2004.11.20[土]更新
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■ dpGuitar System - 1st version - その5
またまたまた新兵器導入♪
やっと落ち着いた……かも知れない(^^ゞ
「安物買いの銭失い」という言葉があるが、1万円弱で(久々に)それをやっちまった【爆】。前頁のZOOM GFX-1である。これ、音は決して悪くない。しかし調整出来るパラメータが少なすぎる。デジタル・マルチになれていない人間には楽かも知れないが、凝り性には(色々なことが出来ないので)向かないのだ。
と言うわけで
ZOOM GFX-5
である。確か、去年(2003年)の今頃、発売された「ZOOMにしてはやや高級指向の機種」である。と言っても実売価格は15,000円ぐらい。なんでその時買わなかったかと言えば、去年の時点ではエフェクターボードにゴチャゴチャ並べる方に嵌っていたからである【爆】。
では何で今頃になって購入したかと言えば……
バンドの女性ボーカリストのワイアレスヘッドセット(マドンナで一般に知られるようになったあれ)の調査に楽器店に行ったのが失敗だった
何が失敗かと言えば、P.A.機材の売り場の用事が済めば、ついついギター&エフェクターの売り場を覗くからである
そこで見かけたZOOM GFX-5は、今まで漠然と実売=2万円以上だと思い込んでいたのに、もっと安かったのである
しかも現物を見たら「タップ・スイッチ」が付いている。これ、ディレイに凝るには重要
かくて購入決定【爆】
……てな話なのであるのであるのである。まぁいい。とにかく買っちゃったのだ。
金属筐体。フル装備。2.8kg。つまみ沢山♪
詳しくはこちら⇒
http://www.zoom.co.jp/
(c) ZOOM CORPORATION
明大前のガートランドスタジオでいきなり練習に使ってみた。なな何とプリセットでもほぼそのまま使えるほどサウンド・クォリティが高いことを確認。内蔵ディレイも秀逸で外付けのBOSS DD-6は不要であるとの結論に達した。と言うことはライン・セレクターも不要。つまり、この写真の状態だったのは、せいぜい12時間ぐらい【笑】
かくしてエフェクターボードの中身を組み替え、いきなりバンドの練習に持ち込む。但しヘッドフォン以外では音出しをしていないので、練習時間を手前に1時間延長して、他のみんなが来る前にざっと音出しをして練習に使える基本的なサウンドをユーザーバンクの先頭の三つのパッチに割り当ててすぐに使えるようにする。つまり下記を短時間で、でっち上げるわけだ。
クランチ系
オーバードライブ系(バッキング用)
オーバードライブ系(より深い歪み。リードもOK)
この三つがあれば大抵の曲はとりあえずカバー出来る。しかしセッティングの時間は1時間しかないから、とりあえずファクトリー・プリセットから音を探すと、なななんと取り敢えずは使えるものが揃ってしまった。これにはびっくり。普通、デジタル・マルチのプリセット・サウンドは帯に短し襷に長しで結局は使えないものなのだが、ZOOM GFX-5のプリセットは使えるものが幾つもあるのである。
勿論、最終的にはそのままでは不満が出るので修正したりイチから作ったりすることにはなるのだが、プリセットがここまで使えると言うことはサウンドの素性=基本クォリティが高いことを意味する。特にZOOM 707II GUITAR以降のZOOM製品に共通のアナログとデジタルのハイブリッド回路(VAMS)による歪み系はなかなかによろしい。
もう一つびっくりなのはディレイの音がよいこと。非常にクリアであり、パッチを切り換えた時の音切れなども一切無い。しかも簡単な操作でタップ入力も出来る。この点を突き詰めればユーザー・エリアは「40バンク×3パッチ=120通り」もあるから、曲別のセッティングもかなり細かく行なえることは間違いない。
しかも707などと違ってバンク切り替えは独立しているし、ひとつのバンクには三つずつのパッチが割り当てられるからステージでの操作性にも問題はない。前述のごとく、99%の曲は「クリーン系、オーバードライブ系、ソロ用」の三つがあれば事足りるからである。
