◎ ATOK14(ATOK15でも同じ筈):
Mac OS 9.n版のATOK14のユーザー辞書をメインとする。Mac OS X版のATOK14の「環境設定」の「辞書・学習タブ」からMac OS 9.nの「システムフォルダー」の「初期設定フォルダー」の中のユーザー辞書を指定する。これで完全に共用できる。Mac OS Xで単語登録しても、ちゃんとMac OS 9.nでそのまま結果が反映されるし、逆もOKである。
なおMac OS 9.n版のATOKのキー操作をカスタマイズしている場合は、その設定ファイルそのもの、あるいはエイリアスをMac OS XのATOK14の「preference(ディレクトリ)」に入れて指定すれば従来通りの自分好みの設定通りの変換キー操作が可能になる。
◎ MS Internet Explorer:
Mac OS 9.n版のMS Internet Explorerの「Favorites.html」(システムフォルダーの中の「初期設定フォルダー」の中の「Explorerフォルダー」の中にある)のエイリアスを作り、Mac OS X版のMS Internet Explorerのpreferenceに入れてやればよい。当然、それまでのものとは置き換えになる。
この結果、Mac OS 9.n上で動作する英語版のMS Internet Explorer 5.1.4とMac OS X上の日本語版MS Internet Explorer 5.2.1の「お気に入り」を完全に共用できる。どちらの「お気に入り」を更新しても同じファイルを操作しているのだから問題はない。
△ Entourage vs Entourage X:
Mac OS 9.n版のMicrosoft Entourage(MicrosoftOfficeに付属するOutlook Expressとスケジューラーが一緒になったソフト)とMac OS X版のMicrosoftOffice for Xに含まれるEntourage XはE-Mailやスケジュールのデータ保存形式が異なる。
よって、全面的にEntourage Xに乗り換えるなら、Entourage XからEntourage(Mac OS 9.n版)をインポートすれば全てのデータ(メール、スケジュール他すべて)や設定(ルール、署名・他)を完璧に移行することが出来るから問題はないのだが、それぞれを別々に使うとデータの同期が取れなくなる。
だから、Mac OS X全面移行をしないのであれば、当分はEntourage Xは諦めて、従来通りのEntourage(Mac OS 9.n版)を使うしかない。従来通りのEntourageはMac OS Xのクラシック環境で全く問題なく動作するので実害はないが、Entourage XのMac OS Xならではの機能(洗練されたルックス・他)は楽しめない。
△ Adobe Photoshop 7:
典型的なカーボン・アプリケーションである。だからMac OS 9.n上でも、Mac OS X上でも、それぞれに動作する。Mac関係専門誌のテストなどでは現時点ではMac OS 9.n上での動作の方が速いらしいが大差はない。但し機能の差もない。つまりAdobe Photoshopだけで考えれば使い慣れたMac OS 9.n上で動かした方が使いやすい。また次ページに書いたように我が家のネットワーク・スキャナーは現時点ではMac OS X版のAdobe Photoshopでは動かないので、となるとやはりMac OS 9.n版を使うしかない。
◎ DragThing 4:
これまた典型的なカーボン・アプリ。動作は正に完璧。改善されたとは言え使いにくいことに代わりのないMac OS X標準装備の「Dock」とは月とスッポンの使いやすさである。DragThingをインストールしておくと、Mac OS 9.n単独では従来の通り動くし、Mac OS X上ではMac OS X用の設定で動作するように完全な使い分けが出来るのだ。全てのソフトがこうあって欲しいと言うぐらいに良くできているのである。しかもMac OS X上では、Mac OS Xが誇る「QUARTZ(専用グラフィックルーチン)」をフル活用して透明度やアイコンのサイズなどを自由自在に設定できる。
× Mac OS 9.2.2のFinder:
去年のMac OS Xの実験の時にも書いたのだが、Mac OS X以前のMac OS最大の発明であり、最も大事なソフトウエアである肝心要の「Finder」がMac OS Xのクラシック環境では動作しない。Mac OS X 10.1では裏技を使えば無理矢理動かすことは出来たのだが、Mac OS X 10.1.5ではそれも出来ない。この結果、Mac OS X上のクラシック環境では従来のソフトが殆どそのまま動くのだが、Mac OS 9.2.2のFinderがないからファイル操作はMac OS X流となってしまう。これがMac OS Xの操作性になじめない最大の原因である。
この点について言及すれば、Mac OS XはMac OS Xとして、Mac OS 9.nはMac OS 9.nとして、一種のデュアル・ブート状態で同時動作しており、随時切換えが(再起動無しに)可能で、I/Oとクリップボードだけが共通なら何の問題もない筈なのだ。
この辺の詳しいニュアンスは実際に長年Macを触っており、既にMac OS Xの便利さと不便さを体感していないと判らない話ではあるのだが。
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