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2004.08.08[日]更新
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Gibson SG Special - DoromPATIO
■ dpGuitar System - 1st version - その2
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
組合せはどんどん変化・進化するのであるのであるのである♪
ちなみに上記はいわゆる「プランB」
下列左から「BOSS DD-6 デジタルディレイ」「ZOOM PD-01 パワードライブ(オーバードライブ)」「Custom Auidio Japan Multi Line Selector MLS-2(ラインセレクター)」「ZOOM 707II GUITAR(マルチ・エフェクター)」。JC-120の上のグレーのモノはまだ未購入のC.A.J.のSmart Buffer
(c) ZOOM CORPORATION
Copyright (C) 1999-2004 Roland Corporation. All Rights Reserved.
(c) All Contents protected by copyright 2001 Okada International co,ltd.

エフェクターの組合せはころころ変わるのが常である【苦笑】。前回組んだシステムは汎用性に欠ける部分があるので3ヶ月で組み替えた。簡単に説明すると下記の通りである。

  • ZOOM HD-01(ディストーション)は好みではない(正確に言えば「必要とするサウンドが得られない」)ので外した
  • その代わりをPD-01(オーバードライブ)が担う
  • Les Paulからすぐのバッファーアンプには、そのものズバリの「Smart Buffer」と言う新製品がC.A.J.から出たのでこれを使う(が、これを書いている時点では、まだ購入していない)
  • 通常の接続は単純なモノラル出力とする
と言うことで組み替えたのが下記の状態。
bcb-60

しかし、今回の配線(=接続順)には実は非常に大きな問題がある。
エフェクターというモノは接続順のテーゼがある。ところが、その接続順のテーゼと、どのエフェクターがONでどれがOFFかと言う組合せのフットスイッチ一発選択が手持ちの機材では無理なのである。と言うのも……
  • バッキング時の基本のサウンドは全てZOOM 707II GUITARで作る
  • であるから当然、クランチとオーバードライブの切り換えもZOOM 707II GUITARだけで行なう
  • コーラス系などを使う場合も同じ(707IIにそれ用のパッチを作っておく)
  • ソロ(リード)の時のみ、ZOOM PD-01(オーバードライブ)とBOSS DD-6(デジタル・ディレイ)をZOOM 707II GUITARに加える形でONにする
  • PD-01はZOOM 707II GUITARの前に接続されなければならない
  • BOSS DD-6はZOOM 707II GUITARの後に接続されなければならない
  • つまり接続順は「PD-01 → 707II → DD-6」でなければならない
  • BOSS DD-6のフットスイッチはタップド・ディレイのテンポ入力に使うので、C.A.J.のMLS-2のループに入れてON/OFFを行なう
以上を一覧表にまとめると下記のようになる。
Gibson Les Paul
バッキング
ソロ(リード)
C.A.J. Smart Buffer
ON
ON
ZOOM PD-01
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
OFF
ON
ZOOM 707II GUITAR
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
ON
ON
BOSS DD-6
in loop of C.A.J. MLS-2
ペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystemペダルボード - エフェクター - dpGuitarSystem
OFF
ON

Roland JC-120

この接続で問題なのは「PD-01とDD-6を同時にON/OFFする方法」である。もしもMLS-2のループにPD-01とDD-6を両方入れてしまうと、前述の正しい接続順に出来なくなる。実際に実験してみたが、707IIの前にするとディレイが駄目(ディレイ音に歪みが加わるから音が曇る・こもる)だし、707IIの後にすると、今度はPD-01がオーバードライブとならず、ごつんと硬い音でレベルが上がるだけになってしまう。
と言うことは、問題を完璧に解決するなら本格的なスイッチング・セレクターを導入するしかない。あるいはMLS-2のようなものを複数かますことになる(エリック・ジョンソンはこの方式)。
しかし、それは予算的に馬鹿らしいし、BCB-60(エフェクターボード)に入らなくなる。そうなれば完全に本末転倒、趣味は無駄の追求のし過ぎになってしまう。さぁ困った。

かくて悩むこと数日【苦笑】。結論は単純。下の写真参照で一発で判るだろうが、物理的にPD-01とDD-6を両方同時にON/OFF出来る合板製のパーツを作っちゃったのである。裏側に仕掛け=凸凹細工加工=がしてあるので、PD-01とMLS-2のフットスイッチにびったし勘合するようになっており、手前もBCB-60の枠部分に嵌るようになっているから上から被せただけで、もう前後左右にずれたりすることはない。但し固定されているわけではないので、本番(ライブ)では万が一にも外れないように手前をテープで(もちろん、ちゃんと稼働する状態で)押さえて半固定してしまえば良いのだ(動作確認済み)。
bcb-60
ソロの時だけベニア板を踏めばよいわけであるが、これじゃ味気ないので御化粧済み。後ろの方の写真参照。

