但し、このこと自体は筆者的には大きな問題ではない。Les Paulのネック・ピックアップの音色はややもすると低域がボン付くので扱いにくい場合があるのだが、Peavey HP EXPにはそれが無いのはかえって弾きやすいからである。しかし、元々のピックアップの位置が20mmずれている上にインナー・コイル=ブリッジ側にあるコイルをタップすると、明らかに(幾らタップ=シングル・コイルだからとは言え)音が固すぎる。ネック・ピックアップと言うより(まるでLes Paul Customの)センター・ピックアップに近い位置になってしまうからである。
もうひとつ。タップしたネック・ピックアップは当然ながらブリッジ・ピックアップよりも出力が低い。この相対的な出力の低さとギター側のボリュームの操作(位置)とdpGuitarSystem3=ペダルボードのRC-BoosterとLovepedal ETERNITYのパラメータの設定の最適化によって、次のような使い分けが瞬時に切り替えられる。
- ネック・ピックアップ:タップ=シングル・コイル:
・ボリューム=4〜7:セミ・クリーンのカッティング
・ボリューム=7〜8:クランチ系のカッティング
・ボリューム:8〜フルテン:オブリガード、余り主張しないソロ・プレイ
- ブリッジ・ピックアップ:ハムバッカー
・ボリューム:6〜8:クランチ系のリフ、パワーコード
・ボリューム:8〜9:オーバードライブ系のリフ、パワーコード
・フルテン:リード・プレイ
この時に(特にネック・ピックアップのボリュームを絞ったセミ・クリーンの状態の時に)シングル・コイルであっても、サウンドに適度な甘さ(具体的には低音感)が必要なのだが、そのためにはなるべくネック寄りの位置のコイルであることが必須なのである。
さらに補足。筆者のPeavey HP EXPの配線は特殊である。前のページに書いてある通り、下記のようになっている。
- フロント:ネック・ピックアップ+若干のブリッジ・ピックアップ
- センター:ネック・ピックアップ+ブリッジ・ピックアップ
- リ ア:ブリッジ・ピックアップ(オンリー)
つまり、通常よりもネック・ピックアップの音色は固めである。その理由はギター側のボリュームを絞った時のハイ落ちを嫌うからである。しかし、ネック・ピックアップを選択しているのだから「ふくよかさ」も欲しい。だからタップした時のシングル・コイルはシャキーンとしながらも甘さも残したいからネック寄りであるアウター・コイルが望ましいのである。
とにかく、これにて一件落着……の筈【爆】。
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