Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye - DoromPATIO
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2009.07.17[金]
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■ その7 Smooth Taper and Lever Switch
2009.07.19[日]追記
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
またまた改造癖が。。。

筆者は寡聞にして全く知らなかったのだが、巷ではかなり以前から、エレキギターの世界に於て「Smooth Taper Volume」なるものが話題になっているんだそうな。

その話に入る前に。まず、エレキギターのボリュームは(ネック・ピックアップ/ブリッジ・ピックアップのいずれでも)フルテンでは太く高域も伸びた、しっかりしたサウンド/トーンだが、少しでもボリュームを絞れば、途端に音痩せするのが常識である。これはパッシブ回路の宿命のようなものであり、逆に、そのことがボリュームだけでトーンも操作できることにも繋がるというのがベテラン・ギタリストの常識なわけである。

しかし、Gibson Les Paulのように、ネック・ピックアップの音が(標準では)いささか甘すぎる(太すぎる)傾向のあるギターの場合には、ボリュームを絞ってカッティングするにはハイ落ちが過ぎる(割りに低音が邪魔な)のでアンプやエフェクターのパラメータに工夫とコツと経験が必要になる。その点、シングルコイルのストラトはボリュームを絞っても比較的、歯切れが良いままなので、ゲインは他の機材で稼げば良いから、結果として応用範囲が広く(さらにシングルコイル・ピックアップは高域のレンジが広く空間系のエフェクターの掛かりが良いので)だからこそ、スタジオ・ミュージシャンの大半は今やストラト(またはそれに準ずる種類のギター)を使うということにもなるわけだ。と、これは余談。

しかし筆者はストラトが嫌いであり、メインのギターはハムバッカーを搭載した、大きく分ければLes Paul系のサウンドの(形状はPRS系の)Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eyeを使っているわけだから、これまではネック・ピックアップのボリュームを絞った時の「切れ」を出すために、以下の幾つかの方法を試して来たわけである。

  1. トーン回路を外す=多少でも高域のロスが減る
  2. テレキャスター式のハイパス・コンデンサーを噛ませる=ボリュームを絞るとシャキシャキしたハイ上がりのトーンになる
  3. タップする(ハムバッカー ⇔ シングルコイル)=必要なときにストラトっぽい特性のサウンドになる
  4. DiMarzioデュアルサウンド・スイッチを付ける(ハムバッカー・シリーズ接続 ⇔ シングルコイル ⇔ ハムバッカー・パラレル接続)=タップだとシャキシャキ過ぎる場合に、パラレルを選べるし、ハムバッカーであるから誘導ノイズを拾わない
  5. ネック・ピックアップに少しブリッジ・ピックアップが混ざるオリジナル配線=ネック・ピックアップ単独よりはシャキシャキ感がある

ちなみにPeavey HP EXPの直近の状態は1+4である(ブリッジ・ピックアップはトーン回路が無いだけ)。

筆者はストラトが嫌い:最大の理由は余りにも使っている人間が多過ぎること。第2の理由はボリュームの位置がブリッジ・ピックアップに近すぎて勝手に動くこと。人間工学的に不合理

さて、そこで「Smooth Taper Volume」である。これは要するに=筆者のいい加減な解釈では=テレキャスターのハイパスコンデンサーを噛ませる方式(ボリュームを絞ると高域が残る。詳しくはこちら)を一歩進めたもののようであり、適切な値のコンデンサーと抵抗をボリューム回路に噛ませて、ボリュームを絞っても聴感上の周波数特性が変わらずに、文字通り、フルテンに近いサウンド=トーンが保たれたままスムーズに音量が変化するボリューム回路のことを意味するらしい。つまり、これが本当なら、ボリュームを絞ってもハイ落ちは無い(あるいは非常に少ない)わけだし、テレキャスター方式のようにキンキンになりすぎることも無いと言う理想的【??】なボリューム・ポットと言うことらしいのである。