と言うややこしい話は別として、実際に(この接続の前の状態で)ライブに使用したわけだが、EMGにピックアップ交換したLes Paulとの組合せで、実にメリハリの利いた、音が前に出るサウンドが得られた。
とにかく、結果は大正解である。

bcb-60
違う角度から特製フットスイッチ・カバーを見る。ベニア板のままでは格好悪いのでちょっと御化粧してある
bcb-60
アップ。複雑微妙な突起物などの加工によって、二つの形状と高さの違うスイッチと絶妙に勘合させてあるので、確実に二つのスイッチを同時にON/OFF出来る
bcb-60
これならば、パッと見にベニア製だとは判らないだろう(^^)v 右の壁の白いモノは予備のピック

以上の方法は実は「プランB」である【笑】。何故かというと、実際に練習スタジオでありとあらゆる組合せを試してみた結果、接続順のテーゼは思ったほど影響しないことが判ったからである。それどころか、ライブの時のテーゼから外れた接続には別のメリットがあることが判ったのである(後述)。
とにかく、それらの結果、最もシンプルな下記の接続順が「プランA」となったのである。
bcb-60
「プランA」であーる♪

現時点の最終形(←微妙なる言い回し)の「肝」は、デジタル・マルチ・エフェクターであるZOOM 707II GUITARを事実上「数台のストンプボックスが切り換えられる便利なマルチ」+「チューナー」と位置付けたこと。

何故ならば、安価なZOOM 707II GUITARでも、高価なBOSSのGT-6やDigiTechのGNX4でも基本は同じなのだが、この手のデジタル・マルチ・エフェクターは全て内蔵のDSP(信号処理専用のプロセッサー)がありとあらゆる演算処理を行なっており、その結果、内蔵のエフェクター(イコライザー他全てを含む)を同時に沢山使えば使うほどDSPの負荷が増し、処理速度に遅延が生じ音質は劣化するのである(だからDigiTechの最近の高額機種はその対策のためにDSPを複数搭載しているらしい)。パソコンで一度に沢山の処理を同時並行させれば全体の動作が重くなるのと全く同じ事である。

また、デジタル・マルチ・エフェクターにはメーカーや機種によって得意不得意があり、例えば昔からBOSSやDigiTech系は空間系に優れるが歪み系は弱いなんてのが一般的な評価。その意味では「超・安価」なZOOM 707II GUITARはどれもそこそこ(価格を考えれば素晴らしいと言えるレベル)なのだが、筆者の感覚では一部のオーバードライブ系やアンプシミュレーションが妙に優秀で、逆にコーラスやディレイは(以前、一時期使っていたDigiTech RP2000、あるいは単品のBOSS などと比べると明らかに)しょぼいのである。

ならば、しょぼくない=得意分野系だけを使えばよいのだ。
それに、筆者のシステムはライブ専用であるから空間系はあまり重視しなくて良い。何故なら空間系の微妙なサウンドのニュアンスはライブでは殆ど客席に伝わらないからである。

と言うわけで、紆余曲折【苦笑】の末のZOOM 707II GUITARの基本プリセットは下記の三つだけ。
  1. CLEAN:707IIの中での名称は「MACH」つまりMATCHLESSのシミュレーションを基本としたもの。MATCHLESSは高級ハンドメイドアンプの代表だが本物を使ったことはない【苦笑】。707IIにおけるサウンドは最初からコンプレッサーが掛かったクリーントーン。ゲインをフル(30)にしても少しも歪まない。但し中低域が目茶苦茶持ち上がってボン付くのでイコライザーでばっさりカット。筆者の欲しいのはしゃっきりしたクリーン・トーンであり、MATCHLESSそのもののサウンドが欲しいわけではないからである。
  2. CRUNCH:軽い歪み。ギター側フルゲインで強くピッキングすればかなり歪むし、ギター側を絞って柔らかくピッキングすればかなりクリーンにもなる便利なセッティング。ハイを強調するのがコツ。サウンドにメリハリがないと意味がないからである。基本は707IIの「V-OD」(ビンテージ・オーバードライブの意味で、恐らくはBOSSのOD-1のシミュレーション)。ゲインはその時の気分で「1〜6」の間。
  3. DRIVE:基本は「V-OD」でCRUNCHと同じ。ゲインを「24〜30」に設定してハードロックのリフ刻みなどに最適。トーンはCRUNCHより少し甘くし、レベルは少し上げておく。
これ以外に「CLEAN」と「CRUNCH」のいずれか(又は両方)にコーラスとダブリング・ディレイを少々加えたモノがあればバッキング用としては完璧(だが実際には滅多に使わない)。
なお、言うまでもないが「1→2→3」の順で段々に音量が上がるようにレベル調整をしておく。歪めば歪むほど音は引っ込むので、この音量調整は非常に大事。

