでインターネットをフルに駆使してのテレキャスター研究が始まった。
Fender USA本家のモデル、Fender Japanのモデル、国内外の類似モデル、廉価なコピー品、アーティスト・モデル、改造例、パーツ、蘊蓄、その他もろもろ。
その結果分かったことを超大ざっぱにまとめるとこうなる。
- 52年とか59年とかのオリジナルの系統のテレキャスターに異常にこだわる人達が居る(マーケットがある)
- この傾向は特に日本で強いみたいな感じ
- 曰く、3-wayのブラスのサドル、アッシュ・ボディ、メイプル・ネック、クルーソンのマシンヘッド、ハイパスコンデンサーなどなど
- 本家のFender USAは遙かにモダンな仕様に移行中
- コピーモデルはオールドなスペックのものが殆ど
そもそも、テレキャスターは世界最初の量産型エレキギターである。それ故、欠点や欠陥が沢山ある。それを改良したのがストラトキャスターである。
ところが、オールド好き、オリジナル好きのマニアは欠点や欠陥こそがテレキャスターの良さであるというロジックを持っているから話がややこしくなる。
例えば……
- ライトゲージが無かった頃の3弦が巻き線だった弦を前提とした3-wayブリッジは精確なオクターブ調整が出来ないと言う致命的欠陥がある
- ピックアップ切換えレバーとボリューム・ノブが近すぎる
→ 特にレバーをブリッジ側に倒した時に顕著。これも欠陥
→ レバーとボリュームを離したパーツが存在する
- 板に棒を付けたような……と表される構造なので、右の二の腕、胸骨がボディと当たって痛くなる
- 事実上、ハイポジションが物理的に弾けない構造のヒール部
- ネック・ピックアップの高さ調整はピックガードを外さないと出来ない
- ネック・ピックアップの音量がブリッジ・ピックアップに比べて明らかに小さい
- ネック・ピックアップのサウンドが甘すぎる傾向にある
- 21フレット仕様が基本
- ネックのRがきついので弦高を下げるとハイポジションで音詰まりする
- ピックアップがハウリングを起こしやすい
- オリジナルの折り曲げ型のブリッジはブリッジミュートがやりづらい
- それどころか掌が痛くなる人もいる
他にも山ほどあるが、こだわりのコピー・モデルはこれらの点を改良(改変)せずにオリジナルっぽく作られている場合が多い。つまり欠陥や弾きにくさはそのままなのだ。
では、実際に色々なテレキャスターをチェックしてみよぉ〜♪
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■ 購入検討品の考察:PLAYTECH TL-250(サウンドハウス・オリジナル) |
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■ 購入検討品の考察:SQUIER Avril Lavigne Telecaster(Fender Japan/ Squier) |
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■ 購入検討品の考察:FENDER Custom Telecaster FMT HH Crimson Red(Fender USA) |
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■ 購入検討品の考察:CoolZ ZTL-M2R(島村楽器オリジナル) |
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■ 購入検討品の考察:FgN NCTL-10M Off White Blonde(フジゲン) |
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■ 購入検討品の考察:FENDER 60th Anniversary Telecaster Blonde(Fender USA) |
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- 139,800円
- 予算的に全く無理であることは置いといて【苦笑】Fender社の考え方が良く分かるモデル
- Telecaster生誕60周年記念モデルだからと言って変に昔っぽくするのではなく、6点止め&6-Wayの「壁」の無いブリッジ、ロトマティック・タイプのマシンヘッド、高さ調整可能なネック・ピックアップなど、ちゃんとモダナイズしている点が偉い
- そういう意味では国産コピーモデルはまるで分かっていないとしか言いようがない
Copyright (C) Sound House Inc. 2011 All rights reserved.