例によって撮影の邪魔に来た
愛猫・来夢ちゃん
しかし、幾らZOOM GFX-5が素晴らしいと言っても、それだけでは完璧ではないのも事実。例によって前または後ろまたは両方にアナログ・ストンプボックス=ZOOM PD-01を噛ませると「音の腰」が一段としっかりする。なので、スタジオに持ち込む前に下図のようなセッティングをしておいたのだが、ZOOM GFX-5のディレイが秀逸なので外付けのBOSS DD-6は不要と言うことが判った。となれば同時にラインセレクター(CAJ MLS-2)も不要。ならばその分の空いたスペースにもう一台のPD-01を組み込めばよいわけだ。
当初のレイアウト。前述のごとく、ZOOM GFX-5の内蔵ディレイが秀逸なのでDD-6は無くても良いことになった
と言うことで組み替えたのが下図である。デジタルをアナログで挟むわけである。また、ZOOM GFX-5は最初から出力がL/Rで分かれているので、L(モノラルの場合のメイン出力を兼ねる)にPD-01を噛ませ、Rはそのまま、それぞれを別々のアンプに繋げばステレオ出力が出来るように配線した。但し、練習スタジオやライブでステレオにするかどうかは現場の機材に依存する。
スタジオ練習後決定した新レイアウト。ディレイ系が無くなってエフェクターボードのスペースが空いたので初段と終段にPD-01を噛ませてサウンドの押し出しを向上させることとする。常時ステレオ接続可能な配線にしてある
初段と終段のPD-01をどうセッティングすれば良いかはこれからの楽しい悩み。考え方は色々ある。
ゲイン=0、レベル=5(センター=ユニティ)としてバッファーアンプとして使う
ゲインとトーン(と場合によってレベル)を微調整してプリアンプとして使う(アンプの音質の微調整)
ゲイン=0とし、レベルだけ上げてソロ時のクリーン・ブーストとして使う
ゲインとレベル(と必要ならトーン)を調整してソロの時のブースター(オーバードライブ)として使う
全ては初段と終段の両方のPD-01に当てはまるので「4x3x2x1=24通りの組合せ」があるわけだ。これに無限と言って良いZOOM GFX-5のセッティング・バリエーションが加わるわけだ。ああ楽しい【爆】。
ちなみにPD-01を噛ませるのと噛ませないのとでは(ゲインが0であっても)音の押し出し、存在感、粒建ちなどが違う。自分一人で演奏しているだけなら大した差はないのだが、バンドと一緒に音出しをすると、ギターのサウンドの抜けがまるで違うのである。
美しいシンメトリカルレイアウト♪ ケーブル類はスティフナーで綺麗にまとめてある。このスティフナー(結束バンド)はダイソーで買ったのだが、前に「60本入り」と書いたのは間違いで100円で160本(!!)も入っているのだ♪ 左上を見るとステレオ配線であることが判る。左側だけ接続すればモノラルになる
ところで前から気になっていたことがあった。それはノイズ。ZOOM GFX-5は単体では非常にS/N比が高く、最大音量でヘッドフォンでチェックしても無音と言えるぐらいに静か。ところがエフェクターボードに組み込むとハム・ノイズ(ジーとかブーとか言う雑音)が乗るのである。
そこで色々と調べたら原因はアナログ系とデジタル系の混在にあった。
右下がエフェクターボードに組み込まれたACアダプターの端子。それと別にZOOM GFX-5だけはZOOM純正のACアダプターを使う
まず、筆者のエフェクターボード=BOSS BCB-60は複数のエフェクターに電源供給するアダプターが付属することが特徴であり特長。だから、非常に便利なのだが、一般にピュアオーディオの世界ではアナログ系とデジタル系の電源は分けるのが常識。何故ならデジタル機器固有のノイズが乗るからである。そして、それと全く同じ事がエフェクター同士でも起きていたのだ。確認は簡単。
まず、現時点の搭載エフェクター(PD-01=2台、ZOOM GFX-5、AirLineレシーバ)全てをBCB-60の電源ケーブルに繋ぐ
GFX-5とAirLineはONとし、それ以外、つまりPD-01=2台はOFFにする
