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2003.10.15[水]
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Tips of Guitars - ピック - pick - DoromPATIO
■ ピックについて:その2
2005.01.03[月]追記2006.11.07[火]追記
Tips of Guitars - ピック - pick -DoromPATIO
唐突だが……ピックはなるべく固い方が良いぞと

君子豹変す。これ筆者の好きな言葉。要するに「ある日突然、今までの好みが全く変わること」を指す。ここ数年で一番「君子豹変」したのはPowerBook G4の購入(それまでノート型のMacintosh=PowerBookは大嫌いだった)だが、ギター用のピックに関しても、ある日、突然、豹変した。

従来は(エレキギターを弾き始めて30年以上ずっと)ナイロン製の1mm(ここ2年ぐらいは、それよりちょっと厚い1.3mm)のものを愛用していた。とにかく、これがベストであるという経験則から、これを使っていたわけである。
しかしある時(数ヶ月前)ふと楽器店に立ち寄った際に理由無く根拠無く意味無く何となく「ジムダンロップの2mm厚の半透明のプラスティック製のとっても固いピック」を5枚、買った。
なお1枚ではないのはピックは消耗品だし無くしやすいので必ず5枚以上買うという習慣からである。

元々、大したギターの才能を持ち合わせない筆者の場合、エフェクターのセッティングに凝ったり、弦を取り替えてみたりと才能の欠如をカバーするために色々なことを試すわけだが(そんなことより真面目に運指の練習でもすればいいのだが、それはさて置き)考えてみれば「ごりごりに固いピック」を真面目に使ってみたことがない。
だから試してみる価値はあるだろうと全く唐突に(あるいは無意識的に)思い付いたというわけ。なんたってピックは日本全国一律一枚たったの100円だから最も低コストで実験が出来るわけだし。

と言うわけで上の写真にあるジムダンロップである。自分では全部2mmのものを選んだ筈が1枚は3mmだったのだが、とにかく、このピックには以下の特徴がある。
  • 形状は筆者好みのティアドロップ(涙滴)型
  • しなり、曲がり、弾力性は皆無
  • 中央部が凹んでおり、ぴったり親指と人差し指が納まるのでホールド感最高
  • 凹んだ部分には、更にシボ形状とロゴなどの刻印があるので滑りにくく、両方合わせて演奏中に落っことす危険性は非常に低い
  • カラーはデザイン根拠不明の半透明の紫色
  • モデル名は「Jim Dunlop Big Stubby」と言う
    ※「Stubby」は英語で「短くて太い」と言う意味。
      語感的には多分「ころっ」と言う感じだろう

早速弾いてみる。何故か違和感は最初から全くない。つまり弾きやすい。
今まで30年間使っていたのは1mm〜1.3mmのナイロン製ティアドロップだから強く弾くとしなる(先端が曲がる)。しかしこの「Big Stubby」は全く「しなり」がない。それが妙に気持ちがよい。弾いた通りに音が出る感じなのである。逆に言えば、今までのナイロンピックは若干のタイムラグがある感じ。
ロック系で必須の5度刻み(例えば6弦の5フレットと5弦の7フレットを右手の腹でややミュートしながら基本リズムを弾く)をやる場合で言うと、「しなり」が無いからピッキングの強弱がそのまま反映される。つまり今までより強弱=ダイナミックレンジを広くできるのだ。
と言うのは従来のナイロン製の場合はある程度以上から先はどんなに強く弾いてもピックの先端がしなっちゃう(曲がっちゃう)わけだから、それ以上は強く弾けないと言う限界値があるのだが、「Big Stubby」の場合はピックが絶対に、しならない(曲がらない、たわまない)わけだから、幾らでも強く弾けるわけである。
その結果、サウンドにどう言う変化が起きるか?

