ところでジムダンロップのWebサイトの解説によれば「Big Stubby」の材質は「レキザン( Lexan (R) is a registered trademark of General Electric Plastics. )」だそうである。これはまた懐かしい名前と、ちょっと感激。
何故ならば「レキザン」はその昔、筆者が様々な自動車レース情報に嵌っていた中学から高校の頃に大好きだったシャパラルと言うレーシングカーのサクション・ボディ(空気力学的な仕掛けでシャーシが路面に吸い付いてトラクションを向上させる仕掛け)の重要部材だったのだ。
シャパラルはアメリカの石油王であり天才エンジニアであり、そしてレーシングドライバーでもあるジム・ホールという(ジャズ・ギタリストと同姓同名だが全く無関係の)才人が生み出したレーシングカーの名前。驚くべき事にロータスのコーリン・チャップマンより先にサクション・ボディを発明したジム・ホールはボディのサイドカバーと路面が触れる部分(サイド・スカート)に、このレキザンを使ったのである(こうしてボディサイドを密封状態にしてボディ後部から空気を抜いてボディ下面に負圧を発生させて)レーシングカー全体を大気圧で路面に押し付けてコーナリング速度を飛躍的に高めるわけけだ。要するにホバークラフトの正反対の仕掛けである。
つまり「レキザン」はプラスティック製品の中で非常に摩耗に強いと言う特性を持つのである(シャパラルが走行中、レキザンはずっとサーキットの路面で削られるのだから簡単に摩耗するようなものじゃ困るのだ※)。だからジムダンロップのWebサイトにも「レキザンは強度と耐久性に非常に優れる」と強調してある。
そして売り文句は「these picks provide an extremely positive attack for super-fast licks.(c)JIm Dunlop」である。
2005年1月3日[月] 追記:最近使っているのはIbanezのピック。品番的には「PA16XS-BK Extra Heavy(1.2mm)」と言うもの。グリップ部分に滑り止めの紙ヤスリ状のものが貼り付けてあるタイプ。全く同じものでフェルナンデス・ブランドのものもある。Big Stubbyはやっぱり幾らなんでもボテッと厚みがありすぎるのでこっちに乗り換えたという事。「紙ヤスリ」の効果は絶大で確かに滑らない。Ibanezの同じシリーズで滑り止めのボチボチが着いているものはもっと滑らないのだが、このボチボチはすぐに剥がれてしまうので駄目。