この状態でなるべくノイズが判りやすいようにGFX-5のドライブ・モジュールをハイゲインのものとし、出力レベルを最大にする
これをヘッドフォンでモニターするとハムノイズがはっきりと聴こえる
ここでPD-01に繋がっている電源アダプター・コードを抜く
するとハムノイズは消える
そこで今度はGFX-5だけZOOM純正のACアダプターから電源供給し、他の機器は今まで通りにBCB-60のACアダプターから電源供給させる
こうするとハムノイズは全く無くなる
この場合、ノイズの有無はPD-01のON/OFFとは関係がない
試しにBCB-60のACアダプターケーブルと、エフェクターを接続している複数の標準ジャックを離しても駄目。直交させても駄目。それぞれにノイズ除去用のリングマグネットを噛ませても駄目。
と言うことはACアダプターそのものを別々にするしかないのである。いささか面倒ではあるがノイズ除去は基本中の基本。まして筆者は元ピュアオーディオマニア。実家に置きっぱなしの我が
超弩級オーディオシステム
は管球式アンプに特長があるが、唯一のデジタル機器であるCDプレーヤーだけは元の電源から分けてあるのだ。
とにかく、これでノイズの問題は解決である。
てなわけで、これから暫くはバンドの練習とは別に家の近所のスタジオ通いをしなければいけない。早速、明日=日曜日の予約は済ませた(^^;;
追記:
以上のセッティングか完成してから最初のバンドの練習。音出し前のポイントを箇条書きにすると……
基本のサウンドはZOOM GFX-5のドライブモジュールからPD-01を選択。前後に本物のPD-01が入ってるから、全部で3台のPD-01が直列になった状態【笑】
とりあえず「CRUNCH」「DRIVE」「LEAD」をプリセットしておく
ゲインはクランチが24〜28、ドライブは30(フル・ゲイン)、ソロ用も同じ。歪みを深くした場合はドライブ・モジュール内のトーンを下げるのがコツ
ディレイは全て「PP-DRY(デジタルのピンポン・ディレイ=ステレオ・ディレイ)」で、タイムはタップに依存
接続は完全にステレオ。一方はいつものJC-120、もう一方はFender(型番不詳)
これとは別にコーラスもセッティング。そちらのバンクは「CHORUS」「DRIVE」「LEAD」
結果は超の付く大正解。結果をこれまた箇条書きでまとめておく。
2台のギターアンプはスタジオの長辺方向の両端にセットして思いっ切り音が拡がる設定
ステレオ接続は大正解
完全なステレオ・ディレイにするとヘッドフォンで聞いている時と同じく、ギターの音はセンター、ディレイのフィードバック音は左右のギターアンプから交互に聴こえる状態になるのでテンポ(ディレイ・タイミング)が完全に合っていない場合でもリバーブに近い感じで邪魔にならないことが判明
本物のステレオコーラスの音の拡がりは最高に快感♪
コーラスじゃなくても、一種のダブリングのようになるのでギターサウンドの厚みがまるで違う
ちなみに練習の途中でFenderの方がおかしくなったのでボリュームを絞ったら途端に音がしょぼくなったのには我ながらびっくり。今まではそのしょぼいサウンドで弾いていたんだから
なので、次回はダブリングを試してみる予定
※
とにかく、バンドメンバーも絶賛の嵐。このセッティングはいつもライブを演る渋谷の某ライブハウスでも問題なく再現可能なので非常に実用的である。
※ダブリング:
ギターの出力を何らかのエフェクトで二重奏に(聴こえるように)すること。一般的には下記の三通りの方法がある。
デジタル・ディレイのタイムを40ms前後にセッティングして、ステレオ出力する(これが正しいダブリング。人間の耳で明確な時間差としては判別出来ないが、位相差は感じるという微妙なディレイ・タイミングで別々のギターアンプから音が出るので二本のギターに聴こえるわけだ。こういう場合はギターアンプが違う方が音色が変わってダブリング効果には有用)
(ステレオ)コーラス・エフェクトを使う(コーラスの場合は音の揺れが加わるのでダブリングとはちょっと違い、厚みよりは拡がり感が強調される)