話はころっと変わるが(意外と知らないギタリストが多いのだが)エレキギターのボリューム・コントロールは音量だけでなく音質を変える。一般的にボリューム全開状態が一番太い音であり、ボリュームを絞るに従って音が細く=つまり固くなる。
筆者のGibson Les Paulの場合、さらにトーン回路を外して、代わりに「0.001μFのハイパス・コンデンサー」を噛ませてある。別の所に詳しく書いてあるが、これはFenderテレキャスターのネック側ピックアップに最初から仕込まれている回路上の工夫で、ボリュームを絞ったときにしっかりと高域が残り、カントリーなどに最適のしゃっきりしたサウンドを出す仕掛けである。
Gibson系はハムバッカーだから元々高域の伸びは余りない。ボリュームを絞ったときに高域がちゃんと出ていないと、バッキングがやり辛い。
そこでテレキャスの回路をパクって、その欠点を補正してあるわけである。

この状態の我がギターでボリュームを7〜8ぐらいに絞った状態で、エフェクターのセッティングをオーバードライブ系にすると、非常にソリッドでメリハリ感のある5度刻みが出来るわけだが、分厚く、しならない「Big Stubby」で弾くと、メリハリのダイナミクス、つまりうんと軽い刻みから物凄くはっきりしたガキンという感じの刻みまでの変化幅を今までよりも、うんと広く出来るのである。
「Big Stubby」でも「先端のたわむナイロン製のピック」でも弱く弾くときの下限値は理論的にも機械的に同じ筈だが、上限値は圧倒的に「Big Stubby」が高いわけである。
つまりサウンドの幅の上限が確実に拡がるのである。
つまり自分のギターサウンドのダイナミックレンジが、よりワイドになるのである。

勿論、弱く柔らかくデリケートに弾くには薄くて柔らかいピックの方が取り敢えずは演奏し易いと言うことはある。
しかし、これは単純に馴れの問題である。つまりテクニックで充分にカバー出来るのだ。それについて簡単に説明すれば、ピックというものは常時、弦に対して平行に当てるものだとは決まっていない。固いピックであっても、弦に対してやや斜めにして軽く撫でるように弾けば(ある程度ギター演奏に習熟していれば)デリケートに演奏することは問題なく可能だし、逆にもっと角度をつけてこすりつけるように弾けば、ジェフ・ベックやロイ・ブキャナンのような粘りのある強めのピッキングをすることも出来るのだ。

なお、間違って買ってしまった3mmと2mmの差だが、これは指で持ったときの感覚の違いが大きいと言うことである。どちらもしなりは全くないのだが、筆者の感覚では3mmは持った感じが厚すぎる。つまりボテッとした感じなのだ。だから2mmがベストと言うことになる。
なので、別の日に「目を凝らしてちっちゃな2mmの表示を確認しながら」同じ「Big Stubby」を10枚ほど買い込んだ。ピックは消耗品だし紛失しやすいと言うことは最初に書いたが、更に財布の中、ギグバッグ=ギターケース(複数)の中、エフェクターなどを入れるトートバッグの中にそれぞれ数枚入れておかないといざというときに困るから10枚買っても多すぎると言うことは全くないからである。

ところでジムダンロップのWebサイトの解説によれば「Big Stubby」の材質は「レキザン( Lexan (R) is a registered trademark of General Electric Plastics. )」だそうである。これはまた懐かしい名前と、ちょっと感激。
何故ならば「レキザン」はその昔、筆者が様々な自動車レース情報に嵌っていた中学から高校の頃に大好きだったシャパラルと言うレーシングカーのサクション・ボディ(空気力学的な仕掛けでシャーシが路面に吸い付いてトラクションを向上させる仕掛け)の重要部材だったのだ。
シャパラルはアメリカの石油王であり天才エンジニアであり、そしてレーシングドライバーでもあるジム・ホールという(ジャズ・ギタリストと同姓同名だが全く無関係の)才人が生み出したレーシングカーの名前。驚くべき事にロータスのコーリン・チャップマンより先にサクション・ボディを発明したジム・ホールはボディのサイドカバーと路面が触れる部分(サイド・スカート)に、このレキザンを使ったのである(こうしてボディサイドを密封状態にしてボディ後部から空気を抜いてボディ下面に負圧を発生させて)レーシングカー全体を大気圧で路面に押し付けてコーナリング速度を飛躍的に高めるわけけだ。要するにホバークラフトの正反対の仕掛けである。

