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2004.12.29[水]更新
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Gibson SG Special - DoromPATIO
■ dpGuitar System - 1st version - その6
セッティング編
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
この状態を基本にパラメータを煮詰めることこそ肝要

機材的な試行錯誤。組合せの試行錯誤。配列と配線の試行錯誤。ワイアレス・システムの導入。ステレオ化。……こう言うシーケンスの繰返しで既に(ここ最近でも)5年ぐらいを費やしているアホな筆者だが、前頁のセッティングがここ30数年では最高の状態であるのは間違いないので、これをベースにパラメータ(=各エフェクターの無限の組合せ)を詰めていくという一番大事な作業が残っているわけだ。

この場合、新しいエフェクター=ZOOM GFX-5のパッチはバンクごとに3つだから、その3つを単位に考えていけばよい。今の段階でのセッティングは入り口から図示すると以下のようになる。
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
samson airLine
今やワイアレスは筆者の必須アイテムである
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
ZOOM PD-01
gain=0, high=4, low=6, level=4, always ON
オーバードライブとしては使わず完全なユニティ・ゲイン※にセット
緊急用のマスターボリューム※としても使えるのは便利(本文参照)
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
ZOOM GFX-5
システムの中核
bank
patch 1
patch 2
patch 3
U0
name
CRNCH
PD*OVD
PDLEAD
setting
PD-01, delay=t3
PD-01, delay=t1
driveGain=28
driveGain=30
misc.
オーバードライブ系の基本セッティング。現在のレパートリーの80%はこれでOK。要するに筆者はハードロック系人間なのである
U1
name
PD*CHO
HD*CHO
PDLEAD
setting
PD-01, chorus, delay=t3
PD-01, delay=t1
driveGain=28
driveGain=30
misc.
オーバードライブ系のコーラス・サウンド。ダブリングとの相乗効果で2台のアンプの真ん中で弾いている本人は異常に気持ち良くなると言う超自己満足的なセッティング。DEENの曲なんかにも最適
U2
name
VCRNCH
5150
PVLEAD
setting
pv drv, delay=t3
pv drv, delay=t1
driveGain=10
driveGain=20
driveGain=30
misc.
バン・ヘイレンと言うかWANDSと言うかな今風5150系オーバードライブ・サウンド。これはこれで実に気持ちが良いのは言うまでもない
U3
name
JC*CLN
JC*CHO
JC*CMP
setting
jazz c, delay=t3
jazz c, comp. delay=t1
misc.
名前通りGFX-5内蔵のJC-120のシミュレーション・サウンド。繋ぐアンプもJCなのは変な話だが、これも時代か【笑】。筆者的にはフュージョン系の一部ぐらいにしか使えないのだが、関わっている他のバンドならオールディーズ系向きなので色々と有用
▲以上が基本のセッティング。うるさいことを言わなければ筆者が演奏する全ての曲を一通りカバー出来る。しかし特定の曲によっては更にややこしいセッティングが必要な場合もある。1曲の中で3つのパッチでは足りない曲もないわけではない。そう言う特殊用途のためには以下のパッチを利用すればよい。但し、凝り出すと切りがないので、まずは上の4つのセッティングのサウンドを完璧にするのが先なのは言うまでもない。*は実際には工場プリセットのまま。名前を付けてあるものは(現段階では)あくまで「案」である。ロック好きなら名前からどう言うサウンドかは想像が付くはず▽
U4
ZEP*AC
ZEP*12
ZEPCHO
U5
ZCRNCH
LZDRIVE
LZLEAD
U6
MCRNCH
MSDRIVE
MSLEAD
U7
U8
U9
u0
u1
u2
u3
u4
u5
u6
u7
name
SR380D
SR380B
SR380C
setting
コンプレッション低め
コンプレッション高め
CHORUS系
misc.
for Playing Bass on Bass Amp
ZOOM 708II BASSはバンドのベーシストに貸し出し中なので、家でベースを弾く時のためのセッティング。と言うのも、ZOOM GFX-5はクォリティが高い=レンジが広いのでギターだけでなくベースにも使える筈なので試してみる価値はあるだろうと言うわけ。筆者は同期会のライブではギターの数倍の曲数をベースで弾かなければならないのだ。なお名前の後のアルファベットはそれぞれ「Deep」「Boost」「Chorus」の頭文字である
以上がギター(ベース)アンプに繋いで鳴らすためのセッティング。以下は自宅でヘッドフォンとPowerBook G4 15"とiTunesでギターやベースを練習するためのサウンド▽
u8
name
*CRNCH
*DRIVE
*LEAD
setting
名前通りなので詳細は省略。上のU0をベースに下記の理由から猛烈なハイ上がりにしてある。さらにキャビネット・シミュレータ(STK EV)をONにしてあるが、理由はその方が音が派手になるからよりヘッドフォン向きであるため
misc.
for Playing Guitar on PBG4
ギターアンプに最適化したセッティング・パラメータをそのままヘッドフォンで聴くと音のメリハリが無くなってしまう。その状態でiTunesと合奏するとギターの音が楽曲に埋もれてしまうので練習にならないので、それを補正するために高域を大巾に持ち上げたセッティング。さらにディレイは全てダブリングに設定。何故ならヘッドフォンで聴く時はDD-6を通過しないからである
u9
name
*SR38D
*SR38B
*SR38C
setting
コンプレッション低め
コンプレッション高め
CHORUS系
キャビネット・シミュレータ(STK EV)=ON
misc.
for Playing Bass on PBG4
ギターとベースではまるっきりサウンド特性と音域が違うのでヘッドフォンで聴いてそれらしく聴こえるようにイチから作り込んだプリセット。上のu7はこれが基本になっている。名前の前にアスタリスクを付けてあるのはアンプ用とヘッドフォン用の識別のため
Output Left
Output Right