(ステレオ)ピッチシフトを使う(普通、ピッチシフトは3度とか5度とかオクターブとかでハモらせたり12弦ギターのような音を出すために使うが、デチューンを選ぶとほんの僅かにチューニングがずれた状態になるので、やはり二本のギターを弾いているように聴こえるのだが、こちらもコーラスと同じく厚みよりも空間的な拡がりを強調する感じになる)
つまり、本当のダブリングをやるなら1しかない。滅茶滅茶凝るなら上の三つを全部、スタジオ・クラスのラック・エフェクターで掛ければ完璧。ロックのCDをヘッドフォンで聴いて、まったく同じリフやカッティングが左右に入っていればそれ。昔は同じリフを二回録音したものであるが。
で、筆者の場合だが、ZOOM GFX-5はステレオのダブリング・ディレイを掛けちゃうと、普通のディレイが掛けられなくなってしまう。モジュレーション・モジュールにもディレイはあるが、こっちのディレイはモノラルだけだからである。ピッチシフトもモノラルしかない。となると、普通のディレイも掛けるのであればZOOM GFX-5で可能な方法はひとつしかない。
ステレオ・コーラスで「デプス=最大。レイト=最小(揺れが極小になる)。ミックス=最大」とし、タップと同期したピンポン・ディレイを掛ける
しかし、これだと、どうしてもダブリングと言うよりはコーラスっぽい。となれば、ダブリング専用のデジタル・ディレイを噛ませるのがベスト。手持ちのBOSS DD-6はステレオ入力/ステレオ出力の完全ステレオ使用だから、ZOOM GFX-5のステレオ・アウトと直結すればよいのだ。そのついでに終段のPD-01は取り敢えず外すこととする(無くても大きな差が出ないこと並びに収納スペースの都合)。と言うことは、またまた(←正確には数え切れない)エフェクター・ボードの組み替えである【爆】。
ZOOM GFX-5購入後、3度目のスタジオでの音出し後に決定した改良レイアウト。ZOOM PD-01はバッファー・プリアンプとしてのみ使用。完全ステレオ配線。BOSS DD-6はダブリング・ディレイ専用。タップド・ディレイはZOOM GFX-5で行なう。重奏感と空間的拡がり、エッジィでバンド・サウンドに埋もれない音色、そして必要な時の無限のサステインがサウンド・コンセプト。ところが、この配線は大間違いであることが音出しをしてから判明(本文参照)
上の配線の何が大間違いだったかというと、ZOOM GFX-5とBOSS DD-6を2本のシールドでステレオ接続したこと。これではダブリングにならないのだ。DD-6は二つずつある入力端子と出力端子それぞれの組合せでモードが変わるというややこしいディレイなので、ちゃんとマニュアルを見なくてはいけません。反省。
実際に音出しした感じで言うと、ディメンジョンのような雰囲気。確かに音は拡がるが、強いて言えば全ての音がパット・メセニーになっちゃうと言えば判るだろうか? 要するにGFX-5とDD-6の両方のステレオ・ピンポン・ディレイが直列で動作するからディレイと言うよりはデジタル・リバーブを掛けすぎたような感じになっちゃうのだ。
そこでDD-6の(はっきり言って判りにくい)マニュアルをよくよく見ると「ダブリング=エフェクト+ダイレクト」であり、その場合は「INPUT-B」から入力しろと書いてある。すると「OUTPUT A=エフェクト音」「OUTPUT B=ダイレクト音」となるのだ。これを別の言い方で表わすと「『INPUT A』には接続するな」という意味なのである。と言うわけで変更したのが下図。
BOSS DD-6を正しいダブリング配線に直したバージョン。これで多分、思った通りの結果になるはず。これを書いている時点ではまだ音出しをしていない
上の配線なら多分、思った結果になるはず。何故ならば……
GFX-5のRチャネル → ギターアンプ
出力の中身は「加工後のギターサウンドとピンポン・ディレイのRチャネル側出力」
GFX-5のLチャネル → DD-6※ → ギターアンプ
(※DD-6=「INPUT B→OUTPUT A」=エフェクト音のみ)
出力の中身は「加工後のギターサウンドとピンポン・ディレイのLチャネル側出力」が「40msぐらい遅れた音」
……となるからである。後は次回のスタジオ練習で確認するのみ。