インターネットで調べると、「Smooth Taper Volume」を自作するためのコンデンサーと抵抗の定数を表示したページがあったり、あるいはギター工房の出来合いの製品もある。ヒューマンギア製だと何と4,200円ぐらい。こりゃ高すぎる。そこで、筆者お気に入りのXoticのサイトを調べると、「XP-SMV500(Smooth Volume-500KΩ)」が1,575円、同じく「XP-SMT500(Smooth Tone-500KΩ)」が2,100円(いずれも税込)。本来、筆者はトーン回路は外してしまうのだが、最近思い付いた実験(後述)に必要なので一緒に注文。
スムー・ステーパー
Xotic純正スムーストーン/ボリューム
スムー・ステーパー
ボリュームとスイッチを取り替えて、トーンを加えるわけだ
スムー・ステーパー
Smooth Taper Volumeの「肝」であるコンデンサーと抵抗
スムー・ステーパー
反対側から見たところ
スムー・ステーパー
Smooth Taper Toneの為の抵抗。奥がコンデンサー
スムー・ステーパー, オレンジドロップ
この商品の「売り」であるところの「オレンジドロップ」

上の何枚かの写真で判る通り「Smooth Taper」の構造は単純。入出力端子を抵抗とコンデンサーでショートしているわけだ。この結果、ボリュームを絞ってもハイとローが適度に残って、結果、聴感上はフラットに近い状態で音量だけが下がると言う理屈。トーン用は巨大な「オレンジドロップ」が鎮座在(ちんざましま)しており、スムースな高域の減衰を保証すると。あとは作業するだけ。詳しくは以下の写真参照。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
改造直前の外観
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
改造直前の内部配線。超シンプル&スッカスカ(^^;;

まずはパーツの全てを取り外す。必要な工具はモンキースパナとラジオペンチとニッパーと半田ゴテとハンダ吸い取り線とカッターであーる。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
右上に見えるのは冗談で作った筆者のギター工房(なもの無い)のステッカー
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
左上に見えるのはハンダ吸い取り線

取り付けに入る前に大事な作業がある。それは3-wayのブレードスタイルスイッチの透明なテンプレート(型紙)を作ること。と言うのも、これまでGibson式のトグルスイッチを取り付けていた丸穴にブレードスタイルスイッチのための溝とねじ穴を開けるからである。同じ工作は前に使っていたGM8Rでも実施したので慣れたものだが、一応、なんでわざわざトグルスイッチからブレードスタイルスイッチ(と英語では言うらしい。日本語では一般的にはレバースイッチの筈)に取り替えるかというと……
  • トグルスイッチはLes Paulの位置(弦より上のネック寄り。右手の動線と重ならない位置)なら何の問題もないのだが、弦より下の操作しやすい位置だと、ちょうど右手の動線の延長にあるために、ちょっと触っただけでセンター位置になってしまうトグルスイッチであるのは非常に困る
  • トグルスイッチは配線バリエーションが無いが、ブレードスタイルスイッチは一番単純な3-wayでも何通りのかの配線を楽しめる(5-Wayなどを使えばバリエーションは幾らでも考えられる)

……からである。と、それはさて置き、話を戻して、テンプレートの製作。

Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
ブレードスタイルスイッチのテンプレート

これを下の写真のように、適切な動作角度となり、かつ、バック・キャビティーの内壁にぶつからない位置にセロテープで止めるのであーる。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
セロテープを貼りテンプレートを載せ、もう一度セロテープで固定
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
反対側から見たところ
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
大胆不敵にドリルで穴を開けちゃう
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
ヤスリとカッターで穴開けが完了したところ
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
仕上げ前の開口部分
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
ブレードスタイルスイッチを仮止めして動作を確認
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
キャビティに余裕があるので理想的な角度で取り付けられた(^^)v

結果はご覧の通りの「鍵穴状」になるのだが筆者は全然気にならないのでOKである。あとは「鍵穴」の縁を綺麗に仕上げして油性フェルトペンでブラックアウトして(以上、お化粧工程)ネジをきちっと締めればブレードスタイルスイッチの取り付けは完成である。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
ボリュームを取り付けたところ
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
DiMarzio DualSound Switchの動作角度を確認。これ大事