inputB
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
BOSS DD-6
effectLevel=10, feedback=0
delayTime=5(≒40ms), mode=80ms
doublingDelay

through

output A
Lo-Gain Input

ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
Roland JC-120
どこに出掛けても必ずあるから良い

ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
another Guitar Amp
現場次第で何になるかは判らない
gain=2〜3
treble=4〜6, middle=7, bass=2〜4
reverve=2
set to Clean Tone

ZOOM GFX-5には「U0〜U9」と「u0〜u9」の合計20バンク60通りのパッチをメモリー出来る(それ以外に工場プリセットが同じ数だけある)。今の段階では上の表の通り、そのうちの「U0〜U3」の4バンクをギター用、「u7」がベース用、そして「u8、u9」が自宅での練習用となっている。つまり空きはまだ13バンクもあるわけだが全部を埋めるほどのセッティング・バリエーションはまぁ多分、不要だろう。

以下、セッティングのポイントや雑学、余談を箇条書きにしておく。
  • ステレオ接続の効果を高めるためにスタジオでもライブでも、2台のギターアンプはなるべく距離を離す
  • 接続完了後、GFX-5をバイパスモードにしてから、それぞれのギターアンプを癖のないクリーントーンに設定し、内蔵リバーブがある場合は若干効かせるようにする。こういう場合、ワイアレスなのでどんなにギターアンプが離れていてもアンプのところまで行くのに何の問題もないのが超・便利♪
  • PD-01はバッファー・プリアンプとして使うのでONにしても音質も音量もなるべく変わらない設定を探した結果が上の表中の「GAIN=0, HIGH=4, LOW=6, LEVEL=4」である。
  • 演奏中などにギターの音量が大きすぎると感じた場合はPD-01のレベルを絞ればマスターボリュームとなるのが便利。さもないと2台のアンプそれぞれを調整しなければいけない。勿論、あくまで咄嗟の処置の範囲の話
  • 筆者のメインのギター=GM8R(GLD) Chinchilla=は、感覚的な表現では「じゃきぃ〜ん」と言う音である。Les Paulの「ずこ〜ん」よりも遙かにハイ上がりだが、ストラト系の「しゃき〜ん」より芯がある感じ(ったって言葉じゃ判らんけども)。なのでこの時点のバンド(ハードロック寄りのポップバンドと言えば当たらずとも遠からじ)には合っている(キーボードを含む大音量に埋もれない)が、関わっている他のバンドではギターの音が立ちすぎる場合がある。こう言う時はPD-01のHIGH(TREBLE)とLEVELを少し絞れば簡単に調節出来る。別の言い方をすると、バンドごとに合わせたパッチを作らないでも済むと言うことである
  • DD-6の出力は100%エフェクト音なので、どうしてもデジタル臭い音になる。具体的に言えば「少し軽く少しハイ上がりで少し音の芯が薄れた」感じ。なので、そちら側のギターアンプはそれを補正するようなセッティングにするのも肝要。但し2台のアンプが違う機種の場合は余りに気にしても無意味だという考え方もある。逆に言えば、アンプの種類が違えば音色が違うのだから、それだけダブリング効果が高まり、結果オーライだと考えればいいだけの話である(但し、エリック・ジョンソンのように異常なまでに音色に神経質な人の場合は別ちなみにエリック・ジョンソンはストンプボックスの電池の銘柄にまでこだわるのだそうな【爆】)