つまり「レキザン」はプラスティック製品の中で非常に摩耗に強いと言う特性を持つのである(シャパラルが走行中、レキザンはずっとサーキットの路面で削られるのだから簡単に摩耗するようなものじゃ困るのだ)。だからジムダンロップのWebサイトにも「レキザンは強度と耐久性に非常に優れる」と強調してある。
そして売り文句は「these picks provide an extremely positive attack for super-fast licks.(c)JIm Dunlop」である。

以上の売り文句に嘘はない。既に数ヶ月使っているが最初の一枚が(最近は結構真面目にギターを弾いているのに)未だに大して減らないのである。と言うわけで、この「豹変」は大正解である。

※蛇足:ピックの話とは全く関係ないが「シャパラルが走行中、レキザンはずっとサーキットの路面で削られるのだから簡単に摩耗するようなものじゃ困るのだ」の補足。レキザンによるサクション・ボディはレキザンが丈夫過ぎてサーキット路面を傷付けるという問題を引き起こした。この結果、後年のロータスのF1におけるサクション・ボディのサイドスカートは路面より遙かに柔らかい材質(バルサ材の一種)であり、しかもサイド・ポンツーンとの結合は可動式になっていたのだった。

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2005年1月3日[月] 追記:最近使っているのはIbanezのピック。品番的には「PA16XS-BK Extra Heavy(1.2mm)」と言うもの。グリップ部分に滑り止めの紙ヤスリ状のものが貼り付けてあるタイプ。全く同じものでフェルナンデス・ブランドのものもある。Big Stubbyはやっぱり幾らなんでもボテッと厚みがありすぎるのでこっちに乗り換えたという事。「紙ヤスリ」の効果は絶大で確かに滑らない。Ibanezの同じシリーズで滑り止めのボチボチが着いているものはもっと滑らないのだが、このボチボチはすぐに剥がれてしまうので駄目。
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Ibanez
http://www.ibanez.co.jp/

2006年11月7日[火] 追記:たまたま見付けた優れものの紹介。Jim Dunlop Gator。素材はTORTEX(R)(Jim Dunlopのパテント)。この素材の売りは「べっ甲と同じ感触、強度、耐摩耗度」ってこと。べっ甲のピックを使ったことがないので比較は出来ないが、独特の表面処理で滑りにくいし、1.5mmだと全くたわまないほど固いのが宜しい。耐摩耗度は確かに非常に高く、少々弾いたぐらいでは全然まったく少しも減らない。あんまり気に入ったので今までのピック(種類としては5種類ぐらい)をストック用のケースに仕舞って、これからはこれを常用することに決めた。
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なお「TORTEX(R)」と言う名称はどうやら「tortoise(陸亀)」から取ったもののようである。だからJim DunlopのTORTEXと名付けられたピックには亀のイラストが印刷されている。しかしロックイン吉祥寺店にあった「TORTEX(R) (多分、STANDARD)」は形状が微妙に気に入らない。少し尖り気味なのだ。これに対して、同じ素材の「Gator(こっちは「鰐=アリゲーター」のイラスト入り)」は微妙に先端形状が丸いのである。両方を重ねて比べてみたのだが、その差はせいぜい、0.5mmぐらい。しかし、こういう微妙な差こそが重要であるのがギタリストというものの性(さが)である【爆】。
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ストックとなった様々なピックとLED ZEPPELINのワッペン

ところで、購入したJim Dunlop Gator 1.5mmは10枚。ピックを買うときは最低でも5枚、大抵は10枚まとめて買うのが(このページの前の方にも書いてある通り)筆者流。何故ならピックは消耗品だからである。購入した10枚のうちの2枚は財布に入れて、残りはギグバッグのポケットに1枚ずつ、そして残る6枚は筆者専用のデスクの引き出しへ。これでいつでも愛用できる。

ピックを買った後で吉祥寺ロックインの店内をぐるっと見て回った。そうしたら、一階の窓際のロック関係のグッズコーナーにLED ZEPPELINのワッペンがあったので、ついつい買ってしまった【苦笑】。帰宅して両面テープ+四隅をちゃんと糸でかがってギター用とベース用のギグバッグに貼り付けた。最近演奏するのはThe Venturesやオールドポップスばっかりなのだが、筆者が本来やりたいのはあくまでLED ZEPPELINなのである。
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LED ZEPPELINのワッペンを付けたギグバッグ
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