この基本の三つのセッティングには他の余計なエフェクト・モジュールは(ノイズ・リダクション以外は)掛けない(CLEANの低域調整のためのイコライザーを除く)。つまり、三台のストンプボックスを切り換えるのと基本的には同じである。
しかも、もしも本当に三台のストンプボックスを使う時の1/3〜1/10の予算で済む。そしてもちろん、本当に三台のストンプボックスを並べてあるとすると、スイッチング・ボックスがないと一発では切り換えが出来なし、そう言う接続をすれば「ゲイン落ち」「ノイズの増加」などの問題にも悩まされることになる。しかもチューナーは別に揃えなければいけない。

と言うわけでシンプルな設定に変更した707IIの前に直列に繋いだ「C.A.J. MLS-2」を踏めば、ソロ・パートで「ZOOM PD-01とBOSS DD-6」が同時にオンになって、充分な歪みとサステイン(実際にはほぼ、どのフレット、どの弦でも自由自在にフィードバックさせることが可能。つまり無限のサステイン♪)と適度なディレイが掛かり、かつ、ちゃんと音が前に出るのである。
しかも前述のごとく接続は直列だから、707IIのパッチの違い通りにソロのサウンドと音量も変化する。その時の筆者の耳の感覚とスタジオやライブ会場のJC-120の状態によって、PD-01のトーン(トレブルとベース)を調整すれば簡単に音色の微調整も可能なのである。

また、この接続で常時DD-6だけをオンにしておくと、PD-01を踏んだ時だけディレイ音がどわっと大きくなる(※後述)ので曲によってはDD-6掛けっぱなしも有りというメリットもある。つまりPD-01がOFFの時はほんのちょっとだけディレイが掛かるぐらいにDD-6のミックス・レベルを調整しておくとちょうど良いと言うことを発見したのだ。と言うことは、質の良くない707IIのディレイを全く使わなくて済むわけである。
以上をまとめると下表のようになる。
Sound
MLS-2
PD-01
DD-6
707II
CLEAN
CLEAN
CLEAN+DD
ON
ON
CLEAN
SOLO
ON
ON
ON
CLEAN
CRUNCH
CRUNCH
CRUNCH+DD
ON
ON
CRUNCH
SOLO
ON
ON
ON
CRUNCH
DRIVE
DRIVE
DRIVE+DD
ON
ON
DRIVE
SOLO
ON
ON
ON
DRIVE
CHORUS
CHORUS
CHORUS+DD
ON
ON
CHORUS
SOLO
ON
ON
ON
CHORUS

なお、今のところ、このセッティングで「サウンドも操作性もばっちし」であり、バンド内での評判も大変によろしいので「C.A.J. Smart Buffer」の導入は暫し見合わせ(の予定。多分)。

※PD-01を踏んだ時だけディレイ音が大きくなる※ PD-01がOFFの状態でDD-6がわずかに聴こえる程度のディレイレベルにしておくと、PD-01を踏んだ瞬間にDD-6の入力レベルが上がってディレイ音がどわっと大きくなる。するとソロに実に気持ちの良い空間的サウンドが加わるのである。だから曲によってはDD-6を常時ONと言うのもありなのだ。その場合はソロの時はPD-01のフットスイッチを直接ON/OFFすればよいわけである。

ところでエフェクターのセッティングをする時にとっても大事なことを書き忘れた。それは、最終的なサウンドはギターとエフェクターとギターアンプの全てのパラメータの総合なので、話は決してエフェクターだけでは解決しないという当たり前のことである。
しかし、我々アマチュアの場合、練習スタジオにしろライブにしろ、自分のギターアンプを持ち込むのは難しい。持ち込む荷物は少ないに越したことはない。クルマで持ち込んだらビールも飲めない【苦笑】。
となると、ギターアンプは何処のスタジオにもライブハウスにも100%常設されていると断言して良いローランド JC-120を基準に考えるのが合理的と言うことになる。そして、自分流のJC-120の使い方を決めてしまえばパラメータが減るのでギターサウンド構築が単純化されるのである。
JC-120の音なんて耐えられないと言う場合はどうしようもないが、筆者のように「音作りの基本はエフェクターで」と決めてしまい、JC-120は完全なシャッキリ系クリーン・トーンに設定(固定)してしまえば、どこの練習スタジオでもライブハウスでも同じサウンドが得られるというメリットは計り知れないのである。

その上、もしも正反対にギターアンプに凝る場合はエフェクターボードは筆者のようなものでは済まないことになる。何故なら最近のギターアンプのトレンドは複数チャネルであり、各チャネルごとにクリーン or クランチ or オーバードライブ/ディストーションの設定が出来るのはよいのだが、それを切り換えるためのフットスイッチが増えちゃうのである。しかも、そうなると、その(最低)3種類のギターアンプ側のプリセットサウンドとエフェクターの順列組合せというパラメータの洪水状態に陥るのである。
だから筆者は(これでも)かなり話を単純化し合理化するようにしているのである。
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