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■ 購入検討品の考察:FENDER American Deluxe Telecaster Aged Cherry Sunburst(Fender USA) |
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■ 購入検討品の考察:FENDER Custom Telecaster |
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- 278,000円(キルテッド・メイプルの方だと568,000円【爆】)
- 貧乏な筆者には全く縁のない価格帯のギターだが特別出来の良いTelecasterであることは間違いない
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要するに、これらのモデルは、どれもこれも文字通り「帯に短したすきに長し」または「高くて買えない」のだ。
とにかく。何やかんやで約半年近くもネットでテレキャスターを研究した結果、筆者が理想と考えるテレキャスターは下記の仕様に集約されることとなった。
- 安くて軽ければ木材は何でも良い(こういう大事なことが筆者はまるで気にならない平和な性格気質なのである)
- マシンヘッドはロトマティック・タイプ(筆者はクルーソン製が大嫌いなのだ)
- ローズウッド指板(メープル指板は弾きこなせない)
- 22フレット仕様(インギーのような無理繰りチョーキングなんて出来ない)
- 黒いピックガード
- 6-Wayブリッジ(必須にあらず※後述)
- 350R程度の指板のラウンド(インチ表示で9.5Rとかは不可)
- 安物の中ではもっとも作りの良いもの
- ピックアップは何でも良い(あとでどうにでもなる)
- 但しネック側は表から調整可能なものがベター(そうじゃない場合はピックガードに2つ穴を開けるだけだから必須ではない)
これに以下の改造を加えると完璧になるわけである。
- エルボー・カット加工(肘と二の腕が当たる部分の加工)
- コンター・カット加工(胸骨が当たる部分の加工)
- ヒール・カット加工(ハイポジションの弾き易さの改善)
- スラント・タイプの3-wayまたは6-Wayブリッジへの交換(オクターブ調整がちゃんと出来なきゃギターじゃない)
- オリジナル塗装(この時点では何色にするかは全く未定であった【爆】)
- ピックアップと配線周りは買ってから考える(どうにでもなる)
そして改造のベースとなるテレキャスター・タイプの安物君として特に重要なポイントは下記に集約される。
- 後付けのパーツや新調する工具などがあるので本体価格がとにかく可能な限り安価であること(この際、中国製であることには目をつぶる【爆】)
- 22フレット仕様であること
- ローズウッド指板であること
- 指板のRがなるべくフラットであること
- 安物とは言え、その中ではなるべく作りの良いもの
- なるべく軽いこと
何故ならば、価格以外の要素は楽器作りの素人である筆者として後加工できないことばかりだからである。
そしてそして安物の評価を「2ちゃんねる」に至るまで調べ尽くした結果【笑】、これらの条件のすべてをほぼ満たすのは(冒頭の写真の)Bacchus BTE-250Rであると言う結論に至ったのであーる。
色は何でも良い。どうせ塗り替えるのだ。なのでバッカス堂にメールして、複数回のやりとりで入荷した在庫の重量を量ってもらい、一番軽いBacchus BTE-250R SW(スノー・ホワイト)をネット注文した。
http://bacchusdo.com/product/bte250sw.htm
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Peavey HP EXP君に引き続き試奏もせずにインターネット通販で購入。宅配便で到着の図
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価格は消費税・送料込み、ソフトケースと工具(ネック用とブリッジ・サドル用のそれぞれのアレンキーが2本)と保証書、そして、おまけのステッカー付きでマジで14,000円ポッキリ。笑うしかない。価格破壊万歳としか言いようがない。
(^^)v
早速開封してチェック。呆れるほどに外観上のクォリティは高い。どう考えても14,000円には見えないのである。 |
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割と誇らしげなBacchusのブランド・デカールだが、その下のシリーズ名はデザイン的に不要だろう。なお、微妙に本物のテレキャスターとはヘッド形状が異なるのが分かる
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筆者好みのロトマティック・タイプのマシンヘッド。勿論、ノーブランド品だが精度も動作も全く問題なし♪
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全体の作りや仕上げはとにかく大変に宜しい。どう考えても14,000円には見えない【きっぱり】
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ハイポジションでの演奏を拒否するかのような【笑】ネック・ジョイント部【爆】
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ネック・ポケットの仕上げがイマイチのように見える部分を発見 (^^;;
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外観はOKなので、そのまま、dpGuitarSystem3に繋ぎ、ZOOM 707II GUITARとヘッドフォンで音を確かめながら弾き心地をチェック。
サウンドは全くテレキャスターそのもの。指板のRはネットでの評判通り割りとフラット気味でハイポジションの音詰まりはない。届いた状態の弦高は当然、今まで弾いていたPeavey HP EXP君よりも高いが特に弾きにくいと言うこともない。
別の言い方をすると、いきなり持ってみて、そして弾いてみての違和感が無い。これ重要。
ネックは最初からサテン仕上げだし、フレットの端の処理もかなり丁寧で引っかかる感じは全然ない。
要するに「素性」が良いのだ。
うーむ「made in China」恐るべし【爆】。 |
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最初はしばらくそのまま使う予定だったので、いつもの通りにエンドピンをダブルに変更
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なので、いきなり大改造&全塗装に走るのではなく、ちょっとは使ってみようという気になったので、筆者的に必要最低限の改造を施した。
- エンドピン(ストラップ・ピン)をダブル化
- トーン・ポッドを外し、コントロール・プレートをリバースさせる
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キャビティ内のザグリはあんまり綺麗ではないし、当然のように導電塗装などは皆無。レバースイッチは見るからに安っぽい。ポッドも妙に小さくて良く無さそうだが交換すればいいだけのこと
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リバースさせて取りあえずの使用に堪える状態にしたところ。ボリュームのノブはIbanez SR-380を改造した時に不要になって外したものだが、ピッタシ合う♪ 穴は取りあえず裏から3Mの黒いプラスティック・テープで覆った
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これで格段に弾きやすくなったわけだ。
ほいでもって。
何の偶然か、Bacchus BTE-250R SWが届いた翌日、たまたま後輩に練習スタジオでギターを教えることになったので、そのまま小改造を施したBTE-250R君を担いでいった。
Marshallに繋ぎ、クリーン、クランチ、オーバードライブのチャネルを切り替えて試奏しながらのギター教室。
細かいことを言えばきりがないが、なかなかに、あるいはそれなりの音がするし、そこそこ弾きやすい。
後輩君は国内の高級ハンドメイド・ギター工房製のストラトのレリック仕様を持って来ていたが、彼曰く1/20の価格のテレキャスター・コピー・モデルに音で負けているとのこと。そんなことはないだろうが、大差ないのは事実であった【笑】。
とにかく、14,000円のギターとしては買って大正解と言うことである。 |
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