後はXoticのスムースボリュームとスムーストーンとDiMarzio DualSound Switchを取り付けて配線処理をするだけ。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
全てのパーツの取り付け完了。残るは配線作業

その配線であるが、筆者的には以下の二通りが考えられる。ひとつは以前に実績のある筆者オリジナルの配線(下図)。ブレードスタイルスイッチの動作は下記のようになる。
  • ネック:ネック・ピックアップ(僅かにリア・ピックアップが混ざる)
  • ミックス:ネック&ブリッジのミックス(シリーズ)
  • リア:リア・ピックアップ単独

更にネック・ピックアップにはDiMarzio DualSound Switchを付加。

  • ハムバッカー:シリーズ接続
  • タップ:シングルコイル(インナーコイル)
  • ハムバッカー(パラレル配線)

そしてトーンを追加。トーンはネック・ピックアップ/ブリッジ・ピックアップ両方に効くが、普通とは違う配線にしてある(後述)。これがA案。

ワイアリング・ダイアグラム
世界に一つのオリジナル配線(^^)v

もう一案はブレードスタイルスイッチの配線を普通の状態にしたもの。この場合、トーン・ポットはブリッジ・ピックアップだけに効くように配線する(上図もそうなのだが、ブレードスタイルスイッチが特殊な配線であるために、ネック・ピックアップにもトーンが効いてしまう)。こうすると、例えば……
  • トーンはかなり絞っておく
  • ネック・ピックアップをDualSound Switchでタップしておく
  • ボリュームは、かなり絞っておく
  • これでカッティング
  • ブリッジ・ピックアップに切り替えたら、即、フルテン
  • 同時にLovepedal ETERNITYを踏む

この切り替えを行えばEric Johnsonのようなシャキシャキのコードプレイとバイオリン・トーンの行ったり来たりが出来る理屈になる(実際にはコーラスのON/OFFもあるので無理なのだが)。とにかく、これがB案。

ワイアリング・ダイアグラム
ブリッジ・ピックアップだけトーンが効く配線

どっちが良いかは微妙なところなのだが、仮配線で両方を試してみた結果、A案に落ち着いた。と言うわけで本配線を施し、スティフナー(結束バンド)でしっかりと綺麗にまとめて完成であーる。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
結構複雑な内部配線完成♪

肝心のサウンドについては、このアーティクルを書いている時点でスタジオに持ち込んでいないので後で追記するが、ヘッドフォン+ZOOM 707II GUITARでチェックした範囲ではとても良い感じ。まず、スムース・ボリュームについては、確かにハイ落ちせずに音量を下げることが出来るし、低音も抜けない。スムース・トーンは非常に微妙な調整が出来る感じ。但し、絞っていくと、はっきり音量も下がるように感じる。とにかく、詳しいチェックは後日である。

とまぁ言うわけで、またしても色々といじったわけだが、これまでの改造箇所をまとめると、ざっと以下のようになる【爆】。
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye

そして、いつも通り「記念撮影」して作業完了ぉ〜♪ いやぁ....しかし。。。ギターの(=自分の使う道具の)改造は楽しい♪♪♪
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
ん?
Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
ギタリスト目線での完成状態

Peavey HP Signature Series EXP Tiger Eye
趣味の抜き版画像。クリックすると拡大

2009.07.19[日]追記:次ページを含む改造を施したPeavey HP EXPをスタジオにて演奏。結果はバッチリ。Smooth Taperとやらは実に具合が宜しい。ネック・ピックアップを適度に絞ってのカッティングは別掲のdpGuitarSystem3とのコンビネーションで今までにないぐらい良い雰囲気を醸し出す♪(Xotic RC-Booster+Lovepedal Echo Baby+Guyatone MD3 Micro Digital Delay+Electro Harmonix Small Cloneによるクリーン・セッティング)。また、オーバードライブ(Lovepedal ETERNITY単独、Lovepedal ETERNITY+Xotic RC-Booster、さらにGuyatone MD3)によるパワーコード、更にLovepedal Echo Babyを加えてのソロもバッチリ。弾き易さとサステインの両立は見事にうまく行ったぞと自画自賛である♪
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