それにしても筆者の新しいシステム最大のポイントはやはりステレオ接続という点にある。このステレオ接続には少なくとも三つのメリットがある。
  1. 重奏効果により下手なギターもうまく聴こえる【苦笑】
  2. 我がバンド・メンバー全一致の当然の感想=単純素朴に音が良い♪ 特にコーラス・エフェクトを効かせるとヘッドフォンで聴いている時を遙かに凌駕する空間的な拡がりが素晴らしい
  3. スタジオ全体に音が行き渡るので結果的にボリュームを少し下げ気味にしても音の通りが良くなる(うるさくないのにちゃんと聴こえるという理想的な状態を意味する)
しかも、ワイアレスとエフェクター・ボードにより配線そのものは簡単至極で時間も手間も掛からない点が実用的なのだ。

さて。ここから先はとにかく試行錯誤であるが、ギターマガジン誌やプレイヤー誌、あるいはインターネットでギタリストやエフェクター関連のHomePageをチェックすれば判る通りに、世界中の殆どのエレキ・ギタリストは(超一流のプロも含めて)年がら年中、エフェクターの組合せを取っ替え引っ替えして試行錯誤に邁進しているという笑えない事実である【爆】。その理由はギター・サウンドには余りにも多くのパラメータ=エフェクターのパラメータだけではない全ての変数=があるので「これだ=これで決まり=これでお仕舞い」と言うことが決して無いからである。パラメータ=変数は次項に思い付くままに列挙しておいたが、永遠の試行錯誤はギタリストの宿命である【苦笑】。

【参考】ギター・サウンドのパラメータ(思い付くままに)【爆】
  • 人間(ギタリスト)の好み
  • ギターの違い
    • Les Paul系
    • ストラト系
    • その他
    • エレアコ
    • オールド or ニュー
    • 本物 or コピー
    • 弾き込んでいる or 新品に近い
  • ピックアップの違い
    • ハムバッカー系
    • シングルコイル系
    • アクティブ or パッシブ
    • ピエゾ他
  • 弾き方の違い
    • 腕前の違い
    • ピックの違い
    • ピックアップの選び方
    • ボリュームやトーンのセッティングの違い
  • ギターアンプの違い
    • コンボ or スタック
    • 真空管 or トランジスタ
    • デジタル or アナログ
    • それぞれのつまみのセッティング
  • エフェクターの違い
    • デジタル or アナログ
    • トランジスタ or 真空管
    • ラック型 or フロアマルチ or ストンプボックス
    • 接続順の違い
    • 組合せの違い
    • それぞれのつまみのセッティング
  • 機材・その他
    • ケーブルの違い
    • ワイアード or ワイアレス
    • 弦の違い
  • 環境の違い
    • 場所(スタジオ、ライブハウス等)の違い
  • 音楽ジャンルの違い(による求めるサウンドの違い)
  • 時代の違い(同上)
  • 流行の違い(同上)
  • バンドの違い(同上)
  • 人間(ギタリスト)の好みの変化(つまりは同じ音色に飽きること)

追記:2004年最後の総括【爆】。結局、フロア・タイプのデジタル・マルチ・エフェクターは宜しくない。理由は色々あるのだが、ざっとまとめちゃうとこう言う事。
  • どこまで行ってもシミュレーションはシミュレーション
  • どこまで行ってもデジタルはデジタル
  • 複数のエフェクトを同時に掛けるとレイテンシーの問題=演算時間の遅延=が酷くなるのが明らかに判る
  • ギターのボリュームをかなり絞り込んだ場合にデジタル特有の、通常では(あるいは本来なら)有り得ない音になる(言葉では表現出来ない)ので気持ちが悪い
  • 同じく、そのような小音量時の量子化ノイズが気になる
  • 個々のエフェクトの性能が中途半端
  • デジタル・マルチだけでは完結しない(んじゃ、本来は無意味)
そして、もうひとつ。決定的な理由。
  • 世界中の有名ギタリストの足元にデジタル・マルチが置いてある事は皆無(LINE6の個別マルチぐらいなもの。それ以外のデジタル系は全てラックタイプ。しかも、それらは全て例外なく空間系が主体)
  • 彼等は「歪み」をアンプまたはストンプ・ボックスで作る
てぇことは、アナログのストンプ・ボックスを色々と選別して並べるしかないのだ。
てぇことは、この「dpGuitarSystem」の考察と実践・実験は虚しくもこれにて終了なのだ。
そして、新たに「dpGuitarSystem2」へと続くのである【爆】。
これ、2005年以降の筆者の楽しみ♪
なお、ワイアレスもギターには結局、使えない。余程の高級品なら別だろうがSAMSON程度の性能だと高域がチリチリになって駄目。但し、それが関係ないベースの場合は問題なく使えるので幸いにして無駄にはならないのだが。
なおなお、上記の関係で、ZOOM GFX-1とZOOM GFX-5はすっぱりあっさりきっぱりと既に石橋楽器で下取りに出してしまった【